母親の命日が3月、父親の命日が9月、いずれも彼岸の前にある。
自分は既に故郷を出て川崎市にいるので、墓参りもせずに不義理を続けている。
今回、休暇の取得日数を満たすために、思い立って彼岸の墓参りに行くこととした。
ただ、墓参りだけでは旅費ももったいないので、ぶらりと姫路城にでも寄ってくるかと
したところ、長男が自分も姫路城に行きたいと言い出したので思わぬ二人旅となった。
成人した息子と二人で旅する機会などあまりないのでありがたい経験になった。
自分は先にJALの特典で羽田-伊丹の席を確保していて、息子分を追加。
運よく通路を挟んだ臨席が空いていたのでKeep。
7:30発の便だったのだが、祝日ではあるけれど水曜日なので混雑はないだろうと勝手に
決めて最寄り駅から空港バスで羽田に行くことにした。
だが、バス乗り場に到着すると「全席予約制・本日は満席」となっていて第一関門の
トラブル発生。
慌てて確認したところ出発時刻になって席が空いていれば乗せてくれるという。
並んでいるのは自分たちを含めて7名程度、ただその中の3人は次のバスを予約しているという。
結局、なんとか潜り込めたので第一関門はクリア、羽田空港第一ターミナルへ。
しかし、コロナ禍が明けてインバウンドが拡大していて空港も搭乗便も大変な混雑。
バスが予約制になるのもわかる気がした。
そして、息子はというと昨年の修学旅行以来のフライトで搭乗する前から少し緊張していた。
フライトというものは、だいたい緊張しているとよく揺れるもので、伊丹に降りる前、ちょうど
あべのハルカスが見えるところあたりからは西風を受けて揺れる揺れる。
揺れるたびに、息子が座席の手すりを力強く握りしめているので自分は少し和んだ。
到着後ほどなく空港バスに乗り換えて神戸は三宮へ。
このバスは空いていたので、それぞれ別の2席を占領、緊張から解放された息子は爆睡していた。
三宮では喫茶店で身体を温めてようやく人心地。少し時間をつぶした後に当家のお墓へ。
息子は初めての墓参り、当家は珍しい苗字なのだが、地元なので周囲のお墓も当家と同じ
苗字、これには少し驚いていた。
待ち合わせて一緒に墓参りした自分の姉兄によればこの苗字は淡路島と赤穂の一部にある
とのこと。恐らく当家は淡路島がルーツ。
墓に刻まれた屋号は淡路島からここ神戸に出てきた曾祖父が鮮魚類を扱う仕事をしていたから
といわれ、当時はずいぶん羽振りが良かったように聞いている。
曾祖父の財産を祖父の代で無くし、父は14歳で満州に働きに出たと聞いている。
財産をなくした理由が不況によるものなのか遊興によるものかはわからない。
<国内現役最古のマシン>
さて、墓参りのあとに残った用事は親友のところにお香典を持参すること。
50年来の友人であり、そのお父さんは自宅にお邪魔すると本当に愛想よく迎えていた
だいたのだが、そのお父さんが先月亡くなられ、参らせていただこうと考えていた。
友人のお母さんも既に施設に入っておられ、友人は実質一人暮らし。
線香をあげたいとも思ったが、日のもとは少ない方がよいので手を合わせるだけとし
そのまま3人で喫茶店に出向いた。
長男には理解しにくいのかもしれないが、我々は自宅がそんなに広くないこと
家族と同居で気を遣うこともあって、ほとんど喫茶店で話すのが定番。
そして、会計の前にじゃんけんしてどちらが払うか決める。
そしてそのまま明石市立天文科学館に送ってもらい、恐らく40年ぶりくらいに
プラネタリウムを使った天文ショーを鑑賞。今月のお題は「北極星」・・・と
なっていたが、開始早々に息子の寝息が聞こえ、最後は自分が息子に起こされる
体たらくとなってしまった。学芸員の方、申し訳ありません。
<世界遺産>
兄の家に泊まって翌日は息子の目的地である姫路城。
ただ、今週は大気が不安定で西風が強い中、なにせ家が古くて隙間風もあり
布団に入るまでは寒くて仕方なかった。
明石駅で朝マック、JR姫路に到着してもなかなか風が冷たい。
そして、姫路駅から真正面に見える大天守なのだがこれが想像以上の距離。
インバウンドのご一行様と大手前通りをぞろぞろ歩いていくのだが、10分ほど
歩いてようやく大手門あたり、ここから色々と城内を巡って天守閣にたどり
つくまでいったい何時間かかるのだろうかと不安に思ってしまった。
結局、登城して帰ってくるまでに約2時間/15,000歩ほどかかった。
さらに城内の廊下を歩く際に上履きの用意がないために靴下の下の板ばり廊下が
冷たくて冷たくて底冷えがしてきた。
途中、千姫のお話とその女中たちの部屋があったが、こんな冷たいところで
どうやって過ごしていたのかばかり気になった。
その後、大天守閣に登ってから下城、市立動物園の門を過ぎて大手門をくぐると
なにやら怪しい雲が追いかけてきた。
案の定、御幸通りのアーケードに入ると雨音が聞こえてきた。
あまりに寒いので、実家の町内にある温浴施設に行こうかと息子に告げて
一旦帰宅してから、そのまま海岸沿いの温浴施設で温泉に浸かった。
生き返った。
1時間ほど温まって、そのままそこで夕飯をとってから、また風呂に浸かり
身体の芯を温めてから帰宅。
当夜は本当によく眠れた。
<後編に続く>
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます