葉山の四季

葉山の四季をお伝えしたいと思います。

「がん」ー35ー 酒で顔が赤くなる人、食道がんに注意。

2019-03-24 16:07:03 | 「がん」を読む

このタイトルは私に向けたものなのです。

本のp95です、

● 再び遺伝的要因について
   では、遺伝的要因とはどんなものでしょうか。同じ人種でもがんにかかりやすい人とかかりにくい人がいて、その傾向が遺伝する場合だと考えればよいかもしれません。
   よく知られているのは、食道がんとアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の関係です。私たちの体内では、酒に含まれるエタノールを2段階で分解します。まず、アルコール脱水素酵素(ADH)でエタノールをアセトアルデヒドに分解し、それをさらにALDHで酢酸に分解するのです。
   ところが、同じ日本人のなかでも、このALDHの働きが生まれつき強い人と弱い人がいます。弱い人は、アセトアルデヒドをあまり分解できないので、アセトアルデヒドが体のなかにたまってしまいます。アセトアルデヒドは発がん物質のひとつなので、
ALDHが弱い人は、お酒を飲むとすぐ赤くなりますから、そういう人は食道がんに気をつけたほうがいいのです。ちなみに、白人と黒人にはALDHの働きが弱い人はいないそうです。

    第1章で、一対のがん抑制遺伝子のうち一方に変異をもつ人は、変異をもっていない人よりもがんになりやすいことを述べました。そして、その変異は遺伝することも述べました。ですから、がん抑制遺伝子の変異も大きな遺伝的要因だといえます。

   実は、図2ー7にも「遺伝的要因」を入れてあります。遺伝的要因がある場合は、ない場合に比べて図2ー7の①の変化が起こりやすくなり、がんを発症するまでの期間が短くなります。

(図2-7)

先の「第1章で〜述べました」は本のp 57の以下の記述です。

   ■がんは遺伝するのか?

   「がんは遺伝子の病気」であるといいましたが、はたしてがんは遺伝するのでしょうか。前述したようにがん抑制遺伝子の突然変異を親から受け継いだ子は、生まれながらにしてすべての体細胞で、一対あるがん抑制遺伝子の片方が変異を持つことになります。2つある細胞増殖のプレーキのうち、1つが最初から壊れているようなもので、がんが発症する確率は高まります。
   このように、病的な遺伝子の変異が親から子へ伝わることにより遺伝的にがんに罹患し、発症しやすくなるがんのことを特に遺伝性がん(腫瘍)と呼びます。
   もっとも、がん全体のなかでこうした遺伝性がんが占める比率はかならずしも高くありません。多くのがんで大多数を占めるのは、こうした突然変異遺伝子を持たない人が発症する「散発性がん」です。
   難しいのは、こうした「散発性がん」においても体質のような遺伝的要因が一部かかわっている可能性があることです。がんの発症には様々な遺伝子がかかわっていますが、そのすべてが解明されているわけではありません。肥満や高血圧、糖尿病などは、がんそのものの発症に直接かかわるわけではないものの、がんの発症確率を高める環境要因となると考えられています。このため、肥満や高血圧、糖尿病などを引き起こす遺伝的要因も、がんの発症にかかわっている可能性があります。

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