踊る小児科医のblog

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熱中症を予防するには

2005年08月11日 | こども・小児科
八戸あたりでは、お祭りが終わってまだ暑い日もありますが、日によっては涼しい風が吹くようになり、夜の寝苦しさも一段落。。
お盆が過ぎれば、秋の風、喘息の季節も間近といったところです。
が、全国的には最高気温39.7℃などというニュースもあり、それに伴って熱中症も増えているようです。

東京都内で7月1日から8月4日までに熱中症になり救急車で運ばれた人は344人に上り、記録的猛暑だった昨年の同期間の約半分だったというニュースも流れていました。

つい先日、環境省(…クールビズから一転ホットな刺客となった大臣で話題の)で「熱中症保健指導マニュアル」を発行し、同時に「熱中症予防情報」で毎日の予防情報を掲載しているようです。

その他にも、
熱中症のホームページ
熱中症を防ごう(日体協)
熱中症予防情報(日本気象協会)
など多数のページがありますので、特にスポーツ指導者の方には熱中症予防について正しい知識を持って、最悪の場合死に至る病態である熱中症を防ぐ努力をしてほしいですね。基本的には、炎天下に(休みや水分を十分にとらずに)何時間もトレーニングを行う日本の部活動は全面的に見直してもらいたいと思っています。

熱中症グラフ
ところで環境省のマニュアルをパラパラと眺めていたら(といっても実物じゃなくてPDFですが)、冒頭にこんなグラフが目に入りました。東京と大阪では、真夏日の日数は大阪の方が多い。そうですね、大阪が日本で一番暑いのはよく知られてますから、これはわかります。私も小学校の頃も、2学期(9月1日から^^;)に入ってから市民プールに出かけていた記憶があります。
しかし、年間80日も真夏日がある年もあるわけだ(これは厳しい)。
そしてもう一つは、同じ温度では大阪よりも東京の方が死にやすいということ。

要するに、猛暑に対する慣れというものがあるようで、マニュアルにも「最初の暑い日」が要注意ということや、冷房についての注意なども書かれているようです。。(時間がなくてちゃんと読んでないので詳しくお伝えできませんが)

「過ちは繰返しませぬから」/被曝マリア像/長崎2005

2005年08月10日 | NEWS / TOPICS
9日夜に放映された「平和巡礼2005長崎」をビデオで見ました。浦上天主堂で佐渡裕さん指揮の合唱や演奏、吉永小百合さんの朗読、そして運び込まれてきた「被曝マリア像」の一般公開。一瞬ぎょっとする形相ですが、それが原爆の悲惨さを伝える最も崇高な姿として、クリスチャンではない私でも敬虔な気持ちにさせられます。ニュース系サイトから拝借した写真ですが、こちらにも掲載させていただきます。

広島に戻りますが、
「安らかに眠って下さい/過ちは繰返しませぬから」
この石棺に刻まれた碑文について、未だに右翼系から「悪くないのに謝るのはけしからん」などという馬鹿げた解釈をして石碑を破損させるという許せない行為が行われたとのこと。
こんな簡単な解釈が、どうしてわからないのか。私は初めて知ったのは幼稚園の時だったが、別に疑問にも何にも思わなかった。それは現在もそのままであり、主語論争などというものがあったということを今回初めて知りました。
「この時代を生きる私たち人類すべては」
これで、何の疑問があるのだろうか。

広島平和都市記念碑(原爆慰霊碑)
慰霊碑修復 8.6に間に合わず(中国新聞)

「セレブは、吸わない。」

2005年08月09日 | 禁煙・防煙
杉田かおるポスター杉田かおるという同世代で何かと話題の多い女優(というかバラエティー・タレント)がいますが、彼女を採用した今年の(財)結核予防会の禁煙ポスターがちょっとした話題になっているようです。

セレブは、吸わない。
「禁煙」で勝ち組になりましょうよ。

というキャッチフレーズで、彼女のプライベートとも関連して注目を集めようとしたのかもしれません。(実際に、彼女が吸わないのか、あるいは喫煙していたのが禁煙したのかなどの情報はありません)

