初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

ニュートンリング②

2012年09月20日 20時37分59秒 | Weblog


暗室で引伸し作業をする

カメラマンにとって

ガラスキャリアーのニュートンリングに

悩まされていました



引伸機に

金属製のネガキャリアーが出たことで

ニュートンリングは

無くなりました



ガラスキャリアーはニュートンリングが

出やすいのですが ネガをガラスで挟むので

平面保持では優れていました



金属キャリアーになって

ネガは引伸機のなかで

裸でさらされることになりました



ランプハウスの電球の光が

コンデンサーレンズで集光されて

ネガは熱を持ちます



小さいサイズのプリントの場合は無視しますが

四つ切りや半切プリントの場合は

印画紙に露光する直前に

フォーカススコープでネガのピントを

再確認していました



引伸機のレンズは

重要視されていませんでした

当時の写真雑誌で

引伸しレンズをもう一度

考え直してみようと問題提起

し始めていました。









ニュートンリング①

2012年09月19日 21時10分40秒 | Weblog


引伸機にプリントするネガフィルムを

装填するには

ネガフィルムをネガキャリアーという

2枚のガラス板に挟んで引伸機に入れます



ネガフィルムを入れて引伸機の電球を

点灯すると拡大されたネガの画像が

引伸機の台上のイーゼルに

映ります。



ガラス板のネガキャリアーを使うと

ニュートンリングが現れることがありました

ニュートンリングはプリント画面のどこかに

虹色をした同心円状の縞模様です



引伸しレンズのピントを合わせて

ニュートンリングが出ていないか

露光する前にイーゼル上を

調べるのですがわかりにくいものです



露光を済ませて印画紙の現像処理を

すませて改めてプリントをよく見ると

ニュートンリングが出ていることがありました



このニュートンリングを防止するために

ガラス板2枚のネガキャリアーの代わりに

真鍮製のクロームメッキ2枚にした

金属ネガキャリアーが

ありました



金属ネガキャリアーは中心に

24×36ミリ(35ミリ判では)

の窓が開けられています



この窓の開いた金属板2枚で

ネガを挟むようになったのが

金属ネガキャリアーです










集散光式引伸機

2012年09月18日 21時36分15秒 | Weblog


街のDPE店(カメラ店)の引伸機は

ラッキー2B(藤本写真工業)が

使われていました



私のラッキージュニアはこの2Bの

ランプハウスを少し小型にした形を

していました



このジュニアはランプハウスが小さいせいか

しばらく使っていると熱くなってきました



引伸機ではランプハウスの大小にかかわらず

タングステン電球を使います



タングステン電球は電流の大部分が

熱になるのでランプハウスは

熱くなってきます



そこで、熱を持たない蛍光灯を

使った引伸機が出ました

蛍光灯を光源にした引伸機では

散光式になります

プリントの仕上がりが

軟調に仕上がったようです



タングステン電球の引伸機では

光源にコンデンサーレンズだけの

集光式がありました



集光式引伸機のプリントの仕上がりは

硬調になります



一般に引伸機の光源には引伸用電球を

使います

この電球を使った引伸機は

集散光式の光源になります

この集散光式光源は集光式の硬調でも

なく散光式の軟調でもない

中間調に仕上がりました












私の台所暗室⑥

2012年09月17日 21時06分17秒 | Weblog


急拵えの台所暗室で

印画紙現像液(モノクロ)の液温管理は

22℃~19℃でした



当時の写真雑誌では

冬場の現像液の温度管理は

少し大きい目のバットにお湯を入れて

そこへ少し小さい目の現像バットを

入れる(湯煎にする)



