川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
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日弁連会長声明 2020.4.6.黒川検事長の勤務延長撤回を求める 2020.5.11.検察庁法一部改正に反対する

2020-05-16 21:23:25 | Weblog

2020-04-23
2020-05-13
2020-05-15
2020-05-16
2020-05-17
2020-05-20
2020-05-22
2020-05-25
2020-06-05



上の5/13付当ブログの<検察潰しのための検察庁法バトル> では、昨年末から今年3月ぐらいまでの期間における安倍人事攻勢に対する検察防衛の流れを少し書きました。

上の5/15付当ブログは、東京地検特捜検事時代に田中角栄ロッキード事件立件に働いた元検事総長ら検察OB連名による『東京高検検事長の定年延長についての元検察官有志による意見書』全文掲載したものです。

政界浄化の権限が検察にゆだねられています。その検察組織を政治権力者の下請け組織に堕落せしめるのが、検察官人事支配の下心ありありの「検察官定年延長法案」です。

安倍首相は「法治尊重」というあたりまえの政治姿勢を持ち合わせていません。安倍首相は、自分の意を尊重して働く有能な配下を使って政治をします。「法治」を用いず「人治」を使う、と言っていい。

これまでの安倍首相の手法を見れば、特定のごく少数の官僚を重用し、意識的にえこひいきをして官僚群を分断、相互に疑心暗鬼にさせるというやり方で官僚を操っています。

安倍首相は有能な配下を使って自分が望む成果を追います。有能な配下が失敗して、その責めを追及されても、自分が好むところの気持ちを表現して具体的な指示をしていないか、あるいは文書やメモ、連絡メールなどは短時間破棄抹消を原則にして証拠が残らないようにして、安倍首相自身が罪に問われないようにしています。森友・加計を追いかけている間に、私はそう見るようになりました。

憲法9条解釈変更のときと同様に、今回も日本弁護士連合会会長声明をここに転載しておきます。これにはこのブログの覚書という意味があります。まさに、ちょっとメモで、後に参照閲覧して調べるときの便宜に備えています。


    ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇


2020.4.6.
検事長の勤務延長に関する閣議決定の撤回を求め、
国家公務員法等の一部を改正する法律案に反対する会長声明



政府は、本年1月31日の閣議において、2月7日付けで定年退官する予定だった東京高等検察庁検事長について、国家公務員法(以下「国公法」という。)第81条の3第1項を根拠に、その勤務を6か月(8月7日まで)延長する決定を行った(以下「本件勤務延長」という。)。 

 (注)  国家公務員法 (定年による退職の特例)  
    第81条の3第1項 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により
    退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の
    職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が
    生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その
    職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、
    その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。 

しかし、検察官の定年退官は、検察庁法第22条に規定され、同法第32条の2において、国公法附則第13条の規定により、検察官の職務と責任の特殊性に基づいて、同法の特例を定めたものとされており、これまで、国公法第81条の3第1項は、検察官には適用されていない。

(注)検察庁法 第22条 検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官
         は年齢が63年に達した時に退官する。 

   検察庁法 第32条の2 この法律第15条、第18条乃至第20条及び第22条乃至
           第25条の規定は国家公務員法(昭和22年法律第120号)附則
           第13条の規定により、 検察官の職務と責任の特殊性に基いて、
           同法の特例を定めたものとする。

   国家公務員法 附則第13条 一般職に属する職員に関し、その職務と責任の特殊
           性に基いて、この法律の特例を要する場合においては、別に法
           律又は人事院規則(人事院の所掌する事項以外の事項について
           は、政令)を以て、これを規定することができる。 但し、その
           特例は、この法律第一条の精神に反するものであつてはならな
           い。 
   国家公務員法 第1条 この法律は、国家公務員たる職員について適用すべき各般 
           の根本基準(職員の福祉及び利益を保護するための適切な措置を
           含む。)を確立し、職員がその職務の遂行に当り、最大の能率を
           発揮し得るように、民主的な方法で、選択され、且つ、指導さる
           べきことを定め、以て国民に対し、公務の民主的且つ能率的な運
           営を保障することを目的とする。
          〇2 この法律は、もつぱら日本国憲法第七十三条にいう官吏に関
           する事務を掌理する基準を定めるものである。
          〇3 何人も、故意に、この法律又はこの法律に基づく命令に違反
           し、又は違反を企て若しくは共謀してはならない。又、何人も、
           故意に、この法律又はこの法律に基づく命令の施行に関し、虚偽
           行為をなし、若しくはなそうと企て、又はその施行を妨げてはな
           らない。
          〇4 この法律のある規定が、効力を失い、又はその適用が無効と
           されても、この法律の他の規定又は他の関係における適用は、そ
           の影響を受けることがない。
          〇5 この法律の規定が、従前の法律又はこれに基く法令と矛盾し
           又はてい触する場合には、この法律の規定が、優先する。

