万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

"インターチェンジャブル"な万華鏡

2006-07-20 22:24:27 | 万華鏡ブログ
インターチェンジャブルと呼ばれる万華鏡があります。「交換ができる」という意味ですが、「何を」交換するかはいくつかのタイプがあります。例えばこの万華鏡のようにいくつかのオブジェクトセルを付け替えられるものがあります。同じミラーシステムを通して、オイルセル、ドライセル、さまざまな材質のオブジェクトの組み合わせ、背景の色が異なるオブジェクトセルの組み合わせなど、鏡の向こうにいくつかの選択肢を用意しているものです。この作品はコーキー・ウィークスのデザインによるものですが、まさに名前は「Choices」(選択肢)です。
このほか、オブジェクトセルが開閉でき、見る人が自分の好きなオブジェクトを入れ替えて楽しむタイプもあります。 これは作家さんと同様、見る人も万華鏡の製作の一過程を楽しめる参加型万華鏡です。
マーブルスコープと呼ばれるビー玉のようなガラスの球体を見るタイプやホィールスコープなども、同じ大きさで種類の違うものを付け替えると、全く違った映像を楽しめます。
あまり一般的ではありませんが、ミラーシステムそのものを入れ替えることができる万華鏡もあります。 アイディアとしては面白いと思いますが、少し手間がかかりすぎるような気もします。 
いずれも万華鏡の中の世界を広げようとする作家さんの工夫です。ぜひインターチェンジャブルという、万華鏡のこんな楽しみ方もしてみてください。
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「メディチ」という万華鏡

2006-07-19 21:01:58 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介した「メディチ」の外観です。かなり大きめの万華鏡です。この写真の左側一面が開放感のある覗き口になっています。 前後に配置された2つのオブジェクトセルがあり、それを2ミラーシステムを通して、同時に見ると、あのようにいくつかの層に分かれて見えるようです。「望遠鏡で世界の奥を覗くような感じ」と表現する人もいます。 手前のオブジェクトセルはドライタイプで、液体入りアンプル(細いガラスのアンプルに色のついた液体と空気を閉じ込めたもの)が入っており、先端のオブジェクトセルはランプワークによるガラスオブジェクトがオイルの中に入っています。
本体に使われているガラスの紫色にグリーンの模様が浮き上がるデザインは、スーザンさんのリバースペインティング(ガラスの裏から絵を描く技法)によるものです。その作業中の写真が後ろのほうに飾ってありますが、見えるでしょうか。 内部・外部共に斬新なアイディアと技術で万華鏡を創り続ける若手の作家さんなので、今後どのような作品を生み出してくるのか、興味深いところです。
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フィレンツェの庭園を思わせる万華鏡映像

2006-07-18 20:41:35 | 万華鏡ブログ
マーク&スーザン・ラングレン・ティックル夫妻の最新作「メディチ」の内部映像です。今年のコンベンションで発表されたもので、今回もまた奥の深い3D映像の世界を見せてくれます。フィレンツェにある有名なメディチ家のボボリ庭園からインスピレーションを得て、そのタイトルを付けたようです。16世紀につくられたこの庭園は、立体感のある庭園設計、噴水や彫刻、円形劇場などが特徴であり、ヨーロッパの王宮庭園の基本となったところだそうです。
大きな覗き口から見えるこの不思議な映像の奥行きや、層をなす理由は残念ながらうまく説明できませんが、2ミラーシステムの映像です。とても面白い、驚きのある映像だと思いませんか。液体入りアンプルのオブジェクト、ランプワークによるオブジェクトなどが見えますね。外観は次回ご紹介しますが、それを見て納得なさるかどうか・・・もっと不思議さを感じてしまうかもしれません。このような限定版製作の作品では徹底して立体映像の斬新な作品を追及し続けているティックル夫妻です。しかしその珍しさだけが評価されているわけではありません。その作品を支えているのは、ガラスやミラーのカットの技術の高さ、液体入りアンプルの製作などのバーナーワークの技術の高さ、常に美しいバランスを作り出すセンス、そしてご夫婦合作でのチームワークの良さでしょう。
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スピリット万華鏡

2006-07-17 23:59:00 | 万華鏡ブログ
コリア・カレイドスコープス工房のスピリットという万華鏡をご紹介します。7色のカラーヴァリエーションが楽しさを演出しています。特徴的なのはボディーの材質がプラスチックでとても軽いことです。また、アクセントになっているカラーに合わせて、内部映像の色合いがそれぞれ色調で考えられているので、カラーセラピーにも使えます。(ただしチャコールグレイのものだけはオブジェクトにいろいろな色を組み合わせています。) 以前にブルーの内部映像をご紹介しました。http://blog.goo.ne.jp/kaleidoscopesjapan/e/42b961111abb3d032ecd53e9ea807d41価格のわりに機能的にも優れていて、たとえば、先端部のオイルセルのみがスムースに回転する仕組みになっていて見やすいし、ミラーシステムもきれいに組まれていて大変くっきりとした美しい映像を見せてくれます。オブジェクトはポリマークレイを使っていますが、立体感があり、同系色の濃淡の色合いなどきれいに出せるので、内部映像も変化が大きく、ポップな映像、あでやかな映像、さわやかな映像、クールな映像、フレッシュな映像などなどいろいろ楽しめます。 コリア・カレイドスコープ工房では、デヴィッド・コリアさんが手頃な価格で高品質な万華鏡を生産し、たくさんの人に気楽に購入してもらいたいという趣旨のもとにデザインした万華鏡を、経験を積んだスタッフの機能的な分業による手作業で作り上げています。木工による万華鏡製作が中心の工房ですが、このような素材にも優れた生産能力を見せていると思います。
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万華鏡は一期一会

