庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

堀江海岸

2007-03-17 22:15:18 | 自転車
今日は北東風が冷たかった。暖冬にもやはり寒の戻りというのがあるのか。しかし、空は快晴で太陽はすでに春の高さだ。いつもの自転車散歩で、昼から何年かぶりに堀江海岸まで行ってみた。

この浜は、もう四半世紀以上前に初めてウィンドサーフィンのボードを浮かべた場所だ。風の力だけで海上を移動できることの不思議。真夏の1m/sに満たない微風の中で初めてセールアップに成功し、海面をボードが滑り始めたときの感動は、通販で買ったパラグライダーでスキー場から初めて飛んだ時の感動を凌駕していたかもしれない。それから10年近く、とことんこの海の風と付き合うことになるわけだが、どこまでも魅力的なこの風の世界との縁は、まだとうぶん切れそうもない。



堀江海岸はちょうど整備工事の最中で入れなくなっていた。浜の西側は松林しかない殺風景な場所だったのだが、今はテラス風の海岸道が整備されて、ちょっと洒落れた風景になっている。東の浜は昔のままでなつかしかった。これから良い北東風が入れば、また風に吹かれに来ることになるだろう。今度はもっとゆったりと・・・。



Slothクラブ

2007-03-17 13:06:01 | 自然
S・C・スズキの関連サイトを巡っていたら、まったく愉快なサイトに行き当たった。その名もSloth(ナマケモノ)クラブ。文化人類学者の辻信一が主催しているNGOで、S・C・スズキもここの会員である。2002年の日本ツアーもこの団体が主催したものだ。音楽家の坂本龍一も会員の一人で、彼女の本『あなたが世界を変える日』に次のような推薦コメントを書いている。

「11年前のリオ・サミットで、当時12歳の少女が世界の首脳を前にしてスピーチをした。その言葉を聞いてぼくは涙を流した。あの時の少女がこのセヴァン・スズキであったことを、ぼくは最近知った。りっぱな女性になっている。すがすがしい。子供の時から今も変わらず、自然が大好きで、地球を守りたいと思って活動している。その姿勢は一貫している。日本にもこれからたくさんのセヴァンのような子供たちが出てくることだろう。それは、もしかしたらこの一冊の本からはじまるのかもしれない。」

数ある動物たちの中で「ナマケモノ」ほどゆっくり生きている種類も少ない。実は私が日記風のブログを始めたきっかけも、自動車から自転車に乗り換えて、生活のペースをシフトダウンしてゆっくり動いてみることで、いつも何かに追いかけられるような歳月を送ってきた自分の、生活態度やものの見方にどのような変化が起こるのか、確かめ記録していきたいと思ったからだ。それが2003年12月の最初の記事であった。

「ナマケモノ会員たちはむしろ毎日いそがしい。」というのも面白い。油断をするとすぐに何かしらの用事が降ってくる、忙(せわ)しない文明社会でナマケルには、それなりの智恵と工夫がいる。ナマケの究極は何もしないことではあるが、この世界では何かしないとなかなか生きていけない。生きていないとナマケルこともできないだろう。では、どうするか・・・そのキーワードは、やはり「ゆっくり」と「自然」であろう。自然はめったに急がないからである。