万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

ランディー・ナップの新作万華鏡

2006-07-03 21:27:22 | 万華鏡ブログ
ランディー&シェリー・ナップの新作「Kazaam」です。ランディー・ナップはオレゴン州で生まれ育ち、今もオレゴン州の工房から魅力的な作品をどんどん生み出しています。もともとはガラス工芸家となるべく、ガラス工房で働いていましたが、興味のあった木工を極めたくなり、独立して1988年ナップ工房を立ち上げました。最初は箱などを作って売っていましたが、じきに万華鏡に出会い、求めていたものがこれだったと思ったそうです。万華鏡はいくつかの素材を組み合わせ、いくつかの技術を必要とするアートであり、自分の得意とするガラスのカット技術と木工の技術のどちらも生かせると考えました。ランプワークの技術やガラスのフュージングの技術も学びました。必要なこと、興味のあることには貪欲に学ぶ姿勢を持ち、技術を身につけ、作品に活かしてきたところは素晴らしいと思います。
1995年イギリスの装飾的な木工技術の大家ポール・フレッチャーとのコラボレーションでいくつかの万華鏡を製作したときから、「オーナメンタル・ウッドターニング」という旋盤を使った技法に興味を持つようになりました。この旋盤は「ローズエンジン」と呼ばれており、1700年代に使われたもので、アンティークとしてコレクターが探し求めるような、希少な道具。買い求めることは困難なので、現代の材料や部品から同じような機械を自分で作り上げました。ここでランディーの木工の表現世界は万華鏡に留まらず、さらに広がりました。この「Kazaam」という作品もランディーの手でこのローズ・エンジンを使ってひとつずつ形作られています。仕上げは手で丁寧に磨きこみ、木材の光沢や木地の表情を出しています。木の種類は、いくつかあるようですが、この作品はローズウッド材です。手に持ったときしっかりとした手ごたえを感じ、しかも滑らかな手触りが大変心地良い、木材ならではの魅力にあふれた作品です。セルを回転させる部分のアルミニウムもローズエンジンによる加工で、ナップ夫妻自身で着色、製作しています。軽く触るだけで滑らかに回転する仕組みも、作家さんの技術ですね。
内部映像についてはまた次に。
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