確かに、「セレブは、吸わない。」というのは、欧米だけでなく日本でもそうなりつつあるし(例外はもちろん多数ありますが)、タバコ会社のマーケティングのターゲットが「未成年/女性/低学歴・低所得層/海外・途上国」に移っていることは(どんなにむこうが否定しようとも)紛れもない事実です。

そして、「禁煙」してタバコから解放された新たな人生をスタートさせましょうという意味で、「勝ち組になりましょうよ。」というのも、間違いとは言えない。まあ、端的に言えばそういうことなんだけど。。

しかし、何となくこのキャッチフレーズは好きになれませんね。彼女が「セレブ」の仲間入りして「勝ち組」になったのを、(パロディーとはいえ)「負け犬」「負け組」の貧民に向かって自慢しているようなニュアンスがありますから。。

もちっとスマートで、ユーモラスで、誰にでも好かれるような「禁煙啓発運動」でありたいですね。これも一種の(ブラック)ユーモアだったのかもしれませんが。

八戸の中学生溺水事故と個人情報保護のあり方

2005年08月08日 | こども・小児科
各地で公務員の飲酒運転などの不祥事で実名を公表しない「個人情報の過保護」が問題になっています。これは公務員の不祥事とは関係ありませんが、一昨日八戸市内で中学生の溺水事故がありました。

中1男子2人おぼれ重体/八戸(東奥日報)
八戸・大久喜海岸で中学生2人おぼれ重体(デーリー東北) (長期保存されません)

個人情報保護法下では医療機関も警察も家族の許可が得られないと氏名が公表できないのは当然のことです(法律がなくてもこの場合は氏名の公表は必要ないでしょう)。
また、今回は幸い現場に看護師もいて救命処置で自発呼吸が出たということですから、最善の結果を期待したいと思います(当番病院の先生方には集中治療の真っ最中かと思われ頭が下がります)。

ところで、このニュースを昨日の新聞で初めて知って、最初に思ったのは、
「マサカうちの子の同級生じゃないだろうか?」

おそらく、八戸じゅうの中学生を持つ親が同じ心配をしたのではないかと思いますが、デーリーには八戸市内の中学校1年としか書かれていません(東奥日報には「近くの中学」という表現になっているので、ほぼ類推はできますが)。
もちろん、自分の学校ではなければ良いという意味合いではありませんが、まずそう考えるのは親の心理として当然だろうと思います。

これはやっぱり地方ローカルニュースとしては必要な情報ではないか、ちょっと考えてみたいと思います。
もちろん、被害にあわれた方や家族の保護は重要ですが、事故報道にはその重要性に鑑みて必要な情報を社会に伝えていくことが求められるはずです。
もちろん、その判断はケースバイケースでしょう。
しかし、この場合は、既に起きてしまった重大な事故が「あった」ということを伝えるからには、最低限「どこの中学か」ということまで省いてしまったら、その記事を掲載することによって「無用の心配」を市内にひろげるだけではないか。
しかも夏休み中の土日という情報の入りにくいタイミングですから。
(もっと軽い事故ならまた別の判断があってもいいと思いますが)
尼崎の電車衝突事故でも当初被害者の情報が全く出てこなかったために大混乱になったときいています。

と、ここまで書いてから他紙をチェックして気がついたのですが、河北新報には中学名までちゃんと掲載されていました。
中学生2人おぼれ重体 八戸・大久喜海岸 (このページを見るには無料の会員登録が必要です)

同じ地方紙でも、地域密着型のデーリーが一番情報が少なく、県内紙の東奥日報が中くらいで、広域紙の河北が最も情報が多いというのは、どうも順番が逆なような気がします。
この場合は、個人情報保護法の拡大解釈云々というよりも、各紙編集部が判断した「常識的な線引き」の差が出たということなのかもしれません。

