今日から大相撲が始まった。
晩酌しながらの相撲観戦は楽しいのだが、流血相撲が後半だけで2つあった。
自分が子供の頃の大相撲は今のように激しくはなかった。
子供心にも、「怪我をしたらオシマイ」の力士たちは互いに気遣っているのだろうと思ったものである。
最近は、「無気力相撲」が減りガチンコが増えたお陰で面白くはなったが、怪我人が激増している。
多くの力士は、土俵上での戦いよりも、怪我との戦いに苦心しているように見える。
頭突き、かち上げ、張り手、土俵下への転落・・・相撲は荒々しい格闘技なのに、主役である力士の健康を守ろうという動きが感じられない。
1年6場所、連続15日間・・・他の格闘技と比べて働きすぎではないだろうか。これはガチンコの少なかった時代に出来上がった興行優先の労働慣行ではないかと思う。
土俵の高さは60センチもあり、重量級の力士は上り下りだけで負担になる。照ノ富士のような膝痛持ちが土俵を下りる様子は痛々しい。
大型力士が、もつれあって土俵下に転落するのは危険極まりない。俵の外に出た瞬間に「勝負あり」なのに、その先に60センチの崖が待っているのは理不尽でしかない。ボクシングやプロレスならリングの周囲にあるロープが、大相撲の土俵にはない。
土俵の高さを問題にすると、一部の年寄りから「ケガをするのは稽古不足のせい」「60センチの落差があるから受け身の姿勢がとれる余裕が生まれ、逆に安全だ」などの反論が出るらしい。
両膝を手術した照ノ富士は今場所も休場となった。
相撲観戦は楽しいが、同時にいつも力士の健康が気になる。
.