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2020-05-25
2020-06-05
黒川弘務東京高等検察庁検事長に対する兼務(定年)延長を決めた2020.1.31.閣議決定が、政府の勝手な国家公務員法解釈を根拠とし、しかも口頭決裁に基づくということが周知のこととなりました。
閣議決定の法根拠となる国家公務員法の解釈変更が違法であり、その法解釈変更の手続きが違法であるとする見解はどう考えても正しい。説得力に富む。
政府の国家公務員法解釈変更を指摘する根拠は幾つも出そろっているのですが、「検察庁法が国家公務員法に対する優先法である」という指摘一つで、政府の法解釈変更の論理は崩壊です。
さらに、政府の法解釈変更が、諸般の事情にかんがみ解釈変更をすることにした、という総理大臣の一言で片づけられ、法務大臣の口頭決裁で済ませられるという信じられない経過です。
2020.1.31.閣議決定は違法です。 検察庁法第22条に従えば、黒川弘務氏は
2020年2月8日午前0時に、定年です。黒川弘務氏の東京高等検察庁退去を求めようではありませんか。
今回は、奈良弁護士会の会長声明を掲載します。
この会長声明文も理路整然としたものです。
文中の番号は、原文にもともと付せられたものです。
◇小見出し、はこのブログで付したもので、原文にはありません。
検察庁法改正法案に反対する会長声明 (奈良弁護士会)
http://www.naben.or.jp/news/seimei/6174/
http://www.naben.or.jp/news/seimei/6174/
2020/03/23
奈良弁護士会
会長 石黒 良彦
【1】
◇検察官の勤務(定年)延長決定は1947年検察庁法制定以降初めて
政府は、本年1月31日の閣議において、検察官を国家公務員法(以下「国公法」という。)第81条の3の勤務(定年)延長制度の適用対象から外すとしてきた従来の解釈を変更し、定年により退官予定であった東京高等検察庁検事長の勤務を6か月延長する決定を行った。
検察官の勤務が延長されたのは、1947(昭和22)年に検察庁法が制定されて以降初めてのことである。
【2】
◇検察官の勤務延長(定年)制度は検察庁法制定時に廃止された
戦前には司法大臣の権限で検察官の勤務(定年)を延長する制度があったが(旧裁判所構成法第80条の2)、戦後、検察庁法が制定されるにあたり廃止された(検察庁法第22条)。
◇検察庁法制定時に検察官の勤務延長(定年)制度を廃止した理由
わが国では、原則として検察官が起訴権限を独占している。起訴の対象は、政界にも及ぶ。また、検察庁は行政機関であるとともに、広義の司法の一部でもある(憲法第77条2項参照)。それゆえ、検察官の起訴権限が人事の面から歪められることを防ぎ、検察官の独立性・公平性を担保するために、その勤務(定年)延長の制度を廃したことには、合理性があったと言うべきである。
【3】
◇国家公務員法の定年制度導入は1981年(昭和56年)
これに対し、一般の国家公務員について定年制が法定されたのは昭和56年である(国公法第81条の2)。その際、任命権者による定年延長の制度(国公法第81条の3)も導入された。
◇国家公務員法の定年制度導入時に「検察官に適用しない」国会答弁
この法改正の際、既に定年制度が存在する検察官に対しては、(定年延長制度と他の制度を区別することなく)新たに導入される国公法の定年制度は適用されないとの国会答弁がなされていた。それゆえ、従前、国公法第81条の3の勤務(定年)延長制度は検察官には適用されてこなかった。
◇検察庁法は国家公務員法に優先する(検察庁法第32条の2)
また、検察庁法第32条の2は、検察官の定年について定めた検察庁法第22条が、国家公務員法付則第13条の規定により同法の特例であることを明記している。
【4】
◇上記1~3の経緯により、黒川検事長勤務(定年)延長のための政府解釈変更は法治主義に反する
今回、政府が主張する解釈変更は、検察官の退職に関して国公法の特例となっているのは検察庁法第22条に規定がある定年年齢と退職時期のみで、同条に定年延長に関する規定がないことは特例にあたらず、国公法の規定により勤務(定年)延長が可能となるというものである。
しかし、上記のように戦後、検察官の勤務(定年)延長の制度が廃止され、それが維持されてきた経緯に照らせば、今回の政府見解は法解釈の限界を超え、法治主義の原則に反するといわざるを得ない。
◇検察官の権限行使が政治的思惑に不当にゆがめられてはならない
すなわち、わが国では、検察官が起訴権限を独占しており、この起訴の判断のために捜査権限を行使している。検察官は、ときには権力を有する者に対してもこれらの権限を行使することになるが、その権限行使が政治的思惑から不当にゆがめられ、独立性・公平性を欠くことがあってはならない。
