10月「有働タイムズ」スタート
有働由美子
テレビ人生の集大成は
“夜のあさイチ”
元NHKアナウンサーでフリーアナの有働由美子(55)の初冠番組「有働タイムズ」(日曜午後9時~)が10月からテレビ朝日系でスタートすることが話題となっている。
有働アナは2018年3月にNHK退局後、同年10月から「news zero」(日本テレビ系)のメインキャスターを務めていたが、今年3月に卒業。現在は今年4月にスタートした音楽番組「with MUSIC」(日テレ系)のMCを務めているが、再び、報道番組に復帰となった。
27年間在籍したNHK時代は、数々のニュース番組、そして「あさイチ」から「紅白歌合戦」の司会まで局を代表するアナウンサーだったが、フリー転身後、初めてとなる冠番組への意気込みは並々ならぬものがあるようで、こうコメントしている。
「究極のエンターテインメントを目指し新しい創造的なニュース・情報番組~というコンセプトでお誘いいただき大変共感してお受けしました。テレビの世界における私自身の歩みの集大成として『日曜夜にこんな番組欲しかった』と思っていただけるよう全力投球で臨みます。どうぞよろしくお願いします」
「重すぎない報道番組」
メディア文化評論家の碓井広義氏は「非常に楽しみですね」としてこう語る。
「音楽番組もいいのですが、彼女の持ち味から考えたら、もったいないなあと感じていました。彼女も広い意味での報道がやりたかったと考えたのかもしれません。とにかく自分の名前が入った冠番組ですから、有働さんも50代半ばとなって“勝負するならここだ”と決意したんだと思います。ただ、日曜夜9時という時間帯ですから、(視聴率や内容的には)難しさはあるかと思います。しかしそれを逆手にとって、“また明日からも頑張ろう”という気分にさせてくれる雰囲気が出るといいと思います」
碓井氏は、日曜の夜だけに、ニュース番組といえども、あまり肩肘が張ったものでは疲れてしまうので、そのあたりで有働アナの持ち味が生かせるのではないかとして、こう続けた。
「彼女のよさは、ヘンに奇をてらったりせず、いい意味でとにかく生真面目なところ。しかしそうでありながら、優等生すぎず、ふっと本音を言ってみたり、時にはぶっちゃけてみたり、真面目なのに人間味があるところです。それが不思議なユーモアを醸し出していて、視聴者にとって親しみやすさになっている。そのあたりがうまくはまれば、日曜の夜にちょうどいい“重すぎない報道番組”になると思います。世の中で起きていることに対して、ガチガチな解説や論評を加えるばかりではなく、その奥にあるものを考える“小さなヒント”を、有働さんの感じ方を通して伝えてくれるといいですね。『あさイチ』に出ていた頃の有働さんが“夜のあさイチ”といった感じで出てきてくれるといいと思います(笑)」
有働アナが、まさに生真面目な感じでコメントしている“テレビの世界における私自身の歩みの集大成”が楽しみだ。
(日刊ゲンダイ 2024.07.12)