この曲を初めて聴いたときは、それが深夜で独りだったこともあったと思うが、何かちょっと未知の異世界に引き込まれそうな感じがして、美しいと思いつつ、少し怖くもなったことを覚えている。だから、「私の好きな曲」というカテゴリーには馴染まないかもしれない。しかし、他の楽器には例えられないその不思議な音色に魅了され、しばらく毎日のように聴いていたことがある。数日前、何年ぶりかで聴いてみて、以前のような恐怖感が湧き起こることもなく、その独特な魅力を「無事」鑑賞することができた。特にロンドのほうは、舞曲ということもあり、蝋燭の光があちこちに揺らめいているお伽の国の扉が開かれいくような不思議な浮遊感を与えてくれる。
アダージョのほうは、以下のサイトで視聴できる。こちらのブログには、曲と楽器についての簡単な説明とプロの演奏の動画が貼ってある。こちらとこちらの動画では、グラス・ハーモニカの原理がわかる興味深い演奏を視聴できる(こう書いてリンクを貼りながら、つくづく便利な世の中になったものだなあとまた思う。それに慣れ過ぎるのもどうかと思うときさえしばしばあるが、講義の準備などでは本当に助かる)。