【こちらは、さすらいの「ボンカレー」】
小中学生の頃、レコードは高価品で、概ねラジオの「エア・チェック」に専念していた。
お小遣いではレコードが沢山買えない分、カセットテープが替わりになる大事なメディアだった。
そんな時代、三ノ輪の王電通りの向かい=パチンコ屋隣の楽器屋兼レコード屋さんの店の軒先で、
雨風にさらされ、マッチ売りの少女・こげぱんのように買ってくれる人を黙って待っていたのが「BON」テープだった。
価格は1本100円。
本音は信頼感あるTDK ADやマクセル UDが欲しい所、400円後半~600円台する彼等を起用するのには覚悟が要り、この数百円差に迷った挙句、断腸の思いで「BON」テープを買う事が、洋楽聴き初めには多かった。
それはやむない選択,選手起用だった。
「BON」テープのデザインは、今思えばくすんだ金&深緑の色合いから中国生産を思わせたが、製造会社表記すらなかった。
MZ師は「あのテープは伸びたり絡まっかたりでラジカセから取り出すのに難儀した」と言っていたが、自分の事故は1回だけ。
深夜、ポーズボタンを駆除し、CMカット編集した珠玉の逸品「幸宏のオールナイトニッポン」を余りに聴き過ぎた故の事故。
耐久性からの寿命だった。
しかし多摩在住MZ師と距離置く三ノ輪のかたちんばが同じ「BON」テープを使っていた事から・・・・
この正体不明のテープのカバーエリア・生産、及び、流通経路は如何に?
音楽好きの謎の逸品なり。
今でも、昔の音を詰め込んだ「BON」テープは他の仲間達と一緒に温度&湿度に配慮され、共に暮らしている。