Reflections

時のかけらたち

老いをみつめて + ボロディンのノクターン ・・・ Looking at myself growing old  + Borodin

2024-12-10 23:39:13 | music

12月9日

今の私って学生時代の生活に少し似ているかな?
日々は勉強していないけど、時々イタリア語、歌、そしてお茶、工芸・・ 本はなかなか読み進められなくて。あとは週3くらいの
軽いジムと。

今朝NHKの朝番組で「老いの始まり」と言うのをやっていたけれど、40代から感じ始めるらしい。
私は38歳で結婚、43歳でのまさかの高年齢出産。そしてフルタイムでの仕事がずっと続いたので、そういうことを感じる暇が
なかったように思う。難病の夫との暮らしで日々が戦いだった。

定年後も地元で何か社会参加をしたいと思ってこども園でパートで仕事を続けたけれど70歳を前に辞めて
自由の身に。私には何か働いていないといけないような感覚があったけれど、やめてからやりたいことができることに
ほんとうに喜びを感じました。仕事をしているということはパートでも休みにくく、拘束力が強かったけれど
経済的にもあるだけでやって行けばいいと思うようになりました。ゼロで死ぬでも・・ 

でもここに来ての物価高と老いを感じることのダブルパンチで老いを生きるのは大変だと思うようになりました。
スロースターターだったのでだいぶ後ろにずれた感じがしましたが、いっきにやって来ますね。surviveするのは大変だ。


 

通っているジムとその周辺

 

NHKの名曲アルバムで流れた大好きな曲。久しぶりにハウザーで聴いてみました。
どこか懐かしくもせつない思いを感じるこの曲が人の心を引き付けてやまないわけがわかりました。

HAUSER - Nocturne (Borodin)

 

愛妻に捧げる夜想曲~ボロディン「弦楽四重奏曲第2番」を聴く 

1859年、26歳の若い熱心な化学者ボロディンは、恩師ジーニンの推薦により、医科大学からの公費留学生として、ドイツに
留学します。留学先は、「アルト・ハイデルベルク」で有名なハイデルベルク大学。化学実験室でおなじみのブンゼンバーナー
を作り、炎の色のスペクトル分析を行い、新元素ルビジウムやセシウムを発見したブンゼンや、ブンゼンの共同研究者だった
物理学者キルヒホッフらが教鞭をとり、同期の留学生には周期律を発見し周期表を作ったメンデレーエフがいる、という環境で
研究に没頭します。そして2年が経過した1861年の5月、イタリアからもどったボロディンは、たまたま結核の療養のために
ハイデルベルクに滞在していたロシア人の女性ピアニスト、エカテリーナ・プロトポポーヴァの、サナトリウムにおける演奏会
に出席します。プログラムの第1曲目は、まだ没後5年目のR.シューマンの「アルバムブレッター」だった(*)といいます。

演奏会の後、シューマンの音楽について彼女に問いかけ、二人は急速に親密になっていきます。ボロディンの研究室での仕事が
終わる夕刻に落ち合い、ネッカー河を散歩しながら、化学に明け暮れていたボロディンの生活の中に、再び音楽の灯火が灯った
ことでしょう。二人で出かけたマンハイムやバーデンバーデンへの旅行の後に、ボロディンは結局は未完に終わる「ピアノ三重奏曲」
に着手し、二人は婚約します。

ところが、エカテリーナの病状が急に悪化し、イタリアに転地療養を余儀なくされるのですが、ボロディンもまた同地の化学者の
研究室で働きながら、一歳年上のエカテリーナに付き添います。1年後の1862年、エカテリーナは回復し、結婚の準備のために
モスクワの母親の元に帰り、ボロディンもペテルブルクに戻ります。それから20年の年が過ぎた1881年、ボロディンは、愛を告白
した20周年の記念に、愛妻に「弦楽四重奏曲第2番」を贈る(*2)のです。 

                                            blog 電網郊外散歩道より

 

シューマン :アルバムの綴り Op.124
Schumann, Robert:Albumblätter Op.124

がエカテリーナとボロディンを近づけたのですね。

 

ボロディンは、ピアノの稽古を含めてすぐれた教育を受け、化学を専攻した。転じて、サンクトペテルブルク大学の医学部に入る。
最優秀で卒業後、陸軍病院に勤務、24歳の時に医学の会議の出席のためにヨーロッパに長期出張した。この頃、ムソルグスキー
知り合い[2]シューマンの曲を紹介され、興味を持つ。ピサ大学では臭化ナトリウムを用いた有機窒素の定量法を発見した。
26歳の時、ハイデルベルク大学(化学)入学。元素理論を確立したメンデレーエフと知り合う。卒業後はサンクトペテルブルク大学
医学部生化学の助教授、教授と進み、生涯有機化学の研究家として多大な業績を残した。

