久々に欲しかったST管をオークションで見つけたので購入しました。
TUNG-SOL製12SL7GT Black Glass、Round Plate、Oval Mica 1940年代生産 です。
これだけでは何のこっちゃ?となるので少し説明します。
TUNG-SOL---当時の米国真空管メーカーとしては、Sylvania、RCA等と並んで有名です。
12SL7--一般的には6SL7を使われる事が多いですが、このヒーター電圧が12V版です。
Black Glass--ガラスの内側が黒いです。
Round Plate--プレートが丸形(円筒形)です。勿論Black Plateです。Grayではありません。
Oval Mica--上部のマイカが小判の様な形をしています。
今回入手したものを写真で見ると、この様になります。
今回入手した物は元箱付きで、出品者の説明によるとNOS品の様です。
この球は、オークションでもなかなか見つかりませんし、見つかったとしても高額です。
同タイプで6SN7のNOS品ともなると、4諭吉以上となる物も有ります。
しかし、ヒーター12V品では少し値段がお安くなります。
これは、初段球として一般的にはヒーター6V品の6SL7が使われるためです。
私のアンプは、この理由も有ってヒーター電圧を12Vに改造しております。
早速、KT88プッシュプルのアンプにのせてみます。
今まで使用していた球は、同じくTUNG-SOL 12SL7のミリタリー仕様VT-289でUSから購入したものです。
実は、こちらのほうが、VT型番=ミリタリー仕様のため高価です。マイカはRound Micaです。
差し替え後、直ぐに音を聴いてみたい処ですが、流石に70年以上も前のNOS品なので、いきなり音を出すと、球もビックリしますし、今後の寿命にも影響しますので、ここはグッと我慢です。
約4時間くらい静かに通電後、少しずつボリュームを上げて、音を出してみます。
予想通りの音です。ミラクル!!!スペクタクル!!!な音です。この球特有の音ですね。
今まで使っていたミリタリー仕様よりも、もっと音に広がりがある様に思えます。
他のSlyvaniaなども持っていますが、ずば抜けて良い音がします。
昔のヴィンテージ品はやっぱり良い音がします。いやぁ~、昔の技術者、職人に感嘆します。
もう、これは博物館行きですね。(大袈裟でした)
それにしても、この球にして見れば、70年後に、まさか電気を通されるとは思っていなかったでしょうね。今回、私の手に渡りゾンビの様に蘇りました。
使用し始めたばかりなので、少し音抜けの悪い帯域もありますが、これからさらに良くなるでしょう。期待大!