日経MJ(日経流通新聞)に連載しているコラム「CM裏表」。
今回は、広瀬すずさんが出演している、大塚製薬「ファイブミニ」のCMについて書きました。
大塚製薬
「ファイブミニ 恋よりセンイ。」
覚悟決めた美しい横顔
「ファイブミニ 恋よりセンイ。」
覚悟決めた美しい横顔
是枝裕和監督の『海街diary』が公開されたのは3年前。当時15歳の広瀬すずさんが演じた、綾瀬はるかさんや長澤まさみさんの“腹違いの妹”が鮮烈だった。今年の春、高校を卒業したすずさんをヒロインにして、是枝監督が撮ったのがファイブミニの新作CMだ。
故郷である静岡の友達と携帯電話で話しながら、自分の部屋に入ってきたすずさん。どうやら仕事が忙しくて、卒業式にも出られなかったらしい。ふと鏡の中の自分を見る。そこに映っているのは「素の広瀬すず」か、それとも「女優の広瀬すず」か。是枝監督ならではのドキュメンタリータッチの演出が際立つ。
すずさんが部屋からベランダに出る。見えるのは東京スカイツリーではなく、東京タワーだ。飲みかけのボトルをかざし、並べてみる。ちょっと似た色。見つめるすずさんの横顔が美しい。何かしら覚悟を決めた女性の表情だ。もしかして恋より仕事? いえ、恋よりセンイだそうです。
(日経MJ 2017.06.26)