初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

VTR本番

2009年02月08日 18時31分27秒 | Weblog
  生放送時代のテレビドラマは台本に従って順番に撮り進めてゆきました。
テレビにVTRが導入されても最初は、生のテレビドラマのときと同じように切れ目なく撮り進めてそれを録画するだけでした。それでも放送時間に合わせてドラマを作らなくてもよくなりました。出演する俳優さんの都合や、スタジオのやり繰りなどで、夜中にVTR撮りしても、昼間の放送時間にVTRを再生すればよいわけです。

 VTRを編集するにはビデオテープを切断して編集していました。そのうち、電子編集という方法で編集が自由になりました。VTRの部分撮りができるようになりました。映画では1台のカメラで1カットずつ撮影していきますから、俳優さんは1シーンを通しての芝居の組み立ては難しいものです。テレビはVTR撮りのドラマになっても1カット撮りはやりません。出演者が大勢の場面でもその場面を3台から4台のカメラを使って続けて撮り終えます。DK場面と居間の場面と話が続いている時は同時に続けて撮り終えますから時間にして10分から15分のときがありました。

 テレビドラマのベテラン女優Aさんと映画のベテラン女優Bさんが火花を散らすような芝居のやり取りの場面がありました。リハーサルでは二人は普通に軽く演じられていたのですが、本番のVTRで、Aさんは間の取り方を変えて熱演されました。映画のベテラン女優Bさんは、これに対して芝居に迷いが出ました。そのあと、セットの蔭でBさんは付き人を相手に、涙を浮かべていました。

 演芸のお笑いタレントさんもリハーサルでは本気にならず、ここでああして、こうしてと、大体の打ち合わせで本番に入りますから、注意しないと本番の動きが変わってしまうことがよくありました。


料理番組

2009年02月07日 18時00分50秒 | Weblog
 テレビが生放送で最初からあったのが、生の料理番組でした。教養番組△%、娯楽番組×%、CM○%と決まっていますから、料理番組は教養番組に入ります。
 出演されるのは、料理学校の先生、ホテルのシェフ、街の有名料亭の料理長などです。
 放送前日、出演する先生方は、段取りを立て、アシスタントと十分な打ち合わせとリハーサルを済ませて、料理の材料と一緒に局に来られます。放送局では、アナウンサーと質問事項などの打ち合わせをします。

 本番と同様のリハーサルを行います。そして、ラップタイムを取ります。本番でラップタイムより、遅れると、途中を省略して時間の辻褄を合わせます。
 同じ料理を二、三個、途中まで作っておいて、時間が足りなくなったら、そのときの出来上がりを見て使います。たとえば材料を入れた鍋を火にかけると、すでに煮てある鍋に取り替えて次の段取りに移ります。
 先生は、作りながら料理の説明をしなくてはいけません。アシスタントは先生の説明を聞きながら、それぞれ材料を画面の外からまな板に入れてゆきます。このアシスタントの気転が、番組進行の大事なポイントになるのです。

 番組が無事終了しますと中途半端な材料や予備の材料が多く残ります。それをもう一度、今日の料理をあるだけ先生方は作られます。
 そして、番組のスタッフがいただきます。これは料理番組だげの楽しみです。出演の先生方は皆がおいしそうに食べると喜んでくださいます。

 VTRて料理番組を作るようになっても、切れ目なく一気に収録しています。

 「奥様チャンネル」(仮称)のVTR番組で、若いママさん二、三人が番組で料理を作ることになりました。料理は「ハムエッグ」でした。こんな簡単な料理なのに、若いママさんがたは見事に時間がオーバーしてしまいました。
 「ハムエッグ」よりはるかに複雑な料理を作り方をよどみなく説明しながら、時間どおりに仕上げるプロの先生方はさすがです。

 

f64

2009年02月06日 21時56分54秒 | Weblog
  カメラ用品店で白い文字でf.64のロゴがついた黒のギャジットバッグや小物入れを見たことがあります。
 アンセル・アダムスが大型の8×10(エイト・バイ・テン)カメラでレンズの最少絞りf64でパンフォーカスで鮮明な写真をとグループf.64がありました。このことをブランド名にしたのでしょう。
 もう一人の巨人エドワード・ウェストンは、“ゾーンシステム”を提唱する。簡単にいえば、コントラストの低い被写体の撮影のときは、現像時間を長くしてコントラストを高める。、コントラストの高い被写体のときは、現像時間を浅くしてコントラストを低くして、印画紙の再現範囲に収めるということです。
 銀塩35ミリカメラの36枚撮りの場合、撮影したフィルムのなかの1枚のために現像時間を調整することは無理です。そこでフィルム現像は標準で上げて、引伸ばしのときに、印画紙を選択します。コニカミノルタの前身、さくらフィルム時代の印画紙はさくらに因んで、八重、染井、吉野、深山とコントラストを変えた印画紙群がありました。フジフィルムはベロナ、フジブロなどでした。その後、プラスチックが入ったRC(レジン・コート)印画紙となり、引伸ばし機にフィルターをかけてコントラストを変える1種類のポリコントラスト印画紙になりました。
 
