ごっとさんのブログ

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食品の賞味期限と医薬品の使用期限

2017-05-25 10:42:28 | 
医薬品の大鵬薬品工業が、20~50代の男女を対象に薬の使用に関する意識・実態調査を行い発表しました。

この結果によると、「薬の使用期限を気にしているか」の問いに半数が気にしていない(50%)と答え、女性41%、男性60%と男性の方が気にしていないということになりました。

さらに食品の賞味期限は気にする人でも、薬に関しては無頓着になりがちなようで、賞味期限を気にすると答えた人の41%が薬の使用期限を気にしていないと回答しました。また飲み薬と塗り薬では、使用期限を確認しない人が塗り薬では68%にも上ったようです。この理由は飲むのではないから大丈夫だろうがほとんどでした。

この企業は使い切り塗り薬の発売のための調査の様で、塗り薬についていろいろ聞いています。私にしてみると薬の使用期限を気にしている人が(飲み薬を含めて)半数もいることの方が驚きでした。

もともと薬に使用期限が書いてあるのを見たことがありません。今回手元にある薬(吸入薬)を調べたところ、先月貰って来たものに2019.02という表記がありましたので、約2年間ぐらいが使用期限なのかもしれません。

私は医薬品の開発現場にいたわけですが、薬を作る立場からすると、室温ぐらいで少しでも分解するような化合物は薬として開発できません。実験室の戸棚の中から前任者の作ったサンプルが出てきたりしますが、十数年経っても全く分解していることは有りませんでした。

特に製剤の過程を経ますとより安定性が増加する方向になります。この試験の中に長期安定性試験や、加速安定性、過酷安定性試験などがありますが、具体的な温度や湿度条件は分かりませんがこういった試験で分解することは全くありません。特にシートの中に入っていれば、極端に言えば半永久的に持つものと考えています。

むしろ塗り薬のほうがワックスなど色々な成分が入っていますので、そういったものの分離や不溶物が出たりする可能性があります。それでも薬自身は壊れるわけではありませんが、使う気にはならないでしょう。

私は常備薬的なものがあり(実際飲むことはほとんどないのですが)常に小さな袋の中に入れポケットに携帯しています。たぶん年単位の時間が経つと、シートのほうが破れ薬が見えたりしますが、そうなると新しいものと交換しています。

今回の調査では、1週間で使い切れるような塗り薬の需要も調べていますが、そういったミニサイズの物があれば使うといった意見が多かったようです。塗り薬の場合は患部の大きさ等により、人によって使用量は大きく異なりそうですが、どんな量の塗り薬を出してくるのか使用期限問題とは別な興味もあります。