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薬の副作用についての考え方 その2

2022-01-03 10:34:57 | 
1か月ほど前にタイトルの薬の副作用の考え方について、降圧剤であるACE阻害剤を例として、私の考え方を書きました。

ここではその続きとして、高脂血症治療薬として最も使われているスタチン系薬剤を例とします。

高脂血症は主にコレステロールが溜まることで、血管壁に付着し動脈硬化の原因になったり、脳梗塞や狭心症などの原因になるといわれています。

コレステロールは食事によって摂るだけではなくヒトの体内で合成されますので、それを抑制してコレステロールを減らすのがスタチン系薬剤です。

しかしコレステロールは副腎皮質ホルモンに代表される様な各種ホルモンや胆汁中に含まれ脂質の吸収を助けるコール酸などの出発原料となる重要な化合物です。こういったコルチゾールやアンドロステンなどは、抗炎症作用を始めとする多様な生理活性を示し、生体のバランスをとる重要な働きをしています。

こういった副腎皮質ホルモンを参考にして、非常に多くのステロイド系薬剤が作られていますが、これは別なはなしです。プラバスタチンに代表されるスタチン系薬剤は、コレステロール合成酵素のうちの重要な段階を阻害し、体内で作られないようにする作用です。

この薬を飲むとコレステロール値は下がり、重篤な副作用は報告されていません。血中コレステロールが下がるといっても、0になるわけではありませんので、必要なホルモン類などは作り出されるはずで、問題はないのかもしれません。

しかし長期間スタチン類を服用していると、これに阻害されないようなルートでコレステロールが作り出され、薬が効かなくなってきます。つまりヒトの身体はコレステロールを作らなければいけない仕組みになっているのです。

これは私の単なる推測ですが、食物から吸収されるコレステロールと、体の細胞で作り出されるコレステロールでは、有用な物質を作る原料として区別しているのかもしれません。

生体のメカニズムは非常に合目的となっており、無駄なものを作ったりすることはないようにできています。コレステロールが別なルートで作られるようになるということは、その必要性があるためと考えても良いような気がします。

つまりスタチン系の薬剤でコレステロール合成を止めてしまうのは、何らかの体にとって不都合が生じるということではないでしょうか。

この薬剤で副作用が無いということは、症状に出るほどの不都合ではないものの、何らかの悪影響があるといえるような気がします。

もし中性脂肪が高くなったら、食事に注意して下げることを試みるべきで、安易に薬に頼るのは控えるのが正しいと考えています。


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