葉山の四季

葉山の四季をお伝えしたいと思います。

アンと「てんがらもん」。

2014-06-28 20:43:38 | 「てんがらもんラジオ」

 松本侑子訳 『赤毛のアン』 最終章第37章 「死という命の刈りとり」 はアン

の義父・マシューが突然の死によってアンから切り離される場面からはじまり

ます。

 その晩アンは一緒に過ごそうという親友の申し出を断ります。

 ≪ 一人になれば涙がこみ上げるのではないかと、アンは願っていた。アンが

心から愛していたマシュー、あんなにも優しくしてくれたマシューが死んだという

のに、一滴も涙が出ないとは、おぞましいような気がした。最後となったゆうべ、

肩を並べて歩いたマシューが、今は、ほの暗い下の部屋で、額に死の平穏を浮か

べて横たわっているのだ。≫ 

 そして疲れ果てた体と心は眠りに落ち込みます。

≪ 夜ふけ、アンはふと、目が覚めた。あたりは静まりかえり、真っ暗だった。する

と、今日一日の出来事が、悲しみの波となって一挙に押しよせてきた。昨夜、木

戸のところで別れぎわに、アンに微笑んでくれたマシューの笑顔が、目にありあり

と浮かんできた。「わしの娘だ。わしの自慢の娘だよ」と言ってくれた声も、耳によ

みがえってきた。そのとたんに、涙があふれ、アンは胸が張り裂けんばかりに泣い

た。≫

 

 こんなにも深い結びつきは、ひとりの婦人の思い違いが切っ掛けです。

 マシューと妹のマリラは働き手として男の子を引き取るつもりでした。ところが

やってきたのは赤毛の女の子でした。

 そのことを生前マシューはこんな風につぶやきます。

≪「(略) あの子は賢くて、きれいだ。それに、愛情深い子だ。これがなによりいい

ことだ。神様があの子をわしらに授けて下さったんだな。スペンサー夫人も、まった

く運のいい手違いをしてくれたものだ。もっとも、これが単なる運の話ならばだがな。

しかし、これは運の善し悪しなんてものじゃない、神様の思召しだ。思うに、全能の

神は、わしらにあの子が必要だとご覧になったんだよ」≫

 

 読んでいて心に残った頁です。Aさんの突然の訃報と「てんがらもんラジオ」で何時

か http://www2.synapse.ne.jp/tengaramon/ で紹介されている「会」の方

のお話をききたいという思いと重なり、メモ的にここに書いておきます。

コメント (2)
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