父が学生だったころに、父が赤ん坊だったころのことを書いた小説
”オリンピックが終わってからというもの青山通りに車が増えた”などと
父の知らない東京のほんの小さな出来事が綴られている
松本隆は80年代の代表的な作詞家で、松田聖子などのヒット曲を
たくさん手がけていた
父は、松田聖子の歌った曲が大好きだ
松本隆の詩に呉田軽穂名義の松任谷由美が作曲した世界を
松田聖子という偶像(もしかしたら初音ミクのような感じ)が歌うのが
本当に大好きだった
”煙草の匂いのシャッに、そっと寄りうから”
といいながら季節外れの海まで来てから
”ほかに人影もなくて、急に気まずくなる”といわれてもなぁと
まじめに考えていたものだ
本作の描く60年代はピンとこないけれど
父たちが青春を過ごした80年代は少なくとも楽しい時代だった
ひとことで云えば、未だ、あまりバレていない時代だった
90年代以降、なんだかすぐに色んなことがバレてしまって
夢を持ちにくくなってしまったような気がする
Internetが増殖してしまった後はもっと顕著だが・・・
あの頃、男と女が最終的に何をするのかは知っていても
女の子は”Kissはいやと云っても反対の意味よ”と知らないふりをして
男の子には”黙り込むともりあがる”不器用さを出してしまうのがいいのだ
あぁ80年代に帰りたい!
ちなみに読んで面白い小説ではなかった・・・orz