kaeruのつぶやき

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「がん」を読む ー8ー 歴史を振り返ってみましょう。

2019-02-19 18:39:46 | 「がん」を読む

この本のp36です、

「人類がこの病気に苦しめられるようになったのは、いつからなのでしょうか。少し歴史を振り返ってみましょう。」

人類最古のがん=160万〜180万年前のヒトの化石でみいだされた骨肉腫。

南アフリカの研究者が、洞窟で発掘された化石の足の指のCT画像を撮影したところ、現代の骨肉腫の生検標本とよく似た特徴が見られたそうです。この化石の人類は、ホモ・サピエンスとは違う種類のようですが、がんは驚くほど昔からあったのです。

【時代はぐーと下がり】

4200年前のエジプトの女性ミイラの骨から乳がんの証拠を発見しました。2015年にスペインの研究チームの報告です。乳がんの原発巣はやわらかい乳房のなかにありますから、ミイラ化した状態で確認することは困難でしょうが、乳がんが骨に移転し、骨のなかに腫瘍のあとが残っていたのです。

エジプトで発見された2250年前の男性ミイラの調査で、前立腺がんが骨転移してできたと解釈できる球状の腫瘍のあとがたくさん発見されたという報告もあります。

がんはいつから記録されているのか

最古の記録=紀元前2600年頃の古代エジプトの医師イムホテブが残した症例のなかに、

乳房の隆起するしこり」「冷たく固く、血液でできた果実のように実が詰まっており、皮膚の下をひそかに広がっていく」との表現があります。

次の記録はそれから2000年以上も経った紀元前440年頃の古代ギリシャの歴史家ヘロドトスの『歴史』のなかに出てくる話です。ペルシャの王妃の乳房に出血のしこりげでき、それをギリシャ人の医師が摘出したというのです。

病名「がん」の登場

紀元前400年頃、古代ギリシャの医学者ピポクラテスが、がんを表すのに、ギリシャ語で「カニ」を意味する「カルキノス」という言葉をもちいたと言われています。

この本の該当図です、

このあと本の方は    がん遺伝子の発見   の小見出しで1775年の話に移っていくのですが、それに触れる前に私が誠に短い記述ですがヒトとがんとの関わりの歴史について関心を持ち、紹介したいわけを2つ記しておきます。

一つは、現在のがん治療は標準治療と代替治療も含めて長いヒトとがんとの関わりの結果であり、到達点だと思います。結果とか到達点とか表現されますが日々変化発展している進行中のそれです。娘が罹患し治療法を選択する時なぜ標準治療を拒否したのか、かなり個人的な状況のもとでの判断だったと思われます。その判断についていま評価をする積りはありません。

それだけに自分の認識のなかに「がん」についての基本的な知見を得ておきたいのです。そのなかには歴史的視点が欠かせないと考えています。その立場からこれを記しています。

もう一つは、この本には触れられていませんが「がんについての聖書の記述」です、それはこちらの本からでした、

 

実は明日、こちらの本の著者・高橋享医師の診察を受けに娘と共に娘の兄の運転で向かいます。久しぶりに両親と子供2人というメンバーで……

こちらの本の該当見出しは、

第1章  ヒントは旧約聖書にあった   イチジクから発見された驚異の抗がん物質

この内容については明日触れたいと思います。


量子論と「がん」

2019-02-18 20:34:35 | kaeruの孫録

昨日に続いて孫のことから、

昨日紹介した記事の写真部分に「大学では量子力学を学びたい」とありました。

彼が取り寄せた本です、

私にとっては全く未知の世界ですがパラパラめくってみて、面白いなと感じました。表紙にある相対性理論などには最初から縁なしと決めつけてきましたが、アインシュタインも含めてまったく分からんと決めつけることもなさそうだ、という感じです。

それにこの理論が医学に大きく貢献するのではないか、こんな学部が北海道大学にあります、

がんを病む母親と生活をともにしている日々を通じて、学問が人間の生活の豊かな発展に貢献する為のものだという思考を身につけられるのではないか、そんなことを感じる日々です。


昨年の12月17日、今年の1月17日そして今日。

2019-02-17 21:43:44 | kaeruの孫録

久しぶりに孫のことをつぶやきます。昨年9月1日に横浜港で見送ったことは、9月2日の「つぶやき」に、

https://blog.goo.ne.jp/kaeru-23/e/2148bff9e35a330c0e8c099b98d56c33/?cid=124130a519768d69449fc438bc1fdaaa&st=0

横浜に戻って来たのが1217日でした。最初から戻ったら葉山にいてアルバイト口を探す予定でした。ところが葉山には母親が治療のため寝込んでいたので彼の生活はアルバイトは二の次に、婆爺の手助け中心の生活になってしまいました。

