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ガン医療の評価は7.9点

2020-11-03 10:25:12 | その他
国立ガン研究センターは10月、ガン患者の診療体験や療養生活の実態を把握するための全国調査の結果を公表しました。

国のガン対策推進基本計画に基づき、ガン対策の進行状況を評価するための基本的なデータとして、現状を把握し今後のガン対策への反映に役立てるのが狙いです。

総合的な評価は一定の水準にある一方で、医療者と患者のコミュニケーション不足が示唆される内容も少なくありません。AYA世代と呼ばれる若年患者(15〜39歳)への支援の必要性も改めて示されました。

調査は2019年1〜7月に実施し、ガン登録実施施設の中から抽出された166病院、2万人余りに調査票を送付し、7080人を解析の対象としました。今回のガンの診断・治療全般について総合的に0から10で評価すると何点かという設問に対しては、平均7.9点という結果でした。

また納得のいく医療選択ができた(79.0%)、専門的な医療を受けられたと思う(78.7%)、これまでに受けた治療に納得している(77.3%)と8割近くが肯定的な答えでした。

治療法の選択にあたって別の医師の意見を聞くセカンドオピニオンについて、治療前に担当医師から話があった人は34.9%で、実際にセカンドオピニオンを受けた人は19.5%でした。

40歳未満の男女で、治療前に妊孕性への影響に関して医師から説明があった人は52.0%、実際に温存の処置を行った人は8.9%でした。また診断時に収入のある仕事をしていた人に対して、治療開始前に就労の継続について医療スタッフから話があった人は39.5%でした。

公表にあたって記者会見した同センターは、医療者が患者に情報をしっかり伝えることが重要だとしたうえで、回答は患者がどう受け止めたかということであり、医療者は言っていてもそれが患者に伝わっていないケースも含まれているなどとして、医師と患者のコミュニケーションのあり方の課題を指摘しています。

分析によると、特にAYA世代の患者は、経済的な負担により治療を変更または断念した割合が11.1%と、一般のガン患者(4.8%)に比べ倍以上高くなりました。医療スタッフと十分な対話ができたかや、身体的なつらさを相談できたかなどについて、他のグループに比べて低い結果が示されました。

AYA世代のガン患者では、女性が8割を占めることも解釈において考慮すべき点であるとしています。今回の調査結果を見ると、ガンに対する医療体制は比較的良い状態になっていると考えられます。

私は以前から医師が持っている「驕り」のようなものが若干気になっていましたが、医師と患者は基本的には対等にはならないものなのかもしれません。こういった調査は医療側でもなく患者側でもない第三者が行うとまた違た側面が見えてくるのでしょう。


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