『この塩梅では、こっちでも父さんと母さんは何か言ったんだな。』と彼には察しがついたのでした。それで、
「お祖父ちゃんとお祖母ちゃんが、何か言って行ったのか?」
と、甥や姪を見渡して尋ねてみました。
うんと言ってコクリと姪は頷き、悪戯っぽそうに目を輝かせました。その直ぐ上の兄は「いいじゃないかそんな事、叔父ちゃんまた遊びに来てよ。」と笑顔で愛想よく言います。が、妹も、愛想のよい甥の兄の長男も、直ぐに俯いて黙ってしまいました。
「俺は、学校の帰り道にお祖父ちゃん達に会ったよ。」
長兄の甥は重い口を開くと、沈んで顔を伏せている妹の方に向かって「お前も言われたのか?」と確認する様に尋ねました。まあねと妹は困ったような声で兄の問い掛けを肯定しました。彼女は内緒にしなさいって、そう言われたのだと小さく付け足しました。
「お前達、今度叔父さんが遊びに来ても、いい顔をして出迎えたり、持て成したりしてはいけないよ。」
お前達が甘やかすから、叔父さんは何時までもあんななんだ。いい年をして、何時までもどこぞの若いあんちゃんの様だ。もう叔父さんは子供じゃないんだからね、何時までも子供と一緒に遊んでいる大人が何処にいると思う?叔父さん、あのままでいい訳無いだろう。世間はそう甘くないという事を教えてやらなければいけない。
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