日本に留学する学生たちが申請するさまざまな奨学金の審査の一環として行われる日本語での面接試験のトレーナーの役割を学科内で数年前から引き受けている。というのも、過去私が指導した学生は全員合格しているという実績があり、そのことが学科長から学生に伝えられたり、学生間で噂になったりして、模擬面接の依頼が毎年この時期になると来るようになった。
今朝も二人指導した。指導は一回30分から一時間、二回セットで行う。一回目は面接上のさまざま注意点を学生に伝え、それを踏まえてプレゼンテーションを準備してくるように伝え、ニ回目に模擬面接を行う。今日の一人目は一回目。出願願書に日本語の間違いが目立ったので、それを一緒に訂正しながら、表現上のアドヴァイスをし、さらに面接試験での三つの重要ポイントを示し、それらの点について予想される質問に対する答えを次回までに準備してくるように伝えた。模擬面接は月曜日に行う。もう一人は今日が二回目。一回目は先週金曜日だった。この学生は抜群にできる学生で、私が指導しなくてもほぼ合格間違いなしなのだが、本人が心配性で細かい点を気にしすぎるので、そんなことは大して重要ではない、小さい間違いは気にせず、自信をもって面接に臨め、と励ますだけで、あとは本人に自由に日本語で話させ、リラックスさせた。
私自身は大学でポストを得るまでに四回最終審査のオーディションで落とされているが、その苦い経験を通じて鍛えられもした。現在のポストを得たのはちょうど十年前だが、そのときのオーディションでのプレゼンテーションはまさに会心の出来であり、後で審査員長からプレゼンテーションとその後の質疑応答が最終決定の決め手だったと教えてもらった。そのときに身につけた面接に臨む際のいくつかの心得は、学生たちの面接試験にも適用可能であり、学生たちにはそれを噛んで含めるように「無償で」伝授している。
三年ほど前、あるシンポジウムでそのことが話題になり、他大学の先生から「うちの学生も指導してよ」と頼まれたのだが、「他大学の学生は有料ですよ」と冗談半分に断った。
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