熊本熊的日常

日常生活についての雑記

「考える短歌」

2008年05月05日 | Weblog
別に短歌に興味があるわけではない。ただ、言葉というものには関心があり、31文字で何をどの程度表現できるものなのかということには興味がある。この本は一般の人々から寄せられた歌を俵が添削するという形式で作歌や鑑賞の指針を与えるようになっている。一文字の違いで表現される世界が変わってしまうということがよくわかる。

短歌という様々な約束事のある形式のなかで、言葉が紡ぎ出す世界は無限に広いと言えるが、その約束事や言葉そのものを理解できないと、ただの文字列でしかない。歌の作者と読者の間に約束事や言葉の意味が共有されていないと、歌は意味を成さない。

歌に限ったことではない。言葉の意味というのは、それを発する人によって微妙に違いがある。同じ言語で会話をしていても、会話をしているという実感が湧かない相手がいる。経験から言えば、そういう人とは関係を構築することはできない。リテラシーという言葉があるが、これがある程度共有できてないないと、同じ言葉を話していても通じ合うことはない。仕事や地縁血縁でどうしてもそういう人を相手にしなければならないときは、細心の注意を払って対応するしかない。

同じ話を何度も繰り返す人がいる。平均的には高齢者に多いように感じられるが若くてもそういう人はいる。たまたま最近まで身近にそのような人がいたので、その人の話を聞きながら、何故そのようなことになるのだろうと考えた。おそらく、人は自分の興味関心の広さに合わせて言語能力を発達させるのだろう。あるいは言語能力に応じて興味関心の広さが決まるのかもしれない。このような人を相手にするときも細心の注意が必要だ。ストライクゾーンが極端に小さいピッチングゲームを想像すればよい。一番楽なのはゲームをしないこと。どうしてもゲームをしなければならず、しかも自分のコントロールに自信が無ければ、余計な期待をせずにさっさとゲームを終えるのがよい。

このブログにしても、当然、特定の読者を想定して書いている部分もある。純粋に書くことだけを楽しみにしているのなら、自分の日記帳にでも書けばよいのだから。ただ、ネット上に公開するものなので、それなりの配慮はしているつもりである。その自分が想定している読者に何が伝わり何が伝わらないのか、残念ながらわからないのだが、継続は力也とも言うのでこうして書いている。

娘へのメール 先週のまとめ

2008年05月05日 | Weblog

元気ですか? 学校のほうは順調ですか? もうすぐ中間試験でしょう。しっかり勉強して下さい。

こちらは日本の連休とは関係なく勤務していますが、たまたま5月5日はイギリスも祝日です。これはバンクホリデーといって年に三回ある祝日です。最初は3月のイースター(キリスト教の「復活祭」日にちは年によってちがう)の月曜日、二回目は5月の第一月曜日、三回目は8月の最終月曜です。このほか
にクリスマスの翌日12月26日がボクシングデーという祝日。勿論、クリスマスは休日。元旦も休日。イギリス(イングランド)は以上の6日が祝日です。日本に比べると少ないですね。祝日は少ないですが、みな適当に自分で休暇を取っているので、平均的な年間休日数は日本もイギリスもそれほど違いはないと
思います。

先日、日本から取り寄せた本が10冊と、親しい友人が日本から送ってくれた雑誌が3冊あるので、先々週から先週にかけてこれらを読みました。まだ読み終えていないものもありますが、今日までに殆ど読了しました。衣里に薦めるようなものは残念ながら殆どありませんが、伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバ
ー」は面白いかもしれません。2008年の本屋大賞に選ばれた本なので、書店に行けば平台に積んであるでしょうが、買ってまで読むほどの本ではないような気がします。純粋に娯楽作品なので、家で寝っころがりながら読むタイプの本です。ある元宅配便ドライバーが首相暗殺の犯人の濡れ衣を着せられ、逃走す
るという話です。図書館にでもあれば読んでみてください。あと俵万智の「考える短歌」というのも面白かったです。言葉の重みとか不思議がわかり易く書かれています。これは買って読んでもいいかもしれません。

何か困ったことはありませんか? できることがあれば何でも言ってきてください。

では、また来週