ごっとさんのブログ

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正社員という働き方

2016-06-02 10:29:03 | 時事
このところ新聞に「働き方」というテーマで連載されています。この正社員ということも数回取り上げるようですが、その1回目で主に読者からの投稿が掲載されていました。

私はすでにすべての仕事を辞め、自宅で内職程度の仕事をしているだけですので、もう労働問題は私自身とは無関係になっているのですが、何となく興味を持って記事を読んでいます。私も勤務している間は、かなり特殊な職種ではありましたが、いわば一生働き続けたので、これからの労働環境などに興味があるのかもしれません。

今回の「正社員」というのは、特に明確な定義があるわけではありません。たぶん期限を区切った雇用ではなく、長期雇用を前提とした社員というようなあいまいなものかもしれません。

日本の正社員の根幹となっているのが、新卒一括採用という制度です。中途採用で正社員というのは当然ありますが、たぶん数はそれほど多くなさそうです。この新卒一括採用というのは、日本の労働制度という観点からも大きなメリットがあります。

学校を卒業してすぐ採用するのですから、企業人としてはいわゆる「素人」とみなされています。これは採用する側もされる側も素人であることが当然と受け止めています。したがって採用した企業が5年、10年という年月をかけて、一流の企業人となるよう教育していくというのが、昔から続いている制度といえるでしょう。

こういった企業内教育制度があるから、新入社員も徐々に自分の企業というものに愛着を感じ、一つの集団としてまとまっていくような気がします。このように仕事をしながらいろいろ覚えていくというのが、効率の良い教育であることは確かです。しかしこういった教育制度は、終身雇用的なものが背景にあることは確かです。ですからこの流れに乗りそこなった人たちは、いつまでたっても素人のままになり、あとから割り込むことが非常に難しくなってしまいます。

この日本的な企業内教育制度を変えるのは、かなり難しいでしょう。現在は大学であってもわずかな専門教育があるものの、基本的には基礎教育です。ですから卒業した時には、企業の戦力になるような人材を育てるためには、それこそ抜本的な改革がなければできません。私は日本特有の、企業が教育をして企業人を育て、その人たちが正社員になるという今のシステムはかなり良いものと感じています。

ただこう言ったことが役割分担がはっきりせず、長時間労働の温床になっていることも確かです。日本の労働政策は、いまだに企業内教育を前提にしていますので、根本的な改革は難しいような気もします。