個人情報保護と報道の問題がメインになってしまいましたが、遊泳禁止の海岸はこの大久喜もそうだし有名な大須賀海岸もそうですが、離岸流がきつくて毎年のように犠牲者が出ています。子どもたちには何度強調してもし過ぎることはありません。
今回の中学校やご家庭でもそうされてきたはずだと思うのですが。。

60年目のヒロシマ「2005年 平和宣言」

2005年08月06日 | NEWS / TOPICS
私は幼稚園から小学校まで3年ほど広島で過ごしたこともあり、この日は必ず8時15分にTVのチャンネルを合わせて子どもたちにも広島市長の平和宣言を聞かせることが常だったのですが、今朝は準備に忙しかったのとTVが昨日急に壊れて画面が出たり消えたりするので、ほんの一部しか聞くことができませんでした。全文は下記サイトに当日中に掲載され、動画も数日中にはアップされるはずです。(と思ったらすでにテキストは掲載されていました)

広島市の平和への取り組み
広島平和祈念資料館WEB SITE

2005年 平和宣言

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2005年 平和宣言

被爆60周年の8月6日、30万を越える原爆犠牲者の御霊(みたま)と生き残った私たちが幽明(ゆうめい)の界(さかい)を越え、あの日を振り返る慟哭(どうこく)の刻(とき)を迎えました。それは、核兵器廃絶と世界平和実現のため、ひたすら努力し続けた被爆者の志を受け継ぎ、私たち自身が果たすべき責任に目覚め、行動に移す決意をする、継承と目覚め、決意の刻(とき)でもあります。この決意は、全(すべ)ての戦争犠牲者や世界各地で今この刻(とき)を共にしている多くの人々の思いと重なり、地球を包むハーモニーとなりつつあります。

その主旋律は、「こんな思いを、他(ほか)の誰(だれ)にもさせてはならない」という被爆者の声であり、宗教や法律が揃(そろ)って説く「汝(なんじ)殺すなかれ」です。未来世代への責務として、私たちはこの真理を、なかんずく「子どもを殺すなかれ」を、国家や宗教を超える人類最優先の公理として確立する必要があります。9年前の国際司法裁判所の勧告的意見はそのための大切な一歩です。また主権国家の意思として、この真理を永久に採用した日本国憲法は、21世紀の世界を導く道標(みちしるべ)です。

しかし、今年の5月に開かれた核不拡散条約再検討会議で明らかになったのは、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮等の核保有国並びに核保有願望国が、世界の大多数の市民や国の声を無視し、人類を滅亡に導く危機に陥れているという事実です。

これらの国々は「力は正義」を前提に、核兵器の保有を入会証とする「核クラブ」を結成し、マスコミを通して「核兵器が貴方(あなた)を守る」という偽りの呪(まじな)いを繰り返してきました。その結果、反論する手段を持たない多くの世界市民は「自分には何もできない」と信じさせられています。また、国連では、自らの我儘(わがまま)を通せる拒否権に恃(たの)んで、世界の大多数の声を封じ込めています。

この現実を変えるため、加盟都市が1080に増えた平和市長会議は現在、広島市で第6回総会を開き、一昨年採択した「核兵器廃絶のための緊急行動」を改訂しています。目標は、全米市長会議や欧州議会、核戦争防止国際医師の会等々、世界に広がる様々な組織やNGOそして多くの市民との協働の輪を広げるための、そしてまた、世界の市民が「地球の未来はあたかも自分一人の肩に懸かっているかのような」危機感を持って自らの責任に目覚め、新たな決意で核廃絶を目指して行動するための、具体的指針を作ることです。

まず私たちは、国連に多数意見を届けるため、10月に開かれる国連総会の第一委員会が、核兵器のない世界の実現と維持とを検討する特別委員会を設置するよう提案します。それは、ジュネーブでの軍縮会議、ニューヨークにおける核不拡散条約再検討会議のどちらも不毛に終わった理由が、どの国も拒否権を行使できる「全員一致方式」だったからです。

