踊る小児科医のblog

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「タバコの害のない健康都市はちのへ」の提案

2006年04月06日 | 禁煙・防煙
4月13日に開催される八戸市総合計画の公開討論会に参加して、次のような意見を述べることにしました。

 現在、喫煙による病気で毎年11万人4千人、受動喫煙でも2万人が死亡しており、八戸市の人口に換算すると、それぞれ約220人、約40人となります。タバコは「取り除ける病気の原因のうち最大のもの (WHO)」であり、青森県の健康寿命アップの最重点課題にもなっています。また、現在20~30代の喫煙率は非常に高く、中学生の65%が喫煙する家族のいる家庭に育っています。

 総合計画の基本原案には「一次予防を重視した健康づくり活動」とありますが、平成15年の「健康都市宣言」を前進させて、次のような内容の「タバコの害のない健康都市はちのへ」を提案します。(※先例:長野県、茨城県八千代町など)

1)路上喫煙禁止条例を制定する(※千代田区、札幌市ほか多数の自治体)
2)未成年の主要な購入手段となっている違法状態の屋外タバコ自動販売機を撤去させ、完全対面販売をめざす(※深浦町、WHOタバコ規制枠組み条約)
3)すべての小中学校において年齢に応じた継続的な喫煙防止教育を行う
4)飲食店を含む公共的なスペースにおける受動喫煙をなくす
5)葉タバコ農家には、人々の健康を害する作物から健康を育む作物づくりへの転作補助を行う
6)すべての市民に、健診や広報、地域活動などを通じて喫煙や受動喫煙の害への理解を深めさせ、禁煙への支援を行う
7)条例の制定や無煙社会(子どもたちがタバコの広告、販売、喫煙している姿を目にすることなく、受動喫煙の害もない社会)の実現のために、市民みずからが主体的に参画し行動していく

【参考】
たばこによる害のない信州を目指して(長野県)
青少年無煙の町宣言 茨城県八千代町(1998年11月)
千代田区生活環境条例
札幌市たばこの吸い殻及び空き缶等の散乱の防止等に関する条例
深浦町自動販売機の適正な設置及び管理に関する条例
子どものための無煙社会推進宣言・タバコ自動販売機の撤廃に関する要望書
(2005年12月6日 日本小児科学会、日本小児保健協会、日本小児科医会)
無煙社会に向けて10の提言(2004年8月28日 青森県タバコ問題懇談会)