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「がん」を読む ー18ー がんは遺伝子の病気とは?(1)

2019-03-03 20:59:51 | 「がん」を読む

 「がんは遺伝子の病気」とは?

   がんという病気の原因についてさまざまな研究が行われてきました。現在では「がんは遺伝子の病気」と考えられています。既に「つぶやき」(https://blog.goo.ne.jp/kaeru-23/e/2ff4826be36eb8d6c49170de21968fc4)ましたが、1976年に「がん遺伝子」が発見されたことが大きな転機になりました。この発見は米国の生物学者バーマスとビショップによるものですが、もとになっていたのが1911年にラウスという米国の病理学者がニワトに肉腫を引き起こすウイルスの発見です。

   ラウスの発見したウイルスはあるウイルスの亜株で、親ウイルスは肉腫を引き起こさないものでした。この違いに注目して親ウイルスと亜株ウイルスの遺伝子を比べ異なる遺伝子を見つけたのがパーマスとビショップです。これが現在「Src(サーク)」と呼ばれているがん遺伝子です。

   このSrcは感染したニワトリの細胞(宿主細胞)のDNAに、Src遺伝子を組み込みます。それによって、宿主細胞はさかんに増殖するようになり、ウイルスは増えつづけます、それは同時に宿主細胞にとっては肉腫になるのです。さらにバーマスとビショップはニワトリの正常な細胞にも、ウイルスのSrc遺伝子と非常によく似た遺伝子を発見します。この遺伝子はがんを引き起こすわけではありませんが、ここから「がんの発生には、正常な細胞に存在する正常な遺伝子がかかわっている」という考えが生まれました。正常な遺伝子が変異すると、ウイルスのがん遺伝子と同じようにがんを引き起こすと考えられるようになったのです。

 

細胞が増殖するしくみ

   Src遺伝子からは、SRCというタンパク質がつくられます。このタンパク質は酵素として別のタンパク質をリン酸化します、タンパク質のなかのアミノ酸にリン酸基を結合させるのです。リン酸基が結合できるアミノ酸の3種類のうちチロシンのリン酸化が「がんを引き起こす」のでした。この発見は研究者を大変驚かせ、がん研究を新時代に突入させました。

細胞の分裂の仕組みは増殖を厳密にコントロールしている、しかし……という解説図が次の図です。

本『「がん」はなぜできるか』のp45です。

この「しくみ」については第2章で述べられので、その際戻ってきたいと思います。ここまでも本の該当部分の引き写しで、理解不十分のまま書いています。それでも少しづつ頭に入ってきてる感じです】