さらに国連総会がこの特別委員会の勧告に従い、2020年までに核兵器の廃絶を実現するための具体的ステップを2010年までに策定するよう、期待します。

同時に私たちは、今日から来年の8月9日までの369日を「継承と目覚め、決意の年」と位置付け、世界の多くの国、NGOや大多数の市民と共に、世界中の多くの都市で核兵器廃絶に向けた多様なキャンペーンを展開します。

日本政府は、こうした世界の都市の声を尊重し、第一委員会や総会の場で、多数決による核兵器廃絶実現のために力を尽くすべきです。重ねて日本政府には、海外や黒い雨地域も含め高齢化した被爆者の実態に即した温かい援護策の充実を求めます。

被爆60周年の今日、「過ちは繰返さない」と誓った私たちの責任を謙虚に再確認し、全(すべ)ての原爆犠牲者の御霊(みたま)に哀悼の誠を捧(ささ)げます。

「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」

2005年(平成17年)8月6日

広島市長 秋 葉  忠 利
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ぜんそく教室のお知らせ(院内報8月号より)

2005年08月05日 | こども・小児科
● ぜんそく教室(全3回)のお知らせ

日時 8月6日(土)15:00~16:00 (14:30~ビデオ)
内容 第1回 喘息の基礎知識
 気管支喘息とは? 喘息の症状 治療の目標
 発作のときの対処 治療につかう薬の知識
 発作のないときの管理

 今年もぜんそく教室を開催いたします.喘息の治療のためには,患者さんやご家族が病気のことを知り,薬のことを知り,対処法を理解した上で長期にわたって取り組んでいくことが必要になります.内容は昨年までとほぼ同じですので,参加できなかった回がある方はその回だけ参加していただいても結構です.

日時 9月3日(土) 15:00~16:00 (14:30~ビデオ)
内容 第2回 ぜんそく児の日常生活
家庭での環境 日常生活・学校・行事 体をきたえる
喘息のセルフ・ケア 前回の復習

 真夏は比較的落ち着いていることが多い季節ですが、お盆過ぎて涼しい風が吹きはじめると喘息の発作も散見される季節に入ります。
 第2回は環境対策を中心に、日常生活や学校生活などについてまとめてみたいと思います。喘息の治療は薬だけではありません。発作をおこしてからあわてないように、発作のないときにコツコツと貯金をためていくつもりで一緒に勉強していきましょう。

第3回 セルフ・ケア(応用コース) …10月8日(土)の予定

○ 今年のインフルエンザの予防接種の予約について

 秋になればまたインフルエンザの予防接種が始まります。例年10月中旬から開始して、年内に2回目を終わらせたいところです。予約は9月から。

○ 8月の診療日、急病診療所、各種教室、相談外来の予定

 8月はお盆休みが13日(土) 午後と15日(月) 、学会出席のため20日(土) も休診となります(19日は17時まで)。
 急病診療所当番は8月13日(土) と30日(火) の2回です。次回の赤ちゃん教室は9月10日(土)、ぜんそく教室は8月~10月に3回開催します。「育児相談・子どもの心相談」「禁煙・卒煙外来」は、水曜・土曜午後、平日夕方なども可能です(初回のみ無料-禁煙外来で薬を処方する場合は実費)。
 メール予約システムをご利用下さい(別紙)。6・7月合併号が制作途中のままで未発行ですが、先に8月号をお届けすることになり失礼しました。

高校野球はいつまでこんなことを続けるつもりか(明徳義塾出場辞退)

2005年08月04日 | SPORTS
高校野球について、私がどうしても好きになれない点の最たるものが、最悪のタイミングで出てきてしまいました。明徳義塾の出場辞退については、各ニュースサイトなどで報道されているので詳しくは引用しません。また、情報は限られているので、こと細かに分析してこの高校の対応を批判するつもりはありません。
以下は一般論を含めて、

