特に友達という事はなく、同級生という事で、店員さん達も説明を受け、私もそれじゃあと帰ろうとしましたが、折角だからお茶でもとお誘いを受けました。
いえ、そんなと遠慮しながらかー君の顔を見ていると、にこやかで、ついおー君のことを思い出してしまいます。
背も高いし、ハンサム、成績だってクラスでも1番、多分、と思うと、余程おー君なんか比べ物になりません。
非の打ち所の無いかー君に何を断る理由があるでしょう。
おー君を思いだしてしまったので、がぜん腹が立ってきました。
「それでは、お言葉に甘えて一杯だけ。」
と、態度だけはしおらしく、ずうずうしく履物を揃えて上がり込んでしまうのでした。(恥ずかしい)
畳のお部屋に通されて、座布団を出されると、いやいや座布団なんか結構ですよ、そういいながら勧められるままに、いや、どうも申し訳ありませんと言いつつ座ると、お構いなく、お番茶でいいですから、などと言います。
実は、幼い頃から父の外交に自転車に乗せられて付いて行った事がある私です。父の受け答えが身についていました。
この辺り、父の言い回しです。
大人びた言葉使いに、陰で笑われていたのでしょうが緑茶が出されて、しぶしぶと啜っていると、男の人が顔を出しました。よく言う時候の挨拶か何か、父が言っていたようなことを話すと、ま、こっちへ、と、奥の部屋へ通されてしまいました。
どうもそこは子供部屋のようでした。本やパズルなどが置いてあり、かー君もやって来て一緒にパズルなどしてその日はそこそこに帰って来ました。
「また遊びにきてね。」
そう言われて、うんと言わない子は滅多にいないと思います。
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