「花束」
ふと花束を思い出した
一束の花
寒くなりかけた頃だったかもしれない
目の前に来た花
来そうで来なかった揺れ動いた束
何ということも無い花ばかりの束だったのに
ゆるりと揺れて隣へと移って行った
失望は思いの他に僅かで
意外でもあったなぁ
不思議に意外な両方の何故
でも、それが現在の自己発見
誰かの、誰かを思う気持ち
花々に
気付いていながら気付いていなかったような
花々に
些細な出来事に託された幾人かの
花々の気持ち交々
取り立てて何ということも無いままの花々に
気持ち束ねてあの時の花束