Remains of The Accidents

アクシデンツなページ

宮崎のこと

2010年06月21日 | 宮崎
宮崎で口蹄疫が発生してからもう2ヶ月以上になる
その間、想像を超える頭数の家畜が埋殺処分となっている
農家の被害も甚大で国からの補償がなければなりたたない
政府もその補償については莫大な予算を充てることとし
農家に対して処分への協力を求めた

口蹄疫は伝染病であり加害者のない事件である

しかし、被害は日ごと拡大していく
宮崎は国内でも最大規模の畜産大国であり、畜産関連の
業界で働いている人たちも非常に多く、その補償までは
政府の手が届かない

父の知っているだけでも、飼料を扱うひと、それを運ぶひと
屠して枝肉にわけるひと、それを加工するひと、運ぶひと
牛舎・豚舎を建てるひと・・・まだまだ

宮崎は、悲しいかな第一次産業と公共事業しかないような
経済構造であり、典型的な田舎自治体だ
「寝ていて」も法人税が集まる都市型自治体ではない
畜産が止まったということは経済の大部分が止まったことを
意味する

方々でチャリティの声も上がっており、期待も膨らむが
募金や補償の範囲にいない「見えない」被害者が
ずいぶんいることに気づいて欲しい

加害者はいなくとも被害者はいる
そして、被害者は畜産農家だけではない


宮崎はこれから一番良い季節を向かえる
梅雨明け、早場米の青々とした稲穂、日向灘の輝く海
海洋性気候のさわやかな風

何よりおおらかなやさしい人々の笑顔
迷惑にならない時期を待って宮崎に行って来ようと思う









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【読了】 となり町戦争 三崎亜紀

2010年06月21日 | 読書
W杯は4年に一度だけど、「戦争」はいまも世界のどこかで起きている
我々の場合も隣国間で緊張が高まっている状態だが、ここに危機感はない
沖縄の米軍基地の移転問題についても、国防の問題だと捉えているかとい
えば、問題の焦点は「環境」だったり「補償」だったりと二転三転する

あまりに悲惨な戦の終結を経験して「戦争」という言葉自体を忌避して
しまっているのだろうし、もうあんな野蛮な戦争状態はありえないものと
考えているのだろう

本作にて、静かに音も立てずに始まって終わっていく「戦争」
行政にとって仕事として遂行されていく「戦争」
ほとんど興味本位でその戦争に踏み込みながら、その行為に「死」が
重ねることで人間の行動の不思議さを問うところがわかりやすくてよい

単なるパロディかと思いながら手に取った一冊だったけれど、パロディと
してはなかなか奥深く、最後に主人公の身体を通して実物大に近づいた
「戦争」に触れたようだった
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