そのなかで、新聞のインタビューを受けていました、先月の17日でした。

石垣島の地元新聞「八重山毎日新聞」(2月1日)ですが、取材は品川で受けたとのことです。記事は石垣島の父親から送られて来ていたのですが……


「がん」を読む ー7ー なぜがんに関心が集まるのか

2019-02-16 18:09:44 | 「がん」を読む

この本のp35です、

「なぜがんに関心が集まるのか」がわかる図です。

この図については、

1981(昭和56)年以来、悪性新生物(がん)は日本人の死亡原因の第1位となっています。現在の日本人の一生のうちに何らかのがんにかかる確率は、男性で62%、女性で46%であり、がんで死亡する確率も、男性で25%、女性で16%であると計算されています。(2013年データに基づく累積罹患リスクおよび2016年データに基づく累積死亡リスク国立がん研究センターがん情報サービスがん登録・統計」)。

さらに続けて、

全世界でみても、国・地域による違いは大きいものの、男性の3人に1人、女性の4人に1人が一生のうちに何らかのがんにかかるというデータがあります。がんは、人類にとって、最大の病気のひとつとなっているのです。

その背景には、医学の進歩や衛生環境の改善、食糧の増産により、先進国を中心に平均寿命が延びたことがあります。がんは若い人に発症することもありますが、一般的に年齢が上がるほどかかりやすくなる病気です。平均寿命が40歳とか50歳という時代には、がんにかかる前に亡くなる人が多かったので、がんにかかる人は少なかったのです。感染症をはじめ、人の命を奪う病気が次々に克服され、長生きをするようになったために、がんにかかる人、がんで亡くなる人が増えました。

 

参考  日本人の平均寿命の推移

http://www.garbagenews.net/archives/1940398.html

 


「がん」を読む ー6ー 続々白血病

2019-02-15 21:12:59 | 「がん」を読む

今日も「しんぶん赤旗」の記事から、


この本、

の白血病関連記事

なおp175には、

これらのページについて語る能力は私にはありません、書店店頭でに立ち読みでも該当ページを広げてみて下さい。

この本は「がん」についての基本的な理解を得るうえで、また治療法についても最新の知見を得られる本だと思います。出版社の宣伝に加担させてもらい「手元に一冊」という思いがします。


「がん」を読む ー5ー 続 白血病

2019-02-14 19:27:26 | 「がん」を読む

昨日に続き今日の「しんぶん赤旗」の記事から、


上の部分を拡大して、


記事に関連して、「しんぶん赤旗」の

 

きょうの潮流

 

 思いもよらない病を告げられたショックは、いかばかりか。「私自身、未(いま)だに信じられず、混乱している状況です」。ツイッターに書き込んだ言葉からも、彼女の驚きと困惑がひしひしと▼競泳の池江璃花子(りかこ)さんが白血病を患ったと公表したことが衝撃をひろげています。東京五輪を前にした突然の発症に周りの戸惑いも大きい。ですが、この事実を受けとめるために最も苦しんでいるのは本人でしょう▼「今は治療に専念できる環境をつくってあげることが大事」。北島康介さんがコメントしたように競技仲間やスポーツ界からは温かい言葉が続々と寄せられています。「不治の病」といわれた白血病も治療法が急速に進歩し、多くの人が回復。現役復帰を果たしたスポーツ選手も少なくありません▼なによりも、彼女自身が「さらに強くなった姿を見せられるよう頑張っていきたい」と前向きな姿勢でいることが頼もしい。担当のコーチも「白血病に必ず勝つんだという気持ちを見せている」と▼そこに冷や水を浴びせたのが、くだんの五輪担当相です。「がっかりしている」「盛り上がりが下火になるか心配だ」。およそ五輪の意義など理解しない言動をくり返してきた桜田氏ですが、人を平気で傷つける物言いがいかに人間賛歌の祭典にふさわしくないか▼幼い頃から泳ぐことが大好きで、努力を積み重ねて世界の頂点をめざしてきた池江さん。目標に向かい、ひたすらに生きてきた18歳の信念は「限界はない」。それを信じて、見守りたい。


今日は娘の治療先に同行してこの本

をめくる時間が取れませんでした、明日も同じような日程ですので……。


「がん」を読む ー3ー がんを定義する三つの特徴。

2019-02-12 20:52:49 | 「がん」を読む

     がんとは?  3つのキーワード 

❶自律性増殖 ❷浸潤と移転 ❸悪液質

この本のp20

悪性腫瘍の3つの特徴ーーがんの定義に代えて

良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは何でしょうか。悪性腫瘍の特徴として、以下の3つがあげることができます。

1つ目は「自律性増殖」です。先に述べたように、がん細胞は、細胞の増殖を適切に保つ制御機構を逃れ、自律的に(つまり、体全体の都合にはおかまいなしに勝手に)増殖を続け、基本的には増殖が止まることはありません。