 デジタルカメラの出現で、撮影のときに1コマごとにISO感度は変えられますし、コンピューター上で1コマごとにコントラストや映像の明るさの調節、銀塩では大変だったγカーブまでいじれます。写真も進歩したものです。
 インスタント写真顔負けの撮り終わってすぐにプリント印刷できます。夢のようです。

朝の散歩

2009年02月05日 22時05分53秒 | Weblog
  定年退職して運動不足になりました。病院の先生は、少し散歩でもして運動不足を補ってください。
 朝八時半ごろから九時頃にスニーカーを履いて家を出ます。六時ごろ、その辺を歩いている人もいますが私はそこまでやりません。
 通勤のときは皮靴でしたが、散歩にスニーカーを履くようになって、足裏のマメがなくなりました。
 近所に電車の基地がありまして、その道を700メートルほど歩きますと、国道の交差点に出ます。やがて今日の朝刊に「マクド外食独り勝ち」と出ているマクドナルドに着きます。
 時間が早いせいか、客は年配の人ばかりで、新聞や文庫本などを読んでいます。午後の三時過ぎになると、若い人でいっぱいになるのでしょう。
 近くに図書館があります。午前十時開館でここで雑誌などを見ます。
 再び、坂道を上って緑の豊富な公園に着きます。散歩で持ち歩いているコンパクトデジタルカメラで、新しいポスター、告知板、新装開店のお知らせ、地域の地図を作るのに参考にする新しい道、店などを撮ります。デジタルカメラはフィルムがない分、小型です。そして、いらなくなった写真は消去できます。
 デジタルカメラを使い始めたときは、液晶モニターの映りが気になりましたが、露出はカメラまかせでよいことがわかってきました。撮影レンズの映像がそのまま、液晶モニターに写るのですから、“電子的一眼レフ”です、花のアップも心配はいりません。撮影データをコンピューターに取り込んで、ソフトで明るさ、コントラスト、トーンカーブなどがいじれます。また、撮影日時のデータまであるのですから、散歩カメラとして理想的です。
 散歩は十一時前に終わります。

イージーリスニング

2009年02月04日 18時46分17秒 | Weblog
  LPレコードを聴くようになって、イージーリスニングとかムード音楽と言われたマントバーニ楽団の絃の美しさに魅了されてしまいました。

 機会があって大阪フェスティバルホールの演奏会に行きました。シャルメーヌ、魅惑の宵、ラ・メールと演奏が始まるとレコードと同じ音色なのです。てっきり録音で作られた音だと思っていましたから、びっくりです。カスケードストリングスで、和音でバイオリンの後列から前列へと音階を移していく編曲らしいのです…。曲のエンディングで指揮者マントバーニは客席の方を向いて曲を終わります。なんとサービス精神の旺盛なことでした。

 リカルド・サントスの「ホリディ・イン・ジャパン」も大好き。 アルフレツド・ハウゼの「小さな喫茶店」「碧空(あおぞら)」。マランド楽団の「オレ・ガッパ」などコンチネンタルタンゴも好きです。コンチネンタルタンゴはアルゼンチンタンゴのバンドネオンの代わりにアコーディオンを使いますし、アルフレッド・ハウゼはハープも多用します。コンチネンタルタンゴはどんな楽器を使おうと、新しい解釈でもついてゆけます。
 
 しかし、本家のアルゼンチンタンゴは、バイオリン、ピアノ、バンドネオン、コントラバスの編成のティピカに限ります。新しい楽器や新しい解釈は困ります。LPの初期にはアルゼンチンタンゴの録音もあまり良くなく、それがかえってムードがありました。
日本の藤沢嵐子、早川真平とオルケスタ・ティピカ東京が大好きでした。 

スチール写真

2009年02月03日 18時30分31秒 | Weblog
  映画全盛の、繁華街の映画館に、主演俳優さんの似顔絵を描いた大きな看板や、ショーウィンドウに映画の中身をうかがわせるキャビネ版の写真が貼り付けてありました。その写真のことをスチール写真といいました。映画は活動写真ですから、それに対してスチールと言ったのでしょう。あの写真は映画会社が作って映画が配給される時に一緒に配られました。
 映画のスタジオで1シーン撮り終わると次のシーンの準備で休憩があります。そのときすかさず、スチール係の写真師さんが、