1)未成年の喫煙、特に一流スポーツ選手の喫煙の問題と、防煙教育や禁煙支援治療の欠如
2)運動部にまだ残っている暴力体質
3)運動部の勝利至上主義、一元的思考
4)“不祥事”についての隠蔽体質
5)高野連の「見つかったもの、表に出たものは切り捨てる」異常な潔癖体質(本質をみていないがために、隠蔽につながる)
6)同じように「一時的に表に出たものにだけ大騒ぎする」メディア

こういったものが重なり合って、選手や応援する県民、さらに相手チームや代替出場チームにとって何のメリットもない「出場辞退」などという異常事態に発展したことを、関係者は直視すべきだと思う。

もちろん1)2)はあってはならない事態ではありますが、こんな馬鹿げたことをしているのは高校野球だけだし、そこには朝日・毎日・NHKを中心とした「高校野球とメディア」の問題や、それに連なる多数の「高校野球を飯のタネにしようとしている人たち」の姿が見え隠れします。

ダルビッシュ投手の一件も、彼を非難して切り捨て、謝罪させ謹慎させることで何の本質的な対策もとろうとしなかった。
そのツケがここでこんな形で出てきてしまった。

選手は泣いても泣ききれないが、元々そういう世界なのだからあきらめるしかない。
いくら一般社会の常識から解離していても、それがこの「ムラ社会の決まりごと」なのだから。
そういうのは、どこにでもあるんだよ。

3)については、全人的教育や、中学高校だけでなく一生を見越した適切な指導をされているところも増えてきているのではないかと思う。
4)5)6)はこの問題に限らず、例えば核燃とかアスベストとか、いろんなところで同じようにみられる日本社会の特徴と言えるかもしれません。

世界陸上で福士選手を応援しつつ、夏休み・戦後特番もみる

2005年08月03日 | SPORTS
アテネではいつ放送しているのかわからないまま終わってしまいました。
今度もやっぱりヨーロッパですから、アテネよりも更に真夜中(というか朝方)ですね。番組表がやっと手に入ったのでチェックしてみましたが、大体BSで生中継して、翌日夜の地上波で録画に向かってギャーギャー騒いで放送するらしい。結果をネットやTVなどのニュースで知らずにいることは不可能なので、福士選手出場の五千と一万は録画しておいて早起きしてみるしかないでしょう。マラソンだけは夜8時頃ナマでゆっくり観戦できる時間のようです(正確なスタート時間がわからないのですが)。

世界陸上ヘルシンキ大会(TBS)
8月6日(土) 女子10000m決勝
8月8日(月) 男子10000m決勝
8月10日(水) 女子5000m予選
8月13日(土) 女子5000m決勝
8月13日(土) 男子マラソン
8月14日(日) 女子マラソン
福士加代子選手 世界陸上直前報告!(ワコール女子陸上競技部)

その他に、戦後60年特集、NHK-BSのビートルズ特集などもあり、これで「週に3日ノー・テレビ・デー」を維持するのは難しそうです。お盆明けまでは一時的に解除するしかないか。寅さん一挙放映なんてのもあって、こちらも時間があれば2-3本観たいんだけど。。

http://www.nhk.or.jp/summer/
☆週刊こどもニュース 夏休み特集「戦争って何だろう?」
8月6日(土)・総合・午後6時10分~6時42分
…番組では子どもたちが残した膨大な日記を手がかりに、彼らの「気持」を探ってゆく。現代の子どもたちは60年前の子どもたちの「声」をどう聞くのか。

☆NHKスペシャル 「ZONE・核と人間」
8月7日(日)・総合・午後9時00分~10時15分
…ZONE(ゾーン)~チェルノブイリ原発事故で高濃度放射能に汚染され、立入禁止となった区域のことである。60年前の広島・長崎への原爆投下以来、人類は地球上に数え切れぬほどの「ZONE」を刻みつけて来た。

☆特集 平和アーカイブス ~語り伝えるヒロシマ・ナガサキ~
8月7日(日)・総合・午後11時25分~深夜0時45分
8月8日(月)・総合・午後11時00分~深夜0時00分
8月9日(火)・総合・深夜0時15分~  1時35分
…夜の特集では原爆関連のドキュメンタリーを再編集してエッセンスを伝え、被爆の惨状を再認識するとともに、文化人たちのインタビューと朗読で被爆市民の心情を映し出し、語り伝えることの大切さについて考える。

