ターンテーブルの裏蓋を取り外した際に、サブ・フレームの吊り部分の拡大写真も撮りましたので、おまけ?として載せておきます。
拡大写真です。
全体写真です。
サブ・フレームは、この写真の様に3枚の板バネだけで支えられています。
写真の状態では裏返しているので、サブ・フレームが自重で下がり、スプリング・ユニットがサブ・フレームとメイン・フレームの間でぶつかっていますが、使用状態では、サブフレームは、プラッターの重みで下がり、サブ・フレームとメイン・フレームは完全に板バネだけで繋がれるように見えます。
しかし、上の拡大写真の下側の穴部分をよく覗いて頂くとわかりますが、実はメイン・フレームとは板バネではなく、ワイヤーで繋がれています。要するに、実質、このワイヤーだけで繋がれている事になります。この事により、メイン・フレームや外部からの振動が伝わり難くなっています。
サブ・フレームの高さは、このワイヤーの位置を表側からのネジで調整する事になります。良く考えられていますね。
先日のひと通りの調整以後、今まで聴きなれたレコードを聴き直していますが、やはり良いですね。
溝に刻まれた音の情報を可能な限り引き出して、静寂の中に音楽があると言った感じで長時間聴いても疲れません。と言うことは歪が少ないのだと思います。
やはり、ターンテーブルも、振動を排除することで、ここまで情報量の多いクリアーな音が引き出せると言うことを学習させられました。
ターンテーブルの役目とツボを押さえた設計、構造になっていると思います。
・力まかせにテーブルを回さない。最低限の力で回す。
・回転するレコードと針、トーンアームは同じ土台(ベース)の上に置く。
・振動源のモーターは、音を拾う部分とは構造的に切り離す。
・動力源のモーターは最低限のトルクで、プラッターの慣性モーメントに任せる。
SMEの3009S2に関しても、同じ事が言えると思います。溝を忠実にトレースして刻まれた音の情報を可能な限り引き出す事に徹しています。
その構造は、ダンプとか電子制御などに頼らず、いたってシンプルなナイフエッジのヤジロベエ方式です。
今まで聴けなかった反りの大きいレコードも楽々トレースしてくれて、やっと聴くことが出来ました。
ジャンルと問わず何枚かレコードを聴いた感想ですが、このプレーヤーは、音の情報量、分解能、低歪から言って、ジャズ、ロック系と言うよりは、むしろ大編成のクラシックのオーケストラ向きかも知れません。
フル・オーケストラを聴くと音場空間の広さや、それぞれの楽器の分離、定位の良さを感じます。