■■【日本経済の読み方】 円安効果の功罪 近況のエッセンスをコンパクトにまとめました
◆ 円安効果の功罪 2013/02/08
アベノミクス効果は、株価に顕著に表れているようにおおむね好意的に受け止められています。トヨタが5年ぶりに単独で黒字計上というニュースが流され、その効果を感じた人も多いのではないでしょうか。
私は、トヨタの「ゴキブリ」にむしろ驚いていますが、話が脱線するのでこれに留めておきます。
これまで、このブログで何度か円安の問題点を指摘してきました。その一つがLNGに代表されるエネルギー源の輸入です。
東京電力では「仮にドルに対して1円円安になると、東京電力の燃料費は年間330億円くらい増加する」と述べています。
原材料の高騰だけではなく、燃料費や電力などの動力源も当然上がってきて、それが物価高につながります。
ところが、給料はなかなか上がりません。大企業は、春闘で上がるかもしれませんが、中小企業までその効果が波及してくるには時間差があります。
消費税まで上げられては、ダブルパンチです。
「私費税が上がる前に大型商品の購入を」といいう人もいるかもしれませんが「しばらくは様子を見よう」という慎重派も増えるでしょう。そうなると安倍さんの目論見通り、短期間に景気浮揚をするのでしょうか。
◆ アベノミクス効果がもう経済数値に反映か? 2013/02/01
企業の生産活動を示す鉱工業生産指数が経済産業省から発表されました。1月の鉱工業生産指数は、前月比2.5%のプラスと2か月ぶりに前の月を上回りました。企業の生産活動についての判断を11か月ぶりに上方修正して「下げ止まりの兆しがみられる」と発表しています。
しかし、安心はできません。鉱工業指数がプラスに転じたとはいえ、前年の水準が低いですので、この程度の数値は当然といえます。なぜなら、平成17年を100とした指数で88.9と、依然低い水準のままだからです。
また、アメリカの自動車ニーズから低燃費車として注目され、北米向けに輸出される乗用車の生産が増加したことが寄与していることが中心です。決して、製造業全般が回復しているとはいえません。
一方で、海外の景気の下げ止まりや円安傾向に伴う景況感の好転などのプラス面もあります。しばらくは生産の上昇が続くと予測されます。
アベノミクスの経済対策の効果や最近の円安傾向が生産にどう影響するのか、円安による輸入資材やエネルギーの高騰がどう影響してくるのかに注視したいです。
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