昨日、不意打ちをくらうように、私にとって日本に行くことはどこかに「帰る」ことなのかと聞かれた。そう聞かれてとまどった。もう帰る場所などないからだ。
かといって、フランスに骨を埋めたいとも思っていない。それはまっぴらごめんだ。なぜか。私にはフランスに「根」などないからだ。
そう、私はどこにも帰る場所がない。だからって、感傷的になっているのでも、鬱々としているのでもない。「そうなんだからそうなんだ」というだけのこと。強がりでも虚勢でもない。「無思慮」「身から出た錆」「自業自得」等々、私にそういう言葉を投げつけたい人は、どうぞ、そう言えばいいだろう。あなたたちとは私はもう二度と言葉を交わさないだろう。
「絶対にフランスでは死にたくないから、日本のどこか、自分が住んでみたいと思う街で最期を過ごせれば、それでいいかな」という、要領を得ない返事でその会話は終わった。
ああ、こんな話はどうでもよい。
その後二人で行ったレストラン L’imaginaire は最高だった。ストラスブールの中心街からかなり外れた、こんなところにと驚くような場所にこの素敵なレストランはある。ストラスブールの中心街には確かにいくつかの名店はあるし、全体としてレベルは高い。でも、観光とは無縁の小さな街にあるレストランで創意あふれるヌーベル・キュイジーヌを味わいたければ、ここ、お薦めです。ただ、財布の紐は相当緩める必要があります。でも、それだけのこと、あります。
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