●豊島横尾館の外観は内部を予想させない
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古民家にヨーロッパ中世のドンジョンを思わせる円柱が立つ。
※円筒の中は無限に続く上下の鏡世界(撮影禁)
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入口を入ると赤いシールドの向こうに中庭が見える。
これが実際にどうなっているか、抜けてみると…
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衝撃の色彩、池には冒頭写真のように鯉が泳いでいる。
↑ゴッホの絵に出てくるような糸杉は、南ヨーロッパで墓地によく植えられている。
幹と同じように根も地中まっすぐに伸びるので墓を壊さないからだとされている。
内部は撮影禁止だが横尾忠則の「ここでなければ」画けなかった世界が爆発している。
※こちらベネッセのリンクで詳しく解説されています
「ここではお葬式もできます。まだ誰もしたことがないですが。」と案内のKさん。
小松が島民なら第一号になってもよい(^.^)
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裏のトイレも↑
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クリスチャン・ボルタンスキの「心臓の音アーカイブ」は世界中の人々の鼓動を集めてある。
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そう説明された時には不思議さしか感じなかった。
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ところが、実際に真っ暗な部屋で世界の誰かの鼓動を聴いていると、不思議な感情が湧いてきた。
※ベネッセのページにボルタンスキ氏の制作の様子と意図が書かれています
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小松も参加した。
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※こちらのブログに書きました
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豊島美術館という名前ではあるが、内藤礼の「母型」という一つの作品だけ。
いや↓この建物自体はまた西沢立衛の作品で、その中に「母型」がおさまっている↓
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↑右側の白い巨大空間ひとつがそれ↑小さく写っている人と比べると大きさが感じられるだろう。
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↑スリッパに履き替えて内部に入ってゆく↑
白いコンクリートの床がゆるやかな凹凸をもってひろがっている。小さな穴から水(この地域の地下水だそうだ)が出るようになっていて、それが生き物のような水玉になって動き出す。葉っぱの上の水玉を思い出す。床に座って丸い天井から入ってくる光や風を感じる。
↑最初の写真で左側の小さい白いのはショップとカフェになっていて、雰囲気を似せてある↓こちらは撮影OK↓
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※実際の雰囲気はベネッセのホームページをごらんください
すぐ外には再生された棚田がひろがっている
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棚田の水も、「母型」の水も、瀬戸内に流れてゆく。
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豊島には戦後から1982年まで「豊島農民福音学校」があった。
※賀川豊彦の記憶は受け継がれています
デンマークの「フォルケホイスコーレ(国民学校)」に範を求めていたという。
※2018年の訪問ブログをごらんください
豊島を訪れたら、賀川豊彦の遺していったものをもう少し知る時間があってもよい。
※ベネッセ福武財団のHPでも言及されている
↑この頁で言及されている19世紀デンマークの牧師・思想家のグルンドゥビーのための教会がコペンハーゲンにある
2017年に小松が訪れたブログでごらんください。洗練された現代のゴシック建築です。(頁中ほどから)
デンマーク農民教育の思想が、瀬戸内の小さな島で花開いていた時期があったのだ。
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港へ戻り、犬島へのフェリーを待つ間、
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島の特産品が売られていた
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もちろんオリーブ、なのだが、この収穫が行われる時期しか売っていない「浅漬け」をおしえてくださった。
「この農園のは八十五歳のおぢいちゃんがつくっていて、もう今しか買えないかもしれないから(笑)」とガイドさんがごっそり買う。
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あとから食べて比べてみると、たしかに際だっておいしかった(^.^)