こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

好きな詩・セリフ : 安部公房 「箱男」

2006-07-24 20:19:10 | 詩、セリフ・・・そして、コトバ
「ふと思い出した嫌な記憶。

あれは小学校の学芸会のことだ。

おおよそ人気とは無縁だったぼくが、たぶん誰も引受け手がなかったせいだろう、小さな役を一つまわしてもらえたのである。
「トンマ」という名の馬の役だったが、それでもぼくは興奮のあまりはしゃぎまわった記憶がある。

ところがいざ舞台に上がってみると、短いほんの一か所だけのせりふが、なぜかどうしても出て来てくれないのだ。
あきらめて退場しかけると、馬の飼い主役だった同級生が腹立ちのあまり、ぼくを蹴飛ばした。
ぼくも負けずに腹を立て、蹴り返してやると、相手は床に頭を打ち付けて気を失った。

その後、劇がどんなふうに中断したのかは、まるで覚えていない。
ただぼくがひどい近視眼になり、けちな親から眼鏡をせしめたのは、それから間もなくのことだった。

暗いところで、わざわざ活字の小さな本や雑誌を、顔すれすれに寄せて読みふけったせいである。

見ることからも、見られることからも、ただ逃げ出したかったのだ。」

(安部公房 「箱男」より)


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好きな詩・セリフ : 斉藤由貴 「このまま」 '91

2006-07-24 00:15:20 | 詩、セリフ・・・そして、コトバ
実は、かたちんばは、斉藤由貴のファンだった。
大阪に居る頃、90年代初頭、日曜日の午後には、斉藤由貴のラジオをよく聴いていた。
そんな90年代初頭出たCD「LOVE」【写真】はよく好きで聴いた。

1992年5月の日記には、彼女自身が書いた歌詞がメモしてあった。

「世界が終わろうとしてる
なのに、僕らは、別々の家に帰る」
(斉藤由貴 「このまま」より)

時折、BookOffでも見かけるが、いいアルバムなので、
是非聴いて欲しい。
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