碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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「日本一うさんくさい男」は、俳優・山田孝之の称号

2016年11月09日 | 「日経MJ」連載中のCMコラム



日経MJ(流通新聞)に連載しているコラム「CM裏表」。

今回は、フリマアプリ「フリル」のCM、手数料篇を取り上げました。

フリマアプリ「フリル」手数料篇
理不尽さ際立つ
山田さんの怪しさ

相変わらず山田孝之さんはカメレオン俳優だ。

コワモテ闇金「ウシジマくん」にも、脱力系ヒーロー「勇者ヨシヒコ」にも見事に成りきってしまう。そして、フリマアプリ「フリル」のCM「手数料篇」が、これまた怪しくておかしい。

フリマで買い物をした女性が5000円を支払おうとしている。いきなり現れたチンピラ風の山田さん。すっとお金を取り上げ4500円を売り主に手渡す。差額の500円は手数料だと言うのだ。

「取られているのは君だけじゃない。俺も取られているからね」と、山田さんが説明すればするほど理不尽さが際立つ。

怪訝(けげん)な表情の売り主と同様、視聴者だって納得がいかない。追い打ちをかけるように「販売手数料ってバカバカしい」とナレーションが入り、「手数料ゼロ」のアピールが俄然効いてくる。  

「日本一の無責任男」といえば往年の植木等さんだが、いま、「日本一うさんくさい男」は山田さんの称号だ。

(日経MJ 2016.11.07)