◆ 大型通商交渉と日本 5/6 2013/04/03
NHKのテレビ番組「時論公論」で百瀬好道解説委員が、TPPなど大型通商交渉に関して日本のあり方を解説していました。興味を覚えましたので、そのポイントをまとめてみました。
第1回目 大型通商交渉の規模 第2回目 大型通商交渉を理解する3つのポイント 第3回目 TPP参加反対派の主張 第4回目 ルール作成に間に合うのか
◇ 日本農業を守れるのか
百瀬委員は、次の2項に注目して解説していて、前回はルール作りに間に合うのかについてご紹介しました。
1.後発参加でルール作りに間に合うのか 2.聖域なき完全撤廃が前提ではないというのは本当に大丈夫か
上述2項目の農産物を関税撤廃の例外として勝ち取れるかという問題です。
安倍総理大臣の日米会談で「聖域なき完全撤廃が前提ではない」という確認しました。それを受けて、自民党は米や麦など5品目の関税を堅持することを政府に求めています。
これまでの交渉では、関税の撤廃について、原則は固まっています。しかし、具体的な品目や例外の扱いはほとんど議論されていません。
アメリカが、オーストラリアなどから国内の農業を守るために一部品目の関税を維持したいという強い意向を持っています。
このような現状を見ますと、日本が例外品目を確保できる可能性はあると考えます。しかし、すべての品目を守りぬけるかどうかということは言えません。
百瀬氏は、上記のように解説していますが、直上の部分を自民党はぼかしながら国内世論を味方につけようとしています。
◆ 大型通商交渉と日本 4/6 2013/04/02
NHKのテレビ番組「時論公論」で百瀬好道解説委員が、TPPなど大型通商交渉に関して日本のあり方を解説していました。興味を覚えましたので、そのポイントをまとめてみました。
第1回目は、「大型通商交渉の規模」というテーマで、その影響力の大きさについて、第2回目は「大型通商交渉を理解する3つのポイント」と題して、百瀬委員の解説を中心にまとめました。前回の第3回目は「TPP参加反対派の主張」と題して、何に対して反対しているのか、2つの視点を紹介しました。
◇ TPPルール作成に間に合うのか
百瀬委員は、次の2項に注目して解説していました。
1.後発参加でルール作りに間に合うのか 2.聖域なき完全撤廃が前提ではないというのは本当に大丈夫か
まず、ルール作りに間に合うかどうかの懸念から見てみましょう。
TPP参加国は、2013年年内の決着を目標に、10月までに大筋合意を掲げています。日本の交渉参加時期は、アメリカ政府と事前協議や議会に通告する手続きもあって、今の時点では9月になってしまいます。すなわち極めて短期間の交渉にしか参加できないのです。
しかし交渉関係者によりますと、年内決着は難しいと言われています。スケジュールが遅れれば、日本の意向を取り入れられやすくなります。
関税の削減問題のほか、日本が関心を持つ知的財産権の保護といった重要分野の交渉がこれからのテーマですので、遅い参加とはいえ、まだ交渉できる余地はあります。
スケジュールがらみで、7月に臨時の交渉を行うことも検討されています。日本の参加問題については、閣僚級協議の開催案があり、この場でゴーサインがでますと、7月から交渉に参加する可能性もでてきます。
日本にとって、時間的に厳しいことには変わりがなく、どんなルールに重点を置くのか入念な交渉準備が必要です。
◆ ガソリンエンジンはいつ消滅するか? 2013/04/02
環境意識が高まるにつれハイブリッド車や電気自動車の普及が期待されます。このまま行くとガソリンエンジン車はいつかは消えてしまうのでしょうか、それはいつ頃なのでしょうか、という疑問が湧きます。
この疑問に答えようと調査会社の富士経済が、自動車メーカーや消費者への聞き取りなどを基に予測をまとめました。
2030年に世界の自動車販売数は年間で1億2400万台になるといえます。これは、現在の販売台数に対して50%以上の伸びに相当します。
このうち、電気自動車やモーターとエンジンの両方を使うハイブリッド車の販売台数は合わせて1364万台といいます。これは総販売台数に対して11%です。では、残りの90%弱は、どのようなエンジンの自動車なのでしょうか。
この予測によりますと、ガソリンや軽油で走るエンジンの車は1億1036万台となり、全体の89%に上るという、意外な数値となっています。
私自身は、この調査には相当疑問を持っています。
では、なぜ電気自動車などが増加せず、化石燃料を燃やす現在の自動車が優勢なのか、この調査社のその理由を聞きたいところです。
その理由としては、充電設備の整備などが課題となって電気自動車の普及が伸び悩むということが挙げられています。
一方、ガソリン車などエンジンの燃費性能が向上していますし、アメリカでシェールガス・オイルの開発が進んでいますので、ガソリンの価格が下がることを挙げています。
私がこの予測に対して疑念を持っているのは、技術革新が読み込まれていないことが最大の欠点と考えています。
例えば高速道路ですが、今とは全然異なり、高速道路はリニアモーターで自動車が走るようになると考えます。リニアモーターといってもリニア新幹線のような磁気浮上式ではなく、フラット式のリニアモーター駆動で走る方法です。
リニアは、道路の混雑状況に合わせてプラスとマイナスを切り替え、スピードは混雑状況によりことなります。運転手がスピードをコントロールするのではなく、道路が自動車を制御します。
すなわち、運転手は目的地と、そのルートを設定するだけで、運転するという負荷が大幅に軽減されます。
言うなれば、道路にリニアが埋め込まれていて、走る自動車はハイブリッド車です。ハイブリッドといってもガソリンと電気のハイブリッドではなく、リニアと電気のハイブリッドです。
高速道路はリニアで走りますが、通常道路は電気で走ります。
それでは、大きな電池が不可欠と指摘されそうですが、充電はマイクロ波を使って行いますので、一時的な蓄電能力をもった電池を搭載していれば良いのです。
では、ガソリン車はいつ頃なくなるのでしょうか?
おそらくガソリン車は、原油やシェールガス・オイル他が枯渇するまでなくならないでしょう。ただし、乗用車ではほとんど利用されず、馬力が必要な大型トラックや工事車両などに限定されると思います。
はたして、この予測がどの程度当たるでしょうか?2030年まで私は存命していませんので、私自身では確認できません。読者の皆さん、私の代わりに、私の将来予測が正しいかどうか、確認して下さい。
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