2つ目は「浸潤と転移」を起こすことです。浸潤とは、水が少しずつしみ込んでいくように、がん細胞が次第に周囲の組織に入り込み、腫瘍が拡大していくことです。転移とは、がん細胞が、最初にできた腫瘍から離れて血液またはリンパ系に入り、その流れに乗って体のほかの部分に移り、そこで新しい腫瘍をつくることです。

そして、3つ目の特徴が「悪液質(あくえきしつ)」という状態を引き起こすことです。悪液質とは、栄養不良により体が衰弱した状態を指す言葉です。そのメカニズムはまだはっきりしていませんが、腫瘍と体との相互作用によって全身性の慢性炎症が起こることが悪液質の本態だと考えられています。悪液質に陥る、食欲不振やエネルギーの無駄な消費が起こり、脂肪や骨格筋が減るなどして体重が減少します。 

……

悪性腫瘍は、浸潤と転移によって症状が重くなり、治療が次第に難しくなっていきます。また、悪液質が起こると、抗がん治療への耐久力が弱くなり、quality of life (QOL)  も低下して予後が短くなるといわれています。このように、悪性腫瘍の特徴は命を脅かすものであり、そのために「悪性」といわれるのです。


「がん」を読む ー2ー がんとは何か?

2019-02-11 23:22:12 | 「がん」を読む

第1章  がんとは何か?

   もし小学生の子供さんかお孫さんに「がんってどういう病気なの?」と聞かれたらと仮定して、次の資料を見てください。

たくさんの細胞ってどのくらい

『「がん」はなぜできるのか』から。

細胞の増殖が腫瘍をつくる  (p 18)

私たちの体は、数十兆もの細胞からなっています。しかし、その始まりは、受精卵というたった1個の細胞です。【受精卵の大きさは?*1】それが分裂を繰り返して増殖し、増殖の過程でさまざまな種類の細胞に分化します。そして、それらの細胞が組織や臓器を形づくり、体ができあがっていくのです。

( *1 受精卵の大きさ=0.2mm)

(私たちは各自0.2mmの1個の細胞からはじまって数十兆の細胞によってつくられた「いまの私」になったのです。)

 https://ameblo.jp/hu1210/entry-11442024433.html


 (p 20)

体のなかでどのような細胞がどれだけ増殖するかは、きちんとコントロールされています。それによって体のなかの組織や臓器は適切な状態を保ち、私たちは健康でいられるのです。

しかし、このコントロールを逃れ、必要とされる量を超えて細胞が増殖し続けることがあります。すると、増殖でできた余分は細胞は「かたまり」をつくります。このかたまりを腫瘍と呼びます。腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があり、「がん」という言葉は悪性腫瘍とほぼ同じ意味で使われます。


では良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)との違い、がんはどういう特徴を持っているか〟について記そうとした時、娘を介護中の妻から手伝いを!との声がかかり中座、明日にします。


「がん」を読む ー1ー 「国民病がん」

2019-02-10 18:10:23 | 「がん」を読む

 

この本を読みはじめて、読み続けることが苦しくなってページを閉じてしまったこともありました。娘の命が関わっている内容であるだけに知識としての内容を受け入れるより先に後悔のような思いが突き上げてくるのです。

 

先に目を通した第4章は年齢故に「我が事」の知識として受け止められますが、がんの進行に伴う「浸潤」とか「転移」という言葉はそのまま私の心に突き刺さって来ます。

 

それだけに受けとめるべき理解を私ごとの水準から、「国民病がん」に対応した水準に相応しい認識を自分のものにする思いを持て読んでいかねばと考えます。

 

この本の「はじめに」のなかで『がんは「国民病」』として触れている部分を引用しておきます(一部変更)

 

日本のがん罹患者数は年々増加し、最近では年間約100万人が新たにがんを発症し、死亡の3人に1人にあたる約37万人ががんで亡くなっています。近年の統計からは、日本人の2人に1人が生涯に一度はがんにかかり、男性の4人に1人、女性の6人に1人ががんで死亡するもの推計されています。同時に、がんの診断及び治療技術も近年急速に改善してきました。直近の統計では、がん患者全体の5年相対生存率は60 %を超えており、がんの経験者やがん治療を継続されている「がんサバイバー」の数はすでに数百万人、日本対がん協会によると七百万人を数えているとされています。正に「がんは国民」と言える時代になったと言えます。一方で、国民にとっては、がんは依然として死と直結す 「不治の病」というイメージがあるように思います。がんは「今や不治の病ではない」ことをわかっていただくためにも、まずは、がんがどのような病気なのかについて知ってもらう必要があります。

 

 

 

この本『「がん」はなぜできるのか』は次のような章立てになっています。

 

第1章 がんとは何か?

 

第2章 どうして生じるのか?

 

第3章 がんがしぶとく生き残る術

 

第4章 がんと老化の複雑な関係

 

第5章 再発と転移

 

第6章 がんを見つける、見極める

 

第7章 予防できるのか?

 

第8章 ゲノムが拓く新しいがん医療