2006-07-13 20:33:20 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介した青い「ハンドホールド」の内部映像です。10ポイントの映像ということは、2枚の鏡が18度という狭い角度でくみあわされたものですから、覗き口も狭く、したがってなかなか映像全体をきれいな写真に撮れないのですが、チャールズ・カラディモスさんらしい雰囲気は伝わるかと思います。 彼のこだわりは、繊細で複雑な、くっきりとした映像と、その完ぺきなシンメトリーです。この写真に少しゆがみがあるとすれば、なるべく多くを撮ろうと模索したカメラレンズの微妙な角度のゆれによるものです。
最近の作品では小さなガラス球がいくつか、細いアンプルの中で転がるオブジェクトを見つけました。(この映像ではコバルトブルーの小さな球が見えます。)よく見ていると生き物のような躍動を感じます。透明感のあるガラスオブジェクトの創る映像の中でアクセントになっているのは、黒いガラスオブジェクトです。透明なガラスの色模様に、黒いラインを描いたかのように重なり、独特の個性的な映像を生み出しています。
同じ模様を見るのはほとんど不可能に近いくらい、オブジェクトは良く動き、変化の多い映りこみ方なので、次から次へと現れる一瞬の映像との「一期一会」を楽しんでいただきたい万華鏡です。
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チャールズ・カラディモスの「ハンドホールド」万華鏡

2006-07-12 19:22:27 | 万華鏡ブログ
チャールズ・カラディモスといえば、2ミラーのドライタイプにこだわり、複雑で変化の大きい、完ぺきなシンメトリーの映像を生み出すことで有名です。1978年から万華鏡を作り始め、さまざまなミラーシステムに挑戦し、たくさんの作品を創ってきましたが、やはり落ち着く先は、基本のマンダラ映像でしょうか。スランピングという技法で筒の半分ずつを窯で焼き、磨いたり削ったりして、2つを合わせるという作り方のスタイルも変わりません。この「ハンドホールド」という万華鏡は、ちょうど手に持ったときの指のあたる部分に起伏があり、手で掴んだ跡のようにくぼんでいるところが特徴です。横からの写真ですが、くぼみのラインが見えるでしょうか。使っているガラスが美しく、この抜けるような青空みたいな色もあれば、モノトーンがお洒落なパターンもあります。異なったアートガラスの表情を楽しめるデザインの万華鏡です。中の映像が外のガラスの色とよく響き合うように、一つ一つのオブジェクトを丁寧に創り、選んでいます。2ミラー・10ポイントの映像の背景は白っぽい不透明なガラスになっていますが、よく光を通し、明るい映像を展開します。先端のオブジェクトチェンバーを回すと、オブジェクトがぶつかり合うカシャカシャという音が聞こえ、心地良い響きです。繊細なオブジェクトがぶつかり合っても壊れない工夫がしてあるのだと思います。内部映像はまた次回に。
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多彩な映像が魅力のリキッド・サスペンション万華鏡

2006-07-11 17:06:58 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介したリキッド・サスペンションシリーズ「コーラスライン」の内部映像です。アクリルの筒の先端部は、約4cmの奥行きのあるリキッド入りオブジェクトセルになっており、筒のデザインと共通する色合いのビーズ、ガラスマーブル、貝殻などが使われ、外から見てもカラフルなオブジェクトが全部見えるので、きれいで楽しいデザインです。内部は、明るい透明感のある映像が展開します。心を元気にさせるような万華鏡映像だと思います。
この万華鏡シリーズの特徴は、いずれも映像がクリアーであり、視野いっぱいに広がるところです。ミラーを正三角形に組んだ一番普通の見え方の万華鏡ながら、平凡にならず、変化に富んだ美しい映像を楽しめるところが魅力です。その理由は、オブジェクトは透明なものを中心に不透明なもの、重さや大きさ、材質の異なるものを組み合わせることで、面白さを演出していること、深い奥行きが様々な組み合わせを生み出し、多彩な色を見せてくれることです。
リキッド・サスペンションシリーズはすべてC.ベネットスコープス工房で、デザインされ、ひとつずつ丁寧に組み立てられています。造りがシンプルでアクリルの加工もきれいなので、飾り物としても、また、テーマや好みに合わせてプレゼントにも最適です。テーマは現在47種類ほどあり、同じテーマでも数年でデザインが変わることもあります。絵画をモチーフにしたり、キルトや自然をモチーフにしたものなどいろいろありますし、これからも新しいデザインが加えられることでしょう。「2度と繰り返さない美しさの一瞬を生み出すこと」キャロリンさんは、そんな創造的な過程を何より楽しみ、心を込めて、万華鏡をデザインしているのです。
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キャロリン・ベネットのベストセラー万華鏡