夏場の液温管理は冷蔵庫の

氷をビニールの袋に入れて

現像バットに入れるよう書かれていました



熱湯や冷蔵の氷を直接現像バットに

入れる私のやり方では現像液が少し薄められます

私は現像液が薄まるより、液温を20℃付近で

揃えるほうが大事だと考えていました



私の引伸機はラッキージュニアでした

引伸機のレンズマウントは、ライカマウントです



ある日、試しにライカのコーテッドエルマー

F3、5。50ミリをつけてみました



イーゼル上の、ピリッとしたピントに

高コントラストの画像を見て引伸機のレンズが

いかに大事か痛感しました



当時、引伸機のレンズの相場は

3500円ぐらいでした

… … …

そこへELニッコール50ミリ、F2、8(日本光学)で

価格が15000円が現れました。









私の台所暗室⑤

2012年09月16日 18時52分30秒 | Weblog


台所暗室は夕食後9時ごろから

引き伸ばしプリント用の暗室の

セッティングを始めます



現像バット(印画紙用)四つ切りを

机の上に3枚並べます

それぞれのバットに2000㏄の現像液、

中間浴、定着液を入れます



現像液のバットにだけ液温計(温度計)を

入れておきます。



現像液の温度を指定の20℃付近に

合わせておかないと印画紙プリントの

仕上がり色調に微妙に影響します



冬は液温が下がるので

台所で沸かしたヤカンの熱湯を

乱暴ですが現像バットに少し注ぎます



現像用の竹ピンセットで現像バットを

かき回して液温計を見ると

21℃、22℃ぐらいになります



そのうち現像バットの下に置く

四つ切りサイズで中にニクロム線と

サーモスタットの入ったステンレスの恒温器が

発売されたので冬のヤカンの熱湯は止めました



しかし、夏場は液温の下げようがありません

冷蔵庫の製氷皿の四角い氷を現像バットに

2、3個じかに放り込んでいました

大体19℃ぐらいになりました。









私の台所暗室④

2012年09月15日 20時25分03秒 | Weblog


試し焼きの小片で大体の露光時間が

決まるのですが、画面全体の感じが

試し焼きの小片ではよくわかりません



一応、仕上がり寸法と同じサイズの

印画紙で焼いてみます



例えば四つ切り印画が仕上がり寸法ならば

四つ切り印画紙で焼いてみます



現像→中間浴→定着と処理が進むと

印画紙の画像のが締まってきます



室内の灯りをつけて、定着液バットの印画紙を

調べます



この本焼き一発でOKに

なることは珍しいことです



空の部分を焼き込みたいとか

暗部をすこし覆い焼きしたい

と考えるようになります



覆い焼きや焼き込みが必要になると

少し厄介なことになります

うまくゆくと一発で決まるのですが



手こずると四つ切り印画紙を

何枚も使って焼き直します

時間もどんどん過ぎていきます










私の台所暗室③

2012年09月14日 21時30分56秒 | Weblog


私の台所暗室の続きを…



四つ切り印画紙袋に入っている

試し焼き用小片でのテスト焼きは

印画紙への露光時間と現像の大体が

わかる程度です



いよいよ大きな印画紙をイーゼルに入れて

本焼きをします



私は本焼きの露光にタイマーは使いません

引伸機のフットスイッチを踏み込んで

イーゼルのネガ像のあちこちを見ながら

「一つ…二つ…三つ…」

頭の中でカウントします



露光した本焼きの印画紙を

現像液バットに浸けて印画紙の

画像を待ちます



バライタ印画紙とRCぺーバーでは

現像液中での画像の浮かび方が違います



バライタ紙は、画像がじわじわ浮かび上がってきますが

RCペーパーになってからは約10秒ほどして

サーッと画像が現れます。

露光オーバーしたのかと一瞬慌てます



RCペーパーは画像がサーッと現れて

大体希望の濃度で止まります。

そこで現像を打ち切ると

画像の仕上がりがよくありません



希望の濃度になってからしばらく現像液中に

入れておきます。その間に画像のが締まり

色調が整うようです。










私の台所暗室②

2012年09月13日 21時28分04秒 | Weblog


引伸印画紙は、2L(キャビネ判)

四つ切り、全紙それぞれ袋に入っています



印画紙も四つ切り以上になると

短冊に切った印画紙の小片が入っています

試し焼き印画紙在中と袋に記されています



引伸機のイーゼルにこの小片(試し焼き)

印画紙を置いて露光します



露光した小片を現像バットに入れて見守ります

現像液に浸けると印画紙に画像が

浮かび上がってきます



その時、現像液に浸けるとすぐ

画像が出てくるようだと露光オーバーです

また、なかなか印画紙に画像が出てこないと

露光が足りないと判断します



現像液に印画紙を浸けて画像が現れるまでの時間は

印画紙の種類(メーカー)、印画紙現像液によって

違ってくるので、印画紙とその現像液は

自分に向いているもので固定していました



印画紙の露光時間に現像時間

つまり現像の打ち切りのタイミングが

仕上がった印画紙の色調を決定します



薄暗いセーフライトの下では

現像液に浸かって画像が

浮かび上がった印画紙は

実際より黒く(暗く)見えます



現像を打ち切った印画紙を急いで

中間浴、そして定着液のバットに

入れて、室内灯を点けます










私の台所暗室①

2012年09月12日 20時01分25秒 | Weblog


夜の9時ごろから

台所が暗室になります

… … …

台所の白壁に

セーフライトを吊します

台所の机に

四つ切りバット3枚を並べて

2000㏄の現像液(コレクトール)、

中間浴(氷酢酸薄め液)

定着液(フジフィックス)で満たします

壁のセーフライトはオレンジ光で机を照らします

引伸機は冨士B型で、引伸レンズは

ELニッコール50ミリF2、8です。



この引伸レンズの鋭いピントと

高コントラストは好きなレンズでした



プリントする35ミリ、

ネガフィルム(モノクロ)の

一齣をネガキャリアに装填します



引伸機の点灯スイッチを入れると

引伸機のイーゼルに引き伸ばされたネガ像が

投射されます



イーゼルに投射されたネガ像はボケていますから

大体のピントを手で合わせます



ネガ像のトリミングを決めて、イーゼル上に

フォーカス・スコープをセットします

フォーカス・スコープを覗くと

ネガ像の粒状が超拡大されて見えます



引伸レンズを使用するF5、6位に絞って

ネガの粒子でピントを合わせます









多階調印画紙

2012年09月11日 20時47分41秒 | Weblog


銀塩印画紙の思い出をもう少し…

… … …

印画紙にはそれぞれ名前がついていました

冨士フィルムの密着用印画紙ガスライトは

利根(とね)、人像用印画紙は銀嶺(ぎんれい)



写真材料の老舗だった小西六(現コニカ)

六櫻社は、八重(やえ)、御室(おむろ)、染井(そめい)

、吉野(よしの)、深山(みやま)といずれも

桜にちなんだ名前が付けられていました



もう一つ老舗オリエンタル写真の

引伸し印画紙名はシーガルでした



銀塩モノクロ用印画紙には

表面が光沢面のグロッシー

微粒面、絹目、とありました



印画紙のコントラストによって

軟調の2号から硬調の4、5号まで

いろいろありました







多階調印画紙が出現しました

印画紙に硬、軟の乳剤が塗布されていました



引伸し段階で引伸機のフィルターポケットに

特殊なフィルターを入れて

そのフィルターの種類によって

印画紙のコントラストをコントロールできました



1種類の印画紙でコントラストに対応できる

便利な印画紙でした



ポリコントラスト・ペーパーとも呼ばれていました

結局、私は多階調印画紙を使わないまま

デジタル写真に移りました。