 「ここで、おにぎりひとつ…」

と声をかけます。おにぎりとは当時スチール写真に使用するカメラが、キャビネ判の組み立て暗箱で感光材料はキャビネ判のガラス乾板でした。カメラのソルントンシャッターのレリーズが、ゴム球で、それを「おにぎり」と称していたからです。
 乾板は引き伸ばしせず密着プリントですから俳優さんのしわなどを写真師さんは簡単に修正を施します。そして、配給される映画館の数だけプリントしますから、大変な量になります。
 キャビネ暗箱でのスチール写真はスローシャッターで撮りますから、動きのない写真になります。それでは、面白くないと、黒田誠忠録(松竹下加茂作品)のとき、写真家の木村伊兵衛氏がライカでスチール写真を担当したと聞きました。仕上げの枚数が大量ですから、木村氏の35ミリネガをキャビネ乾板に複写して大変だったと思われます。その後、また、キャビネ暗箱撮影になりましたから…。
 黒澤監督作品で、組み立て暗箱ではなく普通のカメラでスチール写真を撮ったときいたことがありました。

 テレビのドラマや教養番組がVTR収録になりました。完パケにします。頭のタイトルから終りのエンドマークまで一本にまとめられた完全パッケージ作品を言います。テレビの営業が各局に完パケ販売することを番組販売略して“番販”といいます。
 そのときに、新聞の番組紹介の記事の写真としてスチール写真のようなものが必要になります。テレビの場合は、放送局に出入りのキャメラマンが普通のカメラで撮影して、キャビネ判に引き伸ばして番販係に渡しています。

  

ナイター中継

2009年02月02日 18時02分07秒 | Weblog
 白黒テレビであれだけ活躍したイメージオルシコンカメラがNTSC方式でカラー放送が始まると水彩画のような色彩でした。

 フィリップスからPbo(プランビコン)管が出現して色彩が油彩のような彩りになり、世界は一斉にPbo管方式のカラーに移行していきました。
 フイリップスカメラは最初から4本のビスで止める、テーラーホブソンのズームレンズでした。
 
 その後、カメラもレンズも日本製となります。最初、プランビコンカメラも撮像管が1 1/4インチ,1インチ,2/3インチと小さくなり、小型化されてきましたが、ズームレンズは光学ガラスの塊ですからあまり小さくなりません。そこへレンズメーカーのズーム比率の競争で、10,14,18,20,22,25,30,44,50,80倍と大型化していきます。

 35ミリカメラのズームレンズはズームインすると、開放F値がF3.5→5.6と暗くなります。テレビ用のズームレンズも同じようにズームすると暗くなります。
  35ミリカメラのズームレンズに、焦点距離を1,4倍、2倍にするリアコンバーターがあります。テレビのレンズにも、1.4倍、2倍のエクステンダーという名前で用意されています。しかも、レンズ内に組み込まれていて、スイッチでレンズの光路に入ってきます。しかし、これで、レンズの明るさが1、2絞暗くなります。
 明るい昼間の野球中継などでは、エクステンダーが挿入されると、電気的に絞りが開かれるようになっています。

 ナイター中継で、照明の暗い球場での選手表情や、明るくないダグアウトの監督の表情などを撮る場合、レンズの絞りを開放に近い状態で使用している時は、倍率を稼ぐエクステンダーは使えませんし、ズームレンズが暗くなる直前までの倍率でしか使えません。

展覧会の絵

2009年02月01日 18時38分12秒 | Weblog
 クラシックをSP盤で聞くと、深い残響の井戸の底から聞こえてくるようです、レコードを裏返したり取り換えたりとせっかくの曲も中断します。
 LP盤になってからは、スクラッチノイスもなく楽団が前に出てきてクリアで長いクラシックもレコードを裏返すこともなく聞けました。フルトヴェングラーもよく聞きました。

 ムソルグスキーの「展覧会の絵」モーリス・ラヴェル編曲を聞きました。ある時、ムソルグスキーの原曲、ピアノ曲「展覧会の絵」を聞いて、ラヴェルがいかに「管弦楽の魔術師」「オーケストレーションの天才」と言われたのかがわかりました。ラヴェルの「亡き王女のためのパバーヌ」が好きでしたが、「ボレロ」は同じメロディーの繰り返しであまり好きになれませんでした。

 ジョージ・ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」のリハーサルを聞くチャンスがありました。北野タダオ編曲のジャズオーケストラバージョンでした。
 最初に、クラリネットのソロで始まります。そして、フルオーケストラが後に続くのですが、最初のクラリネットの音にスラーがかかるところで、音が裏返ってしまうのです。何度やっても音が裏返ってしまいました。クラリネキストはすっかり落ち込んで、プレッシャーの塊になってしまいました。
 翌日、演奏会では無事演奏されましたが、昨日のことがありますから、スリル満点でした。

 ラヴェルの「ボレロ」は同じメロディーの繰り返しですが、それぞれソロで繋いでゆきます。フルート、クラリネット、オーボエ、テナーサクソホン、トランペット、ホルン、トロンボーン…などです。
 「ラプソディ・イン・ブルー」のクラリネクストのように、それぞれのソロプレーはプレッシャーを感じながら、ソロパートを受け持っているのかと思いますと、聞いている私の方もうまくいくかなとスリル満点で聴けるようになりました。