それを法的に担保するため、法務大臣は、個々の事件の取調又は処分について個々の検察官を直接指揮命令することはできないものとされている(検察庁法第14条)。
◇法務大臣の指揮権発動権限
唯一の例外として、具体的事案における検事総長を通じての指揮が認められているが(同条)、その場合も、法務大臣が指揮をした事実及び責任の所在が明確になるため、戦後、この指揮権が発動されたのはわずか1例にとどまる。
◇政府意中の検察官についてのみ勤務(定年)延長を認めることは検事総長選任人事への実質的介入である
然るに、政府が意中の検察官についてのみ勤務(定年)延長を認め、その結果として検事総長選任人事に実質的に介入できることになれば、政府は、個別事件についての指揮権を発動せずとも、捜査・起訴権限の行使に影響を及ぼすことが容易になるため、検察官の独立性・公平性・政治的中立性を著しく損なうことになる。
【5】
◇今回の法解釈変更は口頭決裁によって行われた――公文書法違反
また、法務省は、今回の法解釈変更に関する人事院との協議文書について、正式な決裁手続きを取らず、「口頭決裁」だったことを明らかにしている。
しかし、国の諸活動を国民に説明する責務を全うするために、必要な事項については文書を作成しなければならず(公文書管理法第4条)、最終的には意思決定の権限を有する者が文書に署名、押印して、その内容を当該行政機関の意思として決定しなければならない(文書主義の原則、行政文書の管理に関するガイドライン参照)。
今回の解釈変更の対象となった決裁は、法律の解釈の基準の設定に関する決裁に該当し、文書で残すことが前提とされているのであり(上記ガイドライン別表第1、1(7)②参照)、法務省の見解は、文書主義の原則に反するものとして、到底看過できない。
【6】
◇上記の解釈変更に対する批判を受けた末の検察庁法改正案国会提出
上記の解釈変更に対する批判を受け、政府は、国会に検察庁法改正案を提出するに至った。しかし、その内容は、検事長ら役職者の勤務(定年)延長を内閣の判断に委ねるというもので、政府が堂々と検察官幹部人事に介入することを認める内容となっている。検察官の独立性・公平性・政治的中立性の維持の観点から、到底容認しえない。
【7】
◇黒川検事長の勤務(定年)延長に強く抗議、検察庁法改正案に反対
よって、当会は、司法制度の一翼を担う団体として、東京高等検察庁検事長の勤務(定年)延長に強く抗議するとともに、検察庁法改正案に反対するものである。
会長 石黒 良彦
【1】
◇検察官の勤務(定年)延長決定は1947年検察庁法制定以降初めて
政府は、本年1月31日の閣議において、検察官を国家公務員法(以下「国公法」という。)第81条の3の勤務(定年)延長制度の適用対象から外すとしてきた従来の解釈を変更し、定年により退官予定であった東京高等検察庁検事長の勤務を6か月延長する決定を行った。
検察官の勤務が延長されたのは、1947(昭和22)年に検察庁法が制定されて以降初めてのことである。
【2】
◇検察官の勤務延長(定年)制度は検察庁法制定時に廃止された
戦前には司法大臣の権限で検察官の勤務(定年)を延長する制度があったが(旧裁判所構成法第80条の2)、戦後、検察庁法が制定されるにあたり廃止された(検察庁法第22条)。
◇検察庁法制定時に検察官の勤務延長(定年)制度を廃止した理由
わが国では、原則として検察官が起訴権限を独占している。起訴の対象は、政界にも及ぶ。また、検察庁は行政機関であるとともに、広義の司法の一部でもある(憲法第77条2項参照)。それゆえ、検察官の起訴権限が人事の面から歪められることを防ぎ、検察官の独立性・公平性を担保するために、その勤務(定年)延長の制度を廃したことには、合理性があったと言うべきである。
【3】
◇国家公務員法の定年制度導入は1981年(昭和56年)
これに対し、一般の国家公務員について定年制が法定されたのは昭和56年である(国公法第81条の2)。その際、任命権者による定年延長の制度(国公法第81条の3)も導入された。
◇国家公務員法の定年制度導入時に「検察官に適用しない」国会答弁
この法改正の際、既に定年制度が存在する検察官に対しては、(定年延長制度と他の制度を区別することなく)新たに導入される国公法の定年制度は適用されないとの国会答弁がなされていた。それゆえ、従前、国公法第81条の3の勤務(定年)延長制度は検察官には適用されてこなかった。
◇検察庁法は国家公務員法に優先する(検察庁法第32条の2)
また、検察庁法第32条の2は、検察官の定年について定めた検察庁法第22条が、国家公務員法付則第13条の規定により同法の特例であることを明記している。