これは、検察官が、強大な捜査権を有し、起訴権限を独占する立場にあって、準司法的作用を有しており、犯罪の嫌疑があれば政治家をも捜査の対象とするため、政治的に中立公正でなければならず、検察官の人事に政治の恣意的な介入を排除し、検察官の独立性を確保するためのものであって、憲法の基本原理である権力分立に基礎を置くものである。

したがって、国公法の解釈変更による本件勤務延長は、解釈の範囲を逸脱するものであって、検察庁法第22条及び第32条の2に違反し、法の支配と権力分立を揺るがすものと言わざるを得ない。

さらに政府は、本年3月13日、検察庁法改正法案を含む国公法等の一部を改正する法律案を通常国会に提出した。この改正案は、全ての検察官の定年を現行の63歳から65歳に段階的に引き上げた上で、63歳の段階でいわゆる役職定年制が適用されるとするものである。

そして、内閣又は法務大臣が「職務の遂行上の特別の事情を勘案し」「公務の運営に著しい支障が生ずる」と認めるときは、役職定年を超えて、あるいは定年さえも超えて当該官職で勤務させることができるようにしている(改正法案第9条第3項ないし第5項、第10条第2項、第22条第1項、第2項、第4項ないし第7項)。

しかし、この改正案によれば、内閣及び法務大臣の裁量によって検察官の人事に介入をすることが可能となり、検察に対する国民の信頼を失い、さらには、準司法官として職務と責任の特殊性を有する検察官の政治的中立性や独立性が脅かされる危険があまりにも大きく、憲法の基本原理である権力分立に反する。

よって、当連合会は、違法な本件勤務延長の閣議決定の撤回を求めるとともに、国公法等の一部を改正する法律案中の検察官の定年ないし勤務延長に係る特例措置の部分に反対するものである。

 2020年(令和2年)4月6日

日本弁護士連合会
会長 荒   中


    ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇


2020.5.11.
改めて検察庁法の一部改正に反対する会長声明.


当連合会は、本年4月6日付けで「検事長の勤務延長に関する閣議決定の撤回を求め、国家公務員法等の一部を改正する法律案に反対する会長声明」を公表し、検察庁法改正法案を含む国家公務員法等の一部を改正する法律案に反対した。

検察庁法改正法案によれば、内閣ないし法務大臣が、第9条第3項ないし第6項、第10条第2項、第22条第2項、第3項、第5項ないし第8項に基づき、裁量で63歳の役職定年の延長、65歳以降の勤務延長を行い、検察官人事に強く介入できることとなる。

当連合会は、検察官の65歳までの定年延長や役職定年の設定自体について反対するものではないが、内閣ないし法務大臣の裁量により役職延長や勤務延長が行われることにより、不偏不党を貫いた職務遂行が求められる検察の独立性が侵害されることを強く危惧する。「準司法官」である検察官の政治的中立性が脅かされれば、憲法の基本原則である三権分立を揺るがすおそれさえあり、到底看過できない。少なくとも当該法案部分は削除されるべきである。

しかしながら、政府及び与党は、誠に遺憾なことに、検察庁法改正法案を国家公務員法改正との一括法案とした上で衆議院内閣委員会に付託し、法務委員会との連合審査とすることすらなく、性急に審議を進めようとしている。

5月7日に開催された内閣委員会理事懇談会の結果からすると、まさに近日中に開催予定の内閣委員会において本法案の採決にまで至る可能性もある。

そもそも、検察庁法の改正に緊急性など全くない。

今般の新型インフルエンザ等対策特別措置法上の緊急事態宣言が継続する中、かくも重大な問題性を孕んだ本法案について、わずか数時間の議論だけで成立を急ぐ理由など皆無である。

当連合会は、改めて当該法案部分に反対するとともに、拙速な審議を行うことに強く抗議する。

 2020年(令和2年)5月11日

日本弁護士連合会
会長 荒   中



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