ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

エジプト紀行(5)

2006-11-09 16:41:54 | 旅日記
10月26日。
今朝はホテルでゆっくり寛いでいて、10時半を過ぎての出発です。
ゲリラ対策のため同じ方向に行くバスは、TOULISM POLICE の護衛
付きでコンベイ(隊列)を組んで走ります。


アスワンダムを過ぎると、270km離れたアブ・シンベルまで、ずっと
砂漠の中の一直線の道。単調な景色ですが、一面の砂原の中に
円錐形や富士山形など様々な形の砂山が点在していたりします。
トイレをする場所もなく、3時間ぶっ通しで走り続けます。


一時間程走ると行く手に大きな湖と、いくつかの島が見えます。
これは砂漠の蜃気楼です。

13時半、アブ・シンベルに着き、ホテルに荷物を降ろし昼食。
午後は世界遺産・アブ・シンベル神殿の観光に行きました。
この神殿はアスワンハイダムを建設するとき水没する運命だった
ものを、ユネスコが世界に救済を呼びかけて移転したものです。
1964年から4年間かかって、いくつものブロックに切り分けて
元の位置から60m上に運びあげました。


もともとは約3300年前にラムセス2世が建設した大小二つの岩窟
神殿で、大神殿の前には王自身の4体の巨像が鎮座しています。
像の高さは20mもある巨大なもので、何十年もかかって作られた
ので、左から右に王の顔が加齢とともに変化しています。それに
してもこの男の自己顕示欲の強さには驚かされます。


こちらは小神殿。ラムセス2世像4体と王妃ネフェルトリア像2体。
足元には彼らの子供達の像が置いてあります。


大神殿には入場禁止ですが、こちらは入れます。ただしカメラ持ち
込みは禁止。ところが出てくると扉の前にいるオッサンが「このカギ
持って写真撮ってみなはれ」と勧めます。内部の様子も写ります。
もちろん、お得意のバクシーシ(喜捨)が狙いです。
同じようなことは旅行中に他でも何度かありました。かなり、いい
加減というか融通のきく国です。


いったん帰って、夕方から再びアブ・シンベル神殿へ「音と光の
ショー」を見に行きました。

神殿の岩に映し出される歴史絵巻は幻想的、神秘的で、しかも美しく
迫力がありました。空には細い三日月と降るような星が輝き、とても
ロマンティックな夜でした。