このたびの東京高検検事長「特例勤務(定年)延長」は法的根拠に欠ける安倍内閣の私的行為と言えます。それは、検察を安倍政権の私兵にする道筋をつけるものです。
そして、「高位検察官特例勤務(定年)延長」の法制化は、以後のどの政権であっても、検察を私兵にできる制度であります。
この安倍首相の試みを、以後のどの政権に対しても検察私兵化への道を切り開くものとして、今も恐怖と言ってよいほどの恐れを抱いています。
安倍首相による検察私兵化への道は、
日本を含む世界の近現代史にあった「もの言えば唇寒し」への道です。
想像するだけで恐ろしい。
私はこの検察私兵化への動きにまだまだこだわり続けます。
今の政界には安倍首相と同じ思いの「安倍族」がうようよいますから。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
安倍晋三首相による検察潰しが急転回しました。
黒川弘務氏の検察庁勤務経歴と任官年次を見れば、検事総長に成る資格があった。しかし、検察首脳は黒川弘務氏の政治性、すなわち安倍政権との癒着体質を危惧していました。
わかってみると、黒川弘務氏は法務省官房長時代から、政権と検察の調整能力を評価されていました。しかし、黒川官房長の調整能力とは安倍政権の歓心を買うことでもありました。
この経過から、検察首脳は林真琴名古屋高等検察庁検事長を稲田伸夫検事総長の次の検事総長に想定しています。
安倍首相はこれが気に入らない。黒川弘務氏を検事総長にするために、検察官について前代未聞の特例定年延長を強行しました。
そのうえ、特例定年延長の法的根拠がないことを国会質疑で問い詰められていくと、安倍首相は、検察庁法に法務大臣(=総理大臣)の主観(えり好み)で特定の検察官を指定できる特例定年延長の条項を差し入れる暴挙に出ました。
なぜ、そこまで強行するのでしょうか。
広島地検で河井案里・河井克行前法相の公職選挙法違反問題が立件の方向に進められています。これには検察庁が全力を傾けています。これが安倍首相本人に関わってくる可能性があります。
もう一つ「桜を見る会」です。これは安倍首相の政治資金規正法違反問題です。国会では野党からくり返し詳細を追及され、同じ内容でまったく新味のない答弁をくり返し、くり返しくり返し行っています。
安倍首相はこの二つを恐れているのではないか。黒川弘務氏が検事総長になれば、安倍首相は枕を高くして眠れるのです。権力政治を続けられます。
検察庁にとって当面は、黒川弘務氏の後任を誰にするのか、が焦点になります。「桜を見る会」の舞台は東京です。
5月21日、全国の弁護士や法学者662人が「桜を見る会」をめぐって、安倍首相を告発しました。
当面、検察首脳人事に注目です。安倍首相は執拗です。
森雅子法相がぶら下がり会見で、黒川検事長の賭け麻雀辞職願を理由に「稲田検事総長はその責任を取って辞職するべき」と発言したニュースを見ました。
田崎史郎氏がテレビで、週刊文春の「黒川賭け麻雀」報道への感想を聞かれて、「稲田さんが検事総長を辞めないんですよ。いつまでも辞めないと後が詰まるんですよ。辞めないからこうなるんですよ」と発言しているのを見ました。
検察がすべて良いわけではない。安倍政権の強圧に妥協し続けてきた。いくつもの政治家の犯罪を見て見ぬふりをしてきた。
安倍政権は検察庁に人事攻勢をかけるでしょう。
検察首脳は検察人事の推薦はできる。
しかし、安倍首相はそれを拒否できる。
安倍首相が承認しなければ、検察の新任人事が成立しない。
高等検察庁検事長と検事総長は、天皇の認証官なんです。
検察首脳が検察再生に向けた人事を貫くには、安倍の壁が立ちはだかる。
検察はどうあるべきか。国民の信頼回復を得るためにも、広島地検は河井前法相・河合案里夫妻の起訴に向けて進まねばならない。「桜を見る会」に対する告発を受けて、政治資金規正法違反の立件に向けて前進しなければならない。
検察にもまだまだ不満はある。
しかし今は検察批判でなく、検察応援をしよう。
私は安倍首相が始めた検察私兵化への動きにまだまだこだわり続けます。
今の政界には安倍首相と同じ思いの「安倍族」がうようよいますから。
黒川弘務氏賭け麻雀 「訓告」処分 軽すぎると批判 事件化にはハードル
毎日新聞 2020年5月22日 21時53分(最終更新 5月23日 00時28分)
法務・検察は黒川氏を懲戒処分にせず、監督上の措置である検事総長による「訓告」にとどめた。人事院は懲戒処分の指針で、賭博をした職員は「減給」または「戒告」、常習として賭博をした場合には「停職」にすると定めており、野党などから「処分が軽過ぎる」との批判も出ている。
5月22日の衆院法務委員会で、懲戒処分としなかった理由を問われた法務省の川原隆司刑事局長は「賭けマージャンは許されるものではない」と断りつつ、黒川氏らのマージャンのレートは1000点が100円の「点ピン」だったと明らかにし、「社会の実情を見ると、必ずしも高額とは言えない」と述べた。
黒川氏が記者のハイヤーに同乗して帰宅したことも認めたが、「黒川氏のために手配されたハイヤーではなく、社会通念の程度を超えた利益供与があったとは認められない」と述べ、処分対象に含めなかったとした。いずれも無所属の山尾志桜里氏の質問に答えた。
ただ、賭けマージャンは賭博罪に問われかねない違法行為だ。刑法は賭博罪の法定刑を50万円以下の罰金または科料と定め、常習であれば3年以下の懲役が科される常習賭博罪に問われる。交番勤務中に賭けマージャンをした愛知県警の警察官2人を、名古屋簡裁が2013年に罰金10万円の略式命令とした例もある。
この日の国会質疑では野党から「処分が国民感情で適切とは思えない」との批判も出た。ある法務省OBも「黒川氏の立場や(コロナ禍の)社会状況を考えれば懲戒処分にすべきだった」と指摘する。
処分の重さとは別に、事件化には専門家は否定的だ。
警察関係者によると、立件の要否を判断する上で「点ピン」は必ずしも高いレートとは言えず、常習性の認定は前歴の有無も目安になるという。
ある刑事裁判官は「賭けた額は桁外れに高くなく、突出した常習でもない。違法であり、厳しい非難は免れないが、割と多くの人がやっているレベル。告発が出ても起訴は難しいだろう」と指摘する。
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