万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

水鳥の万華鏡

2006-07-09 18:01:30 | 万華鏡ブログ
ベネチアングラスの水鳥の置物は、依田さんの手によって万華鏡になりました。手のひらに載る大きさで、姿も可愛らしいのですが、万華鏡としてさらに中を覗く楽しさを提供しています。外側のガラスは緑色に金や白が混ざり、造形の丸みなどでパターンが均一でないところが面白さを出しています。尾の方から覗くと外のガラスの色が映りこんだ静かなグリーンの映像が展開します。鏡の第3面をオープンにすることによって、2ミラーの作り出すマンダラ映像の周りに、外の色が内側から映りこむもので、依田さんの作品によく取り入れられているミラーシステムです。そして外のイメージを大切にした依田さんらしい繊細で優しい内部映像です。このほかにもふくろうや魚、りんごやレモンなどイタリアから取り寄せたガラスの造形作品にミラーとオブジェクトを組み込み、万華鏡作品として命を与えています。万華鏡のために作られた造形ではなく、すでに出来上がったものに手を加えて万華鏡にするのは、難しいのではないかと推察します。映像がきれいに見えるようにオブジェクトのバランスを考え、ミラーの長さを決め、焦点距離を合わせるためにレンズを選び、小さな開口部から組み込んで製作なさるそうですが、一箇所の開口部だけでどうやったらこんなに完璧に作れるのか不思議でたまりません。覗き口のはんだ仕上げも丁寧できれいです。このほか、気に入られた人形や陶器の造形作品にも万華鏡を組み込まれていますが、まさに命を与えるような仕事だと感じます。
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