旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

フィレンツェからキャンティの里へ

2012-07-23 16:51:29 | イタリア
フィレンツェ連泊の中日。午前中市内観光。大聖堂の中にある時計は日の出をⅠとしてはじまり、今の時計と逆周りに針一本で動いていく。中世には都市毎に時間の数え方が違うのもある事だったのだそうだ。
周囲四隅の顔はパオロ・ウッチェロによる15世紀のフレスコ画。遠近法に系統していたという彼の作風は元祖キュビズムと形容されたりする。
※今回の観光中、ウフィッツィ美術館でこのウッチェロ作の「サン・ロマーノの戦い」が修復を終えて再展示されていた。以前はなんとなくくすんだ色合いだったのが、見違えるような色になっている。展示され方も、以前の太陽光の部屋でのボケた雰囲気ではなく、暗闇にスポットライトという、この手の中世絵画にはより好ましい環境になっていた。
このままの展示でいてくれれば良いのだけれど、次回はさてどのような展示に変わっているのでしょうか…おねがいしますよ、ウフィツィ美術館さん。

午後から希望の方をキャンティワインの酒蔵見学へお連れする。フィレンツェからシエナ方向へ三十分ほど走ると、もう元祖キャンティワインの里。
この見学はオプションではなく追加料金なし。内容も行くに値するとおもうのだが、フィレンツェ半日だけの自由行動だとお買いものに走ったりする人も多く、今回四名だけの参加。
ヴェッキオ・マッジョという歴史ある酒蔵は、ワイン畑の中の小高い丘にある。はじめに熟成中のワイン樽の部屋。
キャンティ・クラシコというのはこの限定された地域でとれたサンジョベーゼ種のぶどうを80%以上使用している事が条件となっている。キャンティ・クラシコの証はこの黒い鶏マーク。
酒蔵の上にあるレストラン兼小規模なペンション。中央の塔はそのルーツを9世紀に持っているそうな。
かのレオナルド・ダ・ヴィンチもモナ・リサを描いていた時期に二カ月間逗留したとされる。
丘のうえから小さな村と畑が見渡せる。ここはフィレンツェのライバル都市シエナとの国境だったのでその見張り場所だった。
少し下へバスで降り、試飲をさせてくれる。一緒に出されたハムやチーズがとてもおいしい。
今日はご種類。アペリティフになるロゼ、キャンティ・クラシコ、スーパートスカンと言われるサンジョベーゼ種の割合を減らしたもの。それに上のヴィラに隣接した礼拝堂に葬られているかつてのここの所有者アゴスティーノ・ペトリの名を冠したキャンティ。

午後五時過ぎにフィレンツェのホテルへ帰着。
夜は自由食なので、せっかくだからおいしく食べに行こうじゃありませんか。何度か行った店の定番メニュー「ズッキーニサラダ」は、トリュフ風味のオリーブオイルとパルメザンチーズ、それに松の実が少々乗っている。おいしいキノコのグリルとパスタ季節の野菜をフライにしたものは揚げすぎていなくて野菜の風味が新鮮。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シエナ、ピサ、大聖堂は中へはいらなきゃ

2012-07-23 09:06:33 | イタリア
7時半にはアッシジのホテルを出発し10時にシエナへ到着。ずっと以前は旧市街端のサン・ドメニコ教会までバスで行けたのだが、今はバス用の税金支払い場所を経由し、バス用の駐車場で下車してしばらく歩かないと旧市街入口までたどり着かない。シエナの街はやはりシルエットが絵になる。
今日のシエナ観光では大聖堂は入場になっていない。近頃のツアーは経費削減と時間削減の必要からこういうところをカットする傾向がある。でも、もう二度とここへ来ないかもしれない皆さんには中を見てほしい、みなさんだって入場料三ユーロなんか惜しくないでしょう?入って価値がないと思われたら小松が払ってもよいぐらい(笑)で、入っていただきました。
シエナの大聖堂は数あるイタリアの巨大教会の中でも一見に値するものの一つだろう。地元のガイドさんだって遠来のお客には見せたいと思っている。楽しそうにガイドしてくれる。
このクーポラを支える柱の二本に古い木材が結び付けられている事を教えてくれた。こんなのがあったなんて何度も見ていても気づかなかった。これについては別のところに書きます。

シエナで昼食の後ピサへ向かう。運転手さんがハイウェイからの出口を間違えて少々遅れたが無事大聖堂には入ることができた。※写真手前の赤い屋根の建物は洗礼堂。
ピサの大聖堂はこのツアーでは入場を含んでいる。近頃はガイドを手配しない「散策」も多くてそれだと入場は含まれない。内部に入ればもちろんそれだけの価値はあるのだが。たとえば、この赤い柱はパレルモを制服したピサの艦隊がモスクから持ってきたものだそうだ。今は一地方都市のピサだがそれだけの力があったことを感じさせてくれる。

19時にフィレンツェを見下ろすミケランジェロ広場へ到着。ここは19世紀に整備された場所。青銅のダビデ像コピーとその足元に「あけぼの」と「たそがれ」、「昼」と「夜」の像が置かれている。
この彫像のコピーは世界中にいったいいくつあるのだろう?しかしどれを見てもそれほど感銘をうけなかった。
アカデミア美術館にあるミケランジェロ制作のオリジナルは、それらとは全く違う。一種の衝撃を受けるほどの気迫が五百年ごの我々にも伝わってきたのを覚えている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする