国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

デミデック(Demi Deck) by Angelo Carbone【mML 齋藤】

2024-07-27 15:08:14 | マジック

【mML 齋藤】Demi Deck by Angelo Carbone

●マンスリーマジックレッスンのスタッフ齋藤氏による実演動画。

 日本人によるデミデックの実演動画は珍しいのではなかろうか。 

●まして、フル手順である。半分ねじれた状態を示すところを実演してくれるところはありがたい。

●ちなみに手作りできるという方もいるかもしれないが、どうしてどうして。

 なかなかの凝った作りになっている。

 まず、手作りでは不可能な部分がある。

 少しでも角度を強くする工夫が随所にある。

●こういう一発ネタになりかねないマジックに手順を付けたのもえらい!

 そのためのギミックや解説がきちんとされている。

 オンラインの解説動画から理解可能かと。

デミデック、マンスリーマジックレッスンで現在予約販売中

 購入して損なしですよー。

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医学部小論文の攻め方

2024-07-27 09:49:27 | 国語

小論文指導で常々思っているのが、書き方にこだわっている人が多いということだ。

生徒さんだけでなく、教える側でも事情は同じだ。

むろん、わたしも御多分に漏れない。

自戒、自戒。

で、だ。

何を言いたいかというと、書き方よりも攻め方を意識したほうが良い小論文が書けるのではないかということである。

まずは「徹底的に考えること」である。

『私のヒーローたち』についての小論文を具体的な設問として解いてほしいが、「徹底的に考える」生徒が報われるという仕組みである。

解説内にも書いたが、「徹底的に考えること」なぞ、高校生に書けるわけがないと決めつけている教師がいた。

おそらく生徒に教えるときに自分が「徹底的に考える」のが嫌なのだろうと愚考する。下衆の勘繰りというやつである。

が、だ。

教科試験と同じ程度に頭を使うのは当然であるべきだし、入試で徹底的に考えられない人間は合格すべきではないと思う。

そのために必要なのが思考のための「道具」いや「武器」なのである。

「武器」は多ければ多いに越したことはないが、それ自体はなくても「徹底的に考える」ことで応用して問題に取り組むのである。

包丁がなくとも、ナイフで代用したり、不格好でもよいから食卓のナイフを用いたりするのである。ときに鉛筆を斧で削るのである。

イメージはわかってもらえるだろうか。

小論文の「武器」、それも書き方(これも「武器」だ)以外の「武器」について考えてみよう。

たとえば、以下の例題をどう解くであろうか。

ここでは徹底的に考える、武器を使うが話題なので、解答例はなし。

 

 

あなたにはこれまで3年間真剣なお付き合いをしてきて、来年くらいには結婚の約束をしている彼ないしは彼女がいるとします。ところが2カ月前にふとしたことで知り合った別の人が好きになってしまい、今付き合っている人と別れる決心をしました。600字以内でお別れの手紙を書いてください。(愛知医科大学)

 

 

●これはネットでは小「論」文じゃないとか、恋人のいない非リア充には地獄のような問題だとか言われたが、以下の武器を持っていれば解決である。

「医科」大学の問題なのである。[

 

医師は医療を受ける人びとの人格を尊重し、やさしい心で接するとともに、医療内容についてよく説明し、信頼を得るように努める。(『医の倫理綱領』より)

 

●要は「人格を尊重」「やさしい心で接する」「よく説明」「信頼を得る」、これらを満たした解答を考えていくのである。なぜ、手紙形式かは後述。

さて、上記『医の倫理綱領』を知らない人間はどうすべきか。

「インフォームド・コンセント」について知っていることを活用するのである。

ここで医系小論文を、医学部進学を考えている人で「インフォームド・コンセント」を知らない人はいないだろう。いないと信じる。

一応、Wikipediaの冒頭部から引用すると

インフォームド・コンセント(英: informed consent)とは、「医師と患者との十分な情報を得た(伝えられた)上での合意」を意味する概念。 医師が説明をし、同意を得ること。

なお、Wikipediaでは嫌だという人のためには「インフォームドコンセント(医師等が医療を提供するに当たり適切な説明を行い、患者が理解し同意すること)」という記述が厚生労働省告示第六十五号にあるよ。厚労省の定義だとほっとする?

あ。Wikipediaの方は「理解」が抜けているな。よくないなあ、Wikipedia。

で、だ。

これを手掛かりとしても先の小論文は解答できる。

自分が持っている知識から「人格を尊重」「やさしい心で接する」「よく説明」「信頼を得る」をできるだけ導き出すのである。

●ここで想像力が必要である。

 「恋人」を誰と想定するかである。

 ここは即答できなくてはいけない。

 「患者」である。

●「恋人=患者」に最終宣告を告げるのである。

 思いきり単純化していうと、「あなたは末期ガンだ」ということを患者に伝える能力はあるか。

 これを採点したいのである。

●なぜ、「手紙」なのかも「徹底的に考え」ておきたい。

 一人称でどれだけ語れるかである。

 そして、「手紙」の読者は相手=恋人(=患者)だけなのである。

 「インフォームドコンセント」の知識がWikipediaの冒頭部分程度しか知識がないとしても『医の倫理綱領』の見出しとほぼ同じことが導けると思う。

 

<「武器」の集め方>

●医系に限って(一般的な小論文も医系で出ることもありえるので注意)言うと『医の倫理綱領』はかなり良い。

 下手な参考書を読むより日本医師会の方が信頼はできるであろう。

 ちなみに新聞を根拠に指導している方は医師に厳しい授業・講義になっていることが多いので注意。

 新聞を根拠にして指導している講師が実際にいたのである。

 ほとんど、医師批判。これでは採点者もめげるか、むっとするだろうなあと思ったものだ。

日本医事新報社は暇つぶしに読むには面白い

●大学のホームぺージ(必要とされる人間像がわかりやすい)、病院のホームページなども良い。

●看護などのコメディカル関係の立場の視点・情報も収集しておくこと。チーム医療下ではコメディカルに対する理解も重要。

●具体例につかえるので事実も知っておくこと。

●1冊くらいは読書をしておこう。講談社現代新書、岩波新書などが手ごろかな。あまり、医療に批判的な本は避けた方が良いかも。

●医系の小論文の参考書で収集しきれていない情報をチェックする。

<武器の整理の仕方>

●ノートか大きめの情報カードを用意する。

●気になった情報をメモ書きしてから文章にする(小論文の練習になる)。

●1項目につき1枚か1ページを用いる。余白が大事

●一日に3項目くらいを他教科の学習の息抜きとして行う(書く速度があがる。月に100項目近い武器が入手できる)。

●あとで知った同類の情報の追加をする。あるいは下手な日本語の項目を書き直しても良い。だから、余白が大事なのである。

●読み直す。

 

以上が今後の学習のヒントになれば嬉しい。

 

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