ごっとさんのブログ

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水素水はニセ科学か

2016-06-03 10:37:26 | 健康・医療
1か月ほど前にこのブログでも水素水を取り上げましたが、最近ネットなどで水素水がニセ科学であるという指摘を見かけるようになりました。

こういった記事を読んでみると、いろいろな大学の先生が、「いろいろな病気に効果があるとされているが、それを裏付けるデータが全くない」という趣旨の発言をされています。こういった発言をいろいろ集め、「水素水はニセ科学である」という結論を出しているようです。

この内容を否定するわけではありませんが、これではニセ科学という範疇にも入らないような気がします。これは単に誇大広告というべきでしょう。本来ニセ科学というのは、科学的に良いことが立証されていることを利用して、少し異なる方法でも効果がありそうに錯覚させるといったものです。

例えばコラーゲンは、肌の潤いを保ちみずみずしい肌を作り、これは年齢とともに減少する。これは科学的にも証明されていることです。そこでコラーゲン製剤のようなサプリメントが出るわけですが、これは明らかなニセ科学です。

コラーゲンはやや特殊なたんぱく質ですので、食べたり飲んだりすると、腸で消化されアミノ酸にまで分解されてから吸収されます。腸管というのは大きな分子を吸収することはできませんので、コラーゲンがそのまま体内に入ることは全くないのです。

また化粧品でコラーゲンを謳ったものもありますが、これはコラーゲンに非常に良い保湿作用がありますので、潤った肌になることは確かです。しかしこれによって減ってきたコラーゲンを補充することはできません。人間の皮膚というのは非常に吸収性や透過性が悪く、ほとんどの薬物を通すことはないのです。

こういった吸収という一つの要素を無視したサプリメントなどは非常に多く存在します。例えばコンドロイチンやヒアルロン酸などは、実際に関節に注射して膝の動きを滑らかにする効果などが確認されています。しかしこれは多糖類に属する非常に大きな分子ですので、飲んでも全く吸収されません。

こういった「ニセ科学」といえるものは健康食品には多数存在しています。そういった中でなぜ今回水素水が取り上げられたのか分かりませんが、あまりにもいろいろ宣伝されすぎたのかもしれません。しかし水素水の実際の効能試験も進んでいるようですので、飲んでも全く効果がないかは、もう少し様子を見てもよいような気がします。

私はこういった健康食品的なものは否定派ですが、ある程度は認めてもよいという意見ですので、そのあたりまた書いてみます。