☆ハイビジョン特集 「地獄」~沖縄戦最後の33日間~
8月12日(金)・BShi・午後10時00分~11時50分
…戦争の醜さの極致とされた沖縄戦。軍が住民を最前線に動員し、盾にした日本唯一の地上戦である。日本側の死者・行方不明者は約20万人、うち約10万人が民間人、その8割の命が最後の1か月あまりの間に失われたとされている。
…地獄(ヂグク)と呼ばれた東西10キロばかりの土地で何があったのか。戦後60年を期に新たに行われた記録事業や沖縄県などが収集を続ける市民の証言記録を軸に沖縄戦の実相を浮かび上がらせる。

☆BSこだわり館 「解散から35年 ビートルズ・ソロ特集」
8月15日(月)~17日(水)・BS2・午後11時00分~深夜0時00分
…今年はビートルズ解散35周年。番組では解散後、それぞれの道を歩んできた4人の軌跡を、ミュージック・ビデオや海外のテレビ局のアーカイブスに眠っていた映像でたどる。

雪辱とリベンジ(revenge)は全然違う

2005年08月02日 | SPORTS
英語は苦手なのでこの辺の感覚は自信がないのですが、「リベンジ」なんて普通に使われる言葉じゃないような気がする。「今度アイツに-あるいはライバル校に-リベンジしてやるんだ」(←この部分は英語で話されていると想像してください)なんて言ったら会話が凍りつき、下手するとテロ未遂で警察に届けられるかもしれない。

私の記憶では、この言葉は西武の松坂が使い出してそれを他のスポーツ選手や若者、そしてマスコミやアナウンサーまでもが真似して「気軽に」使うようになり、すっかり一般的になったように思う。それまで、revengeなんて言ってもそんな英単語すら知らない人もいたんじゃないだろうか。

松坂「アテネでリベンジ」 メダル獲得へ意欲
 西武・松坂大輔投手(20)がアテネ五輪での“リベンジ”を誓った。…

そんなこんなで、今では堂々と新聞の見出しにまで登場。

リベンジの夏-甲子園に挑む山田高ナイン
 第87回全国高校野球選手権が6日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕、本県代表の山田高が夏6回目の甲子園に挑む。昨夏は延長十二回、天理(奈良)にサヨナラ負け。そして今春は沖縄尚学に3-16の大敗を喫した。「今度こそ自分たちの野球を」。悔し涙を二度流した山田高ナインの“リベンジの夏”が始まる。

しかし、正々堂々と戦ってきている選手に対して、これはやっぱりひどいんじゃないだろうか。
失礼じゃないのか。
とは考えなかったのだろうか。

私の感覚では、リベンジは汚い言葉・汚い行為で、恨みを晴らすためには、どんな手段を用いても目的が果たせればいい。「前回負けたから今度こそ勝つぞ」というのとは全く違う。
(というニュアンスだと思うのですが、間違ってますか?)
赤穂浪士の討ち入りもリベンジかもしれないが、あれは個人の怨みといった狭い小さな感情からくる行動ではなく、社会の公平・公正を求めて命をかけた異議申し立てであったはず。
しかし、あれも英語で言うとやっぱりリベンジなのかな。

高校野球に戻ると、この場合は日本語に「雪辱」という美しい言葉があるのに、言葉のプロであるべき新聞社が、連載のタイトルにこんな「間違ったニュアンスで使われている外来語」を用いる鈍感さ。。
(記事は若い記者が書いているかもしれないが、タイトルには編集長のチェックが当然入っているはず)

ちなみに、先日も触れた調査で、中高年層でも間違った言葉として使われていることの多かった「汚名挽回」(正しくは「汚名返上」もしくは「名誉挽回」)。
これもリベンジだと思っている人が多いのかもしれない。

オンライン辞書で調べてみると、こんな感じです。
「give … his revenge 人の雪辱戦に応じる」という使い方もあるから、スポーツの試合で用いることも間違いとは言えないようですが。。

■ せつじょく【雪辱】
(名)スル
恥をそそぐこと。特に、勝負などに負けて受けた恥を、次に勝つことによってそそぐこと。
「―戦」「―を果たす」「次の試合で―を期す」

■ せつじょく 雪辱
・~する vindicate one's honor; wipe out a shame; 《競技》get even ((with)).
・~戦 a return match [game].

