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2024-05-29 19:58:18 | kaeruの「しんぶん赤旗」


全国で鉄道路線の廃止問題が持ち上がり、日本が世界に誇る鉄道ネットワークがずたずたにされようとしています。3月末には、地方公共交通の在り方、 ローカル線の存廃をめぐり、事業者(JR)と地元自治体などが話し合う 「再構築協議会」の初会合が広島市内で開かれました。「ローカル線廃止にさらに拍車がかかるのでは」と懸念されています。(遠藤誠二)

「再構築協議会」で ローカル線廃止に拍車

     

再構築協議会は、昨年10月に施行された改定地域公共交通活性化・再生法により設けられたもの。特定の線区について、鉄路廃止・他の交通機関への転換などで事業者が協議を申し出れば地元自治体が応じる責任を追います。最初に〝俎上(そじょう)〟にあがったのは、中国地方山間部を走る芸備線(備中神代―備後庄原)です。

再構築協議会設置を前にして、JR各社(東海除く)は2022年、赤字路線を公表。これに呼応するように国土交通省の有識者会議は、輸送密度(1㌔当たり1日の平均乗客数) 1000人未満の線区を協議の対象とする提言を発表しました。ローカル線つぶしにむけたレールが敷かれた感があります。

鉄路の「廃止ありき、存続ありきの前提を置かない」(国交省)として3月26日に始まった再構築協議会会合で、JR側は、「(対象線区は)大量輸送の観点で鉄道の特性が発揮できていない」(西日本広島支社長)と発言。これに対し地元自治体代表は、「異論がある」「現行通り運行していただけるのがベスト」(岡山県副知事)、「大量輸送性のみに着目せず、(鉄道の)新たな価値、役割を見いだすのが重要」(同県新見市副市長)などと反論しました。

3月31日には、16年8月の台風災害で不通となった北海道・根室線の富良野─新得間が、復旧することなく廃線となり、100年以上続いた大幹線が分断されました。JR北海道は同年11月、「当社単独では維持することが困難な線区」として、赤線区=輸送密度200人未満、黄色線区=同200人以上2000人未満を発表。この間、赤線5線区の廃止を進め、残るは留萌線(石狩沼田ー深川)のみ。同区間も2年に廃止されます。黄色線についても3年後をめどに存廃論議が始まり、特急の走る宗谷線、石北線などの幹線も対象に。北海道新幹線延伸(新函館北斗ー札幌)にともない並行在来線・函館線も廃上が既定路線です。 北の大地の鉄道は、ずたずたどころか、かなりの部分が消滅する危険性をはらんでいます。

津軽線、米坂(よねさか)線、美祢(みね)線、肥薩線ー全国では、台風、豪雨などの災害で被災した路線が数多くあり、JRが復旧、存続の方針を明らかにしないなど、廃線が危ぶまれています。 津軽線をめぐっては、地元自治体が、蟹田一三厩間の廃止で合意したことが報じら.れています。 また、JR以外にも、全国の民鉄、第三セクターの少なくない路線で、存廃論議が起きています。

このまま鉄路廃止の道に一気に進んでしまうのかー。 各地では、鉄道維持・存続にむけた住民組織が立ちあがり、活動を続けています。 また、対象路線の沿線自治体もほとんどが存続を求めており、地域の運動によって災害復旧・存続となった只見線の例もあります。再構築協議会をはじめとする各地域での議論、運動の行方が注視されます。

日本大学名誉教授 桜井徹さん

道路偏重・営利的経営・分割民営化一の見直し必要

JRのローカル線問題は、外部要因、内部要因、制度的要因の三つが関連して生じています。外部要因は、政府の交通政策です。とくに道路編重の投資政策が取られ、マイカーに過度に依存する社会が形成されてきたことです。

内部要因は営利重視というJRの経営姿勢です。これには二つの意味があります。一つは、投資抑制や列車の減便・駅の無人化などの営利重視経営が利便性低下と乗客の鉄道離れを引き起こすという「負のスパイラル」。もう一つは、営利的経営が、路線を狭隘な営業係数で評価すること。芸備線のように、ネットワークとしての価値を無視し、路線を細切れにして廃止を正当化することにつながっています。

制度的要因は、国鉄分割・民営化です。広島県知事などが主張しているように、分割・民営化時に内部補助でローカル線を維持するというスキームがとられたが、そのスキームが崩壊したのであれば、分割・民営化にさかのぼってローカル線問題を考え直すべきです。

道路偏重の投資政策、営利的経営そして国鉄分割・民営化の見直しがローカル線問題解決のために必要です