昔の日記をめくっていた。
大阪に居る頃(91~96)の中のうち、1992年の年末にこのセリフが、本から転記されていた。
不安定な日々。
親父を憎んで数十年。
自分の父親が早く死ぬのを何度祈ったことだろう。
今(2006)未だ親父は嫌いだが、そこまでの感情は無くなっている。
「もうすぐ死ぬとばかり思って、死ぬことで彼の一生をくくろうと、ぼくはしてきたけれど、このぶんでは、なかなかくくれそうもない。
父親の一生がくくれないならば、ぼく自身の生の実感が、何ひとつくくれるわけがない。」
色川武大 「ぼくの猿 ぼくの猫」より
■これは、「百」という単行本【写真】に収録されてます。
<「百」の書評より>
「おやじ、死なないでくれ―、と私は念じた。彼のためでなく私のために。父親が死んだら、まちがいの集積であった私の過去がその色で決定してしまような気がする」百歳を前にして老耄のはじまった元軍人の父親と、無頼の日々を過してきた私との異様な親子関係を描いて、人生の凄味を感じさせる純文学遺作集。川端康成文学賞受賞の名作「百」ほか三編を収録する。
大阪に居る頃(91~96)の中のうち、1992年の年末にこのセリフが、本から転記されていた。
不安定な日々。
親父を憎んで数十年。
自分の父親が早く死ぬのを何度祈ったことだろう。
今(2006)未だ親父は嫌いだが、そこまでの感情は無くなっている。
「もうすぐ死ぬとばかり思って、死ぬことで彼の一生をくくろうと、ぼくはしてきたけれど、このぶんでは、なかなかくくれそうもない。
父親の一生がくくれないならば、ぼく自身の生の実感が、何ひとつくくれるわけがない。」
色川武大 「ぼくの猿 ぼくの猫」より
■これは、「百」という単行本【写真】に収録されてます。
<「百」の書評より>
「おやじ、死なないでくれ―、と私は念じた。彼のためでなく私のために。父親が死んだら、まちがいの集積であった私の過去がその色で決定してしまような気がする」百歳を前にして老耄のはじまった元軍人の父親と、無頼の日々を過してきた私との異様な親子関係を描いて、人生の凄味を感じさせる純文学遺作集。川端康成文学賞受賞の名作「百」ほか三編を収録する。