■ リベンジ 【revenge】
復讐(ふくしゆう)。仕返し。

■ re・venge
━━ n., v. 仕返し[復讐(ふくしゅう)](する) (She was ~d [She ~d herself] on her husband.); 恨み(を晴らす); 復讐の機会.
?give … his revenge 人の雪辱戦に応じる.
?have [take, get] one's revenge 恨みを晴らす ((on, upon)).
?in [out of] revenge for [of] …の仕返しとして.
?re・venge・ful ━━ a. 執念深い.
re・venge・ful・ly ad.
re・venge・ful・ness n.

■ おめい を― 【汚名】
不名誉な評判。悪名。
「―を着せられる」「―をそそぐ」「―返上」

■ おめい 汚名
disgrace; dishonor; one's bad reputation.
・~をすすぐ wipe off a disgrace.

アスベストで肺がんは5倍、タバコで10倍、両者で50倍

2005年08月01日 | 禁煙・防煙
昨年末のクローズアップ現代で取り上げられ、このブログにも「アスベスト 広がる被害 遅れた対策」でコメントしたのに引き続き、今回の一連の騒動で「アスベスト 住民被害の衝撃」が7月28日に放送されました。

今回は、周辺住民の被害、特に30年以上前に子どもの頃住んでいたところから200mも離れた工場からの飛散被害の可能性や、早期診断の重要性、アスベストによる中皮種だけでなく、肺がんがタバコによるものとして見逃されている可能性などに触れられていました。

この中で、喫煙、アスベストと肺がんの関係については大きな誤解を招きかねない内容なので、注意を喚起しておきます。アスベスト暴露で喫煙者の肺がんについて、アスベスト暴露の影響が見逃されている可能性が高いことが指摘されていましたが、これは、アスベスト暴露で喫煙者が肺がんになった場合、タバコとは関係なくアスベストが原因だということではなく、両者が合わさると相乗効果で50倍も危険性が高くなるというデータが出ているのです。

      石綿曝露
     なし  あり
非喫煙者  1倍  5倍
 喫煙者 10倍 50倍

また、アスベスト規制や対策について、欧米から情報が出ているのに産業界優先で20年も遅れ、薬害エイズなどと同じ構造ということが言われています。全くその通りで、昨年末にコメントしたときに書いたように、同じ構図でタバコ問題では2桁も3桁も違う死者の山を築きながら、欧米に30年も遅れた対策をやっととりはじめたに過ぎません。しかも、それは遅々としたものであり、マスコミはアスベスト問題で大騒ぎしても、タバコ問題でJTと国の責任を問おうという記事は全く出てきません。

アスベスト 住民被害の衝撃(7月28日放送)
 アスベストが原因とされる「中皮腫」と呼ばれるがんによる深刻な健康被害の実態が今、次々と明らかになっている。アスベストは耐久性や耐火性に優れ、安価なことから「奇跡の鉱物」とも言われ、高度経済成長時代にはピーク時で年間35万トンが輸入され、さまざまな工業製品に使われていた。アスベストの危険性は、1970年代初頭には指摘されはじめていたが、90年代まで使用され続けるなど、国や企業の対応は遅れ、この間に被害が広範囲に広がっていた。番組では、被害公表の発端となった大手機械メーカー「クボタ」の実情と更なる被害を防ぐために葛藤する医療現場など取り上げる。スタジオゲスト:高橋 謙さん(産業医科大学・教授)(NO.2120)