昨日は、海に適応進化した水鳥アビの話を書いた。
今日は、毎日24時間飛びっぱなしで、まるっきり空から下りないという、アマツバメの話。
ヨーロッパアマツバメは、繁殖期を除く9ヶ月もの間、空を飛びっぱなしで、全く羽を休めることが無い。
地上に下りず、何かにとまったりもせず、ずっと空中を飛んでいるという。
アマツバメは、飛びながら、空中の虫を捕食する。
水を飲みたければ、水面すれすれに飛び、下クチバシですくい取って飲む。(日本のツバメも同様にして水を飲んでいる)
夜になると、2000mの上空に舞い上がり、羽ばたきを混ぜて滑翔しながら眠る。
繁殖期には空中で交尾をする。
巣づくりは、飛びながら空中に漂っている僅かな羽毛などを集め、唾液と混ぜて巣材にする。
営巣は崖の上や、高い建物の上部を利用するものの、この繁殖の一時期を除けば、毎日24時間、ずっと空を飛びっぱなしだというのである。
アマツバメの足は小さく退化していて、木の枝や地面に下り立つことが出来ず、樹の幹にとまるキツツキのような姿勢で、垂直な壁面に爪を引っ掛けてとまることしか出来ない。
学名はApus apus。Apusは「足が無い」というギリシャ語に由来するらしい。
まさに空の申し子のようなアマツバメだが、それにしても、9ヶ月間も飛びっぱなしというのは、ちょっと信じがたい。
魚の話になるが、かつて、サメは休まずに一生泳ぎ続けるという説があった。
しかしこの説は、海底にとどまって眠るサメが発見されて、あっけなく覆されてしまった。
ヨーロッパアマツバメも、9ヶ月間ずっと監視したわけではあるまい。
そのうち、何処かでサボっているのが発見されそうな気がする。
日本のアマツバメが虫を捕らえる瞬間/北海道
高速で飛び回るハリオアマツバメ/北海道