                                                   ウィペキデアより

クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~ ボロディン:弦楽四重奏曲第2番 ニ長調

ボロディンの弦楽四重奏曲なんて聴いたことがないよと言う人でも、この第3楽章の「夜想曲」だけはどこかで耳にしたことがある
はずです。それほどに、これは魅力的で詩情豊かなメロディです。

それもそのはずで、この作品はボロディンが妻に愛を告白した20周年の日を記念して作曲し、その妻に贈った作品なのです。
ボロディンの妻はエカテリーナ・プロトポポーヴァというピアニストで、ボロディンが化学者としてドイツのハイデルベルク大学に
留学したときに知り合いました。知り合ったきっかけは、彼がたまたま訪れたサナトリウムでの演奏会でエカテリーナがピアノを
演奏していたからでした。

そして、二人はその時に彼女が演奏したシューマンについて話し合ううちに親しくなり、それがボロディンの中に再び音楽に向かう
気持ちを蘇らせたのです。
やがて二人は婚約をするのですが、エカテリーナは体調を崩ししてイタリアへの転地療養を余儀なくされます。ボロディンもまた、
イタリアの研究所に移り、そこで働きながら彼女の介護を献身的に行います。そして、一年ほどで体調を回復したエカテリーナは
結婚の準備のためにロシアに帰り、二人はペテルスブルグでめでたく結婚することになるのです。

それ故に、この弦楽四重奏曲はボロディンとエカテリーナの親密で幸福な生活を想像させるような音楽になっています。
それは、時には二人の語らいを思わたり、大学教授として忙しく働くボロディンを思わせたりするのですが、なんといっても聞き所は
第3楽章の「夜想曲」でしょう。深い感情に彩られたこの静かな夜の歌は、二人の幸せな結婚生活そのものです。

人格破綻者の群れと言っても言い過ぎでないほどのクラシック音楽の作曲家の中で、ボロディンは稀に見るほどの人格者でした。
その様なボロディンが行ったもう一つの大きな業績が、彼が務める医科大学に女子課程を始めて作ったことでした。
21世紀の日本でも、平気で女性に対して差別的な扱いをすることが横行していることを考えれば、19世紀のロシアで女性が医学大学で
学ぶ機会と場を作りあげる為には、とんでもない苦労があったはずです。

つまりは、何が言いたいのかというと、ボロディンという人は必ずしも音楽だけの人ではなかったと言うことです。そして、それ故の
物足りなさも彼の作品にはあるのですが、それ故の魅力もまたあるのです。
この愛する妻に捧げた弦楽四重奏曲は、それ故の魅力が発揮された作品だと言っていいのでしょう。

 

 

グルジア貴族の血をひきながら非嫡出子として生まれたボロディンは農奴の子供として登録されたけれど、音楽やその他優れた
教育を受け、医学、有機化学の道に進み多大な業績を残したという。特に女性の人権に対しての業績(医大に女子過程を作る)
は素晴らしいかと思いました。

NHKの名曲アルバムで聴いて、初めてこの心惹かれていた曲「ノクターン」の曲の成り立ちとボロディンが音楽家としては
日曜音楽家であったことを知り、彼の人間性にもひかれました。このノクターンを完成後数年後に多忙なボロディンは53歳で
突然死で亡くなり、ずっとボロディンが支えてきた病弱な妻は4ヶ月後に後を追うように亡くなったとのことでした。
この曲が人々の胸を打つのはボロディンの妻への愛情にあふれているからだったのですね。

 

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2 コメント

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ボロディン (narkejp)
2024-12-11 07:32:25
「電網郊外散歩道」の narkejp です。記事のご紹介をいただき、ありがとうございます。2008年に書いたものですので16年前になりますが、今もアクセスがあり読んでいただく方がおられること、ありがたい限りです。その意味で、SNS 等と比較してブログ記事というのは寿命が長いのだなあと感じます。
シューマンの音楽、私も大好きです。謝肉祭、子供の情景、クライスレリアーナ、交響的練習曲などの大きなピアノ曲集も、アダージョとアレグロのような佳品を含む室内楽も「詩人の恋」等の歌曲集も、ピアノ協奏曲や「ライン」のようなオーケストラ作品も、ほんとに魅力的です。ボロディンがどんなところに惹かれたのか、奥さんとどんなところに共感して語り合ったのか、などと想像すると、楽しくなります。
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ボロディンとシューマン (カンカン)
2024-12-12 08:48:49
narkejpさん、コメントありがとうございます。
私もface bookとか苦手でずっとブログです。自分の記録になってとても役立っています。
今回は貴ブログでボロディンと奥さんの出会いの曲がシューマンの「アルバムの綴り」と知り、とても嬉しかったです。
シューマンの小品はもともと好きな曲がいくつかありましたが、今年北村朋幹のフォルテピアノのコンサートのアンコールでその古楽器の音色を楽しむようにいつまでも弾いていたのが印象的でした。ブーニンが復帰コンサートに選んだことも。
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