ごっとさんのブログ

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脳が微生物によって操られる? 神経寄生生物学

2017-05-02 10:44:56 | 健康・医療
人間の性格や行動が、腸内や脳などに住む寄生生物によって操られているという本が出版されたようです。

私はこの本を読んだわけではないのですが、そのトピックスが紹介されていました。これはマコーリフ著「心を操る寄生生物」という本で先ごろ刊行されたようです。

まず、世界中で3人に1人が感染していると言われるトキソプラズマ原虫です。この微生物は主にネコからヒトへ感染し、脳に住み着くと言われています。医学的には感染しても妊婦などでなければ問題はないとされていました。しかし心理学者や神経科学者らの研究では、ヒトの気分や性格を変えてしまい、危険な行動をとってしまったりすることが分かってきました。

また統合失調症ともかかわりがあり、トキソプラズマの居ついたニューロンでは3倍以上ものドーパミンを生産しており、これが統合失調症と関連があるということでした。

またイヌからヒトの脳へ感染すると言われているトキソカラという回虫は、脳内の学習と記憶に関わる領域に集まり、学習能力の低下を引き起こす可能性があるとも言われています。

腸内細菌は健康に大きな役割を果たしていることは確かですが、体だけでなく、心にも重大な影響を及ぼしているようです。これに関する衝撃的な動物実験があります。

マウスの一方に物静かで交流嫌いの系統を作り、もう一方のマウスは活動的で社交的なマウスの系統を作ります。このうちの一方の系統のマウスを無菌マウスとして、もう一方の系統のマウスの腸内細菌を移植したのです。その結果マウスの性格がすっかり入れ替わってしまったとしています。これは腸内細菌が作り出す神経化学物質が変わったためとしているようです。

最近ではこうした腸と脳のつながりを利用して、鬱や不安を和らげるプロバイティクス(有用菌を含む製品)の活用試験も始まっています。

腸の神経系は「第二の脳」と言われますが、もともと細菌が腸に住み着き始めたころは脳など発達していなかったという歴史もあるようです。つまり脳は「第二の脳」の重要指令に従う出先機関に過ぎなかったのかもしれません。また脳の構造自体が、腸内の優勢な微生物の種類と関わっているという研究もあります。

なんと頭部のMRIから、その人の体内でどんな種類の微生物が育っているかを予測できると言います。その他嫌悪と病原体検知などいろいろ腸内細菌は人体に影響を及ぼしているようです。

ここに書かれていることはややこじつけではないかと思われるようなこともありますが、腸内細菌が健康だけでなく精神的にも色々影響を及ぼしていることは確かなのかもしれません。