【4】
◇上記1~3の経緯により、黒川検事長勤務(定年)延長のための政府解釈変更は法治主義に反する
今回、政府が主張する解釈変更は、検察官の退職に関して国公法の特例となっているのは検察庁法第22条に規定がある定年年齢と退職時期のみで、同条に定年延長に関する規定がないことは特例にあたらず、国公法の規定により勤務(定年)延長が可能となるというものである。
しかし、上記のように戦後、検察官の勤務(定年)延長の制度が廃止され、それが維持されてきた経緯に照らせば、今回の政府見解は法解釈の限界を超え、法治主義の原則に反するといわざるを得ない。
◇検察官の権限行使が政治的思惑に不当にゆがめられてはならない
すなわち、わが国では、検察官が起訴権限を独占しており、この起訴の判断のために捜査権限を行使している。検察官は、ときには権力を有する者に対してもこれらの権限を行使することになるが、その権限行使が政治的思惑から不当にゆがめられ、独立性・公平性を欠くことがあってはならない。
それを法的に担保するため、法務大臣は、個々の事件の取調又は処分について個々の検察官を直接指揮命令することはできないものとされている(検察庁法第14条)。
◇法務大臣の指揮権発動権限
唯一の例外として、具体的事案における検事総長を通じての指揮が認められているが(同条)、その場合も、法務大臣が指揮をした事実及び責任の所在が明確になるため、戦後、この指揮権が発動されたのはわずか1例にとどまる。
◇政府意中の検察官についてのみ勤務(定年)延長を認めることは検事総長選任人事への実質的介入である
然るに、政府が意中の検察官についてのみ勤務(定年)延長を認め、その結果として検事総長選任人事に実質的に介入できることになれば、政府は、個別事件についての指揮権を発動せずとも、捜査・起訴権限の行使に影響を及ぼすことが容易になるため、検察官の独立性・公平性・政治的中立性を著しく損なうことになる。
【5】
◇今回の法解釈変更は口頭決裁によって行われた――公文書法違反
また、法務省は、今回の法解釈変更に関する人事院との協議文書について、正式な決裁手続きを取らず、「口頭決裁」だったことを明らかにしている。
しかし、国の諸活動を国民に説明する責務を全うするために、必要な事項については文書を作成しなければならず(公文書管理法第4条)、最終的には意思決定の権限を有する者が文書に署名、押印して、その内容を当該行政機関の意思として決定しなければならない(文書主義の原則、行政文書の管理に関するガイドライン参照)。
今回の解釈変更の対象となった決裁は、法律の解釈の基準の設定に関する決裁に該当し、文書で残すことが前提とされているのであり(上記ガイドライン別表第1、1(7)②参照)、法務省の見解は、文書主義の原則に反するものとして、到底看過できない。
【6】
◇上記の解釈変更に対する批判を受けた末の検察庁法改正案国会提出
上記の解釈変更に対する批判を受け、政府は、国会に検察庁法改正案を提出するに至った。しかし、その内容は、検事長ら役職者の勤務(定年)延長を内閣の判断に委ねるというもので、政府が堂々と検察官幹部人事に介入することを認める内容となっている。検察官の独立性・公平性・政治的中立性の維持の観点から、到底容認しえない。
【7】
◇黒川検事長の勤務(定年)延長に強く抗議、検察庁法改正案に反対
よって、当会は、司法制度の一翼を担う団体として、東京高等検察庁検事長の勤務(定年)延長に強く抗議するとともに、検察庁法改正案に反対するものである。
<政治とカネ>安倍内閣シリーズ記事 (2016年6月)
<政治とカネ> 安倍内閣 甘利明前大臣の大臣室現金授受事件を忘れない(1)
<政治とカネ> 安倍内閣 甘利前大臣の大臣室現金授受を忘れない(2)
<政治とカネ> 安倍内閣の西川公也元農水大臣 大臣は辞職・議員辞職はなし 痛くもかゆ くもない面々
<政治とカネ> 安倍内閣の小渕優子元経済産業大臣 大臣辞職したが議員辞職はなし 痛く もかゆくもない面々
<政治とカネ> 安倍内閣の「政治とカネ」辞職大臣が8名、多過ぎる!
<政治とカネ> 安倍首相 世襲政治資金は相続税免除(合法)、世襲政治団体は認めるべき じゃない
<政治とカネ> 安倍内閣 甘利明前大臣の大臣室現金授受事件を忘れない(1)
<政治とカネ> 安倍内閣 甘利前大臣の大臣室現金授受を忘れない(2)
<政治とカネ> 安倍内閣の西川公也元農水大臣 大臣は辞職・議員辞職はなし 痛くもかゆ くもない面々
<政治とカネ> 安倍内閣の小渕優子元経済産業大臣 大臣辞職したが議員辞職はなし 痛く もかゆくもない面々
<政治とカネ> 安倍内閣の「政治とカネ」辞職大臣が8名、多過ぎる!
<政治とカネ> 安倍首相 世襲政治資金は相続税免除(合法)、世襲政治団体は認めるべき じゃない