イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル
ピアノ : イーヴォ・ポゴレリッチ
2010年5月5日 14:00 開演
サントリーホール 大ホール
【プログラム】
ショパン : 夜想曲 op62-2(当日 op.55-2より変更)
ショパン : ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
リスト : メフィスト・ワルツ第1番
ブラームス:間奏曲 118-1(突然追加)
シベリウス : 悲しきワルツ
ラヴェル : 夜のガスパール
前回のコンサートがキャンセルになって払い戻しをしたこともあり
ぜひ行って見たいと思っていたコンサートでしたが
やっぱり異色です。
まず時間になってもまだホールに入れません。リハーサルが続いている模様・・
そして開演時間が少し延び、1曲目の曲目変更・・
でもその音の美しいこと・・ピアノという楽器のの限界に挑んでいるようなそんな感じがしました。
あまりにもスローなテンポに音自体はすばらしくてもメロディーがつながりません。
また、ダイナミックなところでは早くまるで瀧が落ちるように鍵盤がはじかれ
なんだか人間業とは思えないようなピアノの上を何かが駆け回っているというような
そんな感じさえしました。
力作ぞろいで息を抜く暇がないそんなコンサートでした。とても緊張して疲れる・・
神経が張り詰めていて弱音がすばらしく美しかった。ショパンでの力強さと
浄化した美しさと、混乱の中から高みに登ってピュアになっていくそんな感じがしました。
本人の希望でブラームスが追加。間奏曲は好きな曲のひとつで嬉しかった。
これまたテンポがゆっくり・・まったくここには違う宇宙があり別の時間が流れていた。
音楽の森の中で迷い・・そして亡き妻である師を求めているようなそんな感じさえしました。
(ブラームスの中に)
ピアノがピアノではなくまるでオーケストラのように多彩な色で、すごいの一言でした。
今度はラドゥ・ルプーのようなターナーの水彩画のようなブラームスの間奏曲が
聴きたくなりました。
家ではポゴレリッチはスカルラッティのソナタを聴いていたけど、生き生きしていて
すごくよかった。コンサートは圧倒されました。重かった感じ・・
ピアノだけで3時間のコンサートでした。
また座席は初めてBA席しか取れなくて目の前2列目でした。
横とか後ろとか座ったことがなかったのですが、すごく近いのですね。
音が床に響いているのがよくわかりました。またうなっている声も聞こえてしまうのよね。
楽譜がおいてあったのも以外でした。
名前はポゴレリッチかポゴレリッチかどう発音するのかよくわかりません。
ずっと昔ザルツブルグ音楽祭をFMで聴いていた時オーストリーの放送ではボゴレリッチと
発音していたようです。