2006-07-10 20:12:15 | 万華鏡ブログ
キャロリン・ベネットはカレイドスコープルネッサンスのごく初期から活躍し、万華鏡のビジネスも成功させて、質の良い安価な万華鏡から限定版の万華鏡まで手広く取り扱って来ました。 彼女の書いた子供のための万華鏡本は、大変すぐれた本ですが、版を重ね17万部も売られたそうです。写真の腕前も素晴らしく、ザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションでは、毎回参加者全員の写真を300枚近く撮って、共有した楽しいひとときを思い出に残しています。とにかく多才な女性ですが、飾らない人柄、誰にでも分け隔てなく暖かく接する態度から、皆から愛される作家さんです。今日の写真はその定番スコープであり、ベストセラーのリキッド・サスペンションシリーズ、2006年の新作「ビッグ・レッド・コーラスライン」です。3月2日に http://blog.goo.ne.jp/kaleidoscopesjapan/d/20060302 このブログでご紹介したポーラ・ナーデルスターンの万華鏡映像のキルト作品をプリントしたデザインが筒を飾るものです。その際に説明しましたが、この図案はキテルソン夫妻の万華鏡映像からインスピレーションを得て、キルト作品にしたものでした。そして、今度はそれをまた万華鏡の外部デザインに使っているわけです。内部映像についてはまた次回にご紹介したいと思います。
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水鳥の万華鏡

2006-07-09 18:01:30 | 万華鏡ブログ
ベネチアングラスの水鳥の置物は、依田さんの手によって万華鏡になりました。手のひらに載る大きさで、姿も可愛らしいのですが、万華鏡としてさらに中を覗く楽しさを提供しています。外側のガラスは緑色に金や白が混ざり、造形の丸みなどでパターンが均一でないところが面白さを出しています。尾の方から覗くと外のガラスの色が映りこんだ静かなグリーンの映像が展開します。鏡の第3面をオープンにすることによって、2ミラーの作り出すマンダラ映像の周りに、外の色が内側から映りこむもので、依田さんの作品によく取り入れられているミラーシステムです。そして外のイメージを大切にした依田さんらしい繊細で優しい内部映像です。このほかにもふくろうや魚、りんごやレモンなどイタリアから取り寄せたガラスの造形作品にミラーとオブジェクトを組み込み、万華鏡作品として命を与えています。万華鏡のために作られた造形ではなく、すでに出来上がったものに手を加えて万華鏡にするのは、難しいのではないかと推察します。映像がきれいに見えるようにオブジェクトのバランスを考え、ミラーの長さを決め、焦点距離を合わせるためにレンズを選び、小さな開口部から組み込んで製作なさるそうですが、一箇所の開口部だけでどうやったらこんなに完璧に作れるのか不思議でたまりません。覗き口のはんだ仕上げも丁寧できれいです。このほか、気に入られた人形や陶器の造形作品にも万華鏡を組み込まれていますが、まさに命を与えるような仕事だと感じます。
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火の玉ロックの万華鏡

2006-07-07 20:00:43 | 万華鏡ブログ
「Great Balls of Fire」 はアメリカのロックンロール史上に名を残すジェリー・リー・ルイスの歌のタイトルです。2005年のコンベンションでは、開催地のナッシュビルが音楽の町であることから、オークションでは歌にちなんだ作品を、各アーティストが作って出品することになっていました。その時に発表されたのが、この「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」です。作家はスティーブ&ペギー・キテルソン夫妻です。赤、オレンジ色、黄色、黒などのガラスの塊を大胆に使った台座部分、燃えるような色の筒のガラスが大変印象的なガラス造形作品です。触ったら火傷しそうですね。テーマの表現が適切で、製作技術の確かさを見せて、オークション出品作品の中からピープルズ・チョイス・アウォードを受賞しました。オークションでも熱心な希望者に落札されたと聞いています。
内部映像はミラーの第3面を赤い色にした2ミラーシステムで、その結果、赤い火に囲まれた7ポイントのマンダラ映像は、マグマの中を覗いたような熱い景色を見せてくれます。ペギーさんの創るオブジェクトは火の色に負けない質感と美しさを表現しています。ガラスでこんな風に「熱さ」を表現することができるのですね。キテルソン夫妻の万華鏡のスタイルは崩さず、表現の幅を広げた作品として注目しました。
昨年秋にストラスモアの20周年記念万華鏡展にも出品され、この写真はその時に撮ったものです。限定版製作ということなので、これからもどこかで見るチャンスがあれば